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北海道の除湿機選び|コンプレッサー式とデシカント式は何が違うのか

9月13日
読了時間: 8分

除湿機を買いに行って、「コンプレッサー式」「デシカント式」「ハイブリッド式」と並んでいて、違いが分からないまま価格で選んだ——という方は少なくありません。ところがこの選択は、北海道のように低温の期間が長い地域では、効果に大きな差を生みます。この記事では、方式ごとの特性と、道内の気温データをもとにした選び方を整理します。

なお、除湿機はカビ対策の万能薬ではありません。どこまでが除湿機の役割で、どこからが別の対応になるのかもあわせてお伝えします。

1. まずは道内の気温を見る

方式を選ぶ前に、使う場所の気温を把握することが先です。下のグラフは、道内5地点の冬(12〜2月)と春(3〜5月)の平均気温です(気象庁の平年値から算出)。


冬の平均気温は、札幌でマイナス2.3℃、釧路でマイナス3.7℃、帯広でマイナス5.5℃、旭川でマイナス5.7℃。春(3〜5月)でも、札幌7.1℃、旭川5.5℃、釧路4.1℃という水準です。北海道では、非暖房空間の気温が15℃を下回る期間が非常に長いということです。この前提が、方式選びの分かれ目になります。

2. 3つの方式の違い

項目

コンプレッサー式

デシカント式(ゼオライト式)

除湿の仕組み

空気を冷やして水を取る

吸湿剤に吸わせて加熱して取る

得意な気温

気温が高いとき(夏)

気温が低いときでも能力が落ちにくい

室温への影響

上がりにくい

加熱を使うため室温が上がりやすい

消費電力の傾向

小さめ

大きめ

運転音・振動

圧縮機の音が出る

比較的静か(送風音中心)

本体の大きさ

大きめ・重め

小さめ・軽めの傾向

ハイブリッド式は、この2つを切り替えて使うタイプです。本体価格は上がりますが、北海道のように夏と冬の条件が大きく違う地域では、一台で年中使えるという利点があります。

3. 使う場所で選ぶ

使う場所

向いている方式

理由

リビング(暖房あり)

どちらでも可

室温が保たれているため

洗面所・部屋干し

デシカントまたはハイブリッド

暖房が弱く気温が低いことが多い

クローゼット・納戸

デシカント

暖房外で低温になりやすい

地下室・物置

デシカント

年中低温で、夏でも気温が上がらない

夏の居室の湿気取り

コンプレッサー

高温で効率が高く、室温を上げにくい

ご相談で多いのは、「リビング用に買った除湿機を、カビが心配な収納や地下に持っていったら効かなかった」というケースです。カビが問題になる場所は、そもそも気温が低いことが多いので、方式の選択が直接影響します。

4. 容量(除湿能力)の見方

カタログには「1日あたり○○リットル」と書かれています。この数値は一定の温度・湿度条件下での値であり、実際の使用環境が低温だと、表示値どおりには除湿できません。とくにコンプレッサー式は、気温が下がると能力が大きく落ちます。

確認すること

見るべきポイント

除湿能力の測定条件

何℃・何%での値かが仕様表に記載されている

適用面積の目安

木造とプレハブで別々に書かれている

タンク容量

毎日捨てに行ける場所かどうか

連続排水の可否

長期運転するならホース接続ができるか

低温時の動作

何℃まで使えるかが明記されているか

収納や地下などで長時間使うなら、連続排水ができるかどうかは実用上大きな違いになります。タンクが満水で止まっていた、というのはよくある話です。

5. 除湿機では届かない領域

除湿機は、置いた部屋の空気を乾かす機器です。次のような場面では、除湿機だけでは解決しません。

状況

除湿機だけでは届かない理由

先にやること

家具裏や収納の奥が黒い

空気が届かない位置

家具を離す、扉を開ける

壁の中が湿っている

室内の空気とは別の系統

断熱・換気の確認

漏水・雨漏りがある

水が供給され続けている

水の入口を先に止める

すでに広がったカビ

乾かしても菌糸は残る

除去してから湿度を管理する

順番を間違えないことが大切です。水の入口を止める→既存のカビを取る→湿度を管理するという順番でなければ、除湿機を回し続けても気持ちの良い結果にはなりにくいと思います。

6. 自力対処の限界を示すサイン

サイン

示唆される状態

除湿機を回しても湿度が下がらない

どこかから水が供給され続けている

タンクの水が異常に多い

室内に大きな水蒸気源がある

湿度を下げてもにおいが残る

見えない位置に発生源がある

拭いても同じ場所に戻る

下地の内部まで及んでいる

7. 相談するかどうかの判断基準

判断軸

相談を検討する目安

範囲

1か所が手のひらを超える、または複数箇所

再発

同じ場所に2回以上

機器での限界

除湿機を入れても改善しない

位置

壁の内部・床下・天井裏が疑われる

「除湿機を買う前に、そもそも必要かどうかを知りたい」というご相談も歓迎です。機器を入れるべき場所なのか、別の対応が先なのかを整理するだけでも、無駄な支出を減らせます。

8. MIST工法®という選択肢

カビバスターズ北海道が採用するMIST工法®は、素材の状態に合わせて専用剤を調整し、強くこすり落とさずにカビを除去することを基本とした工法です。除去後は防カビ処理を行い、再発しにくい環境づくりまでを一連で行います。除湿機での湿度管理は、この「除去のあとを維持する手段」として使うと効果が出やすいと考えてください。費用は面積・素材・下地の状態によって変わるため、現地確認のうえでお見積りをご提示しています。

9. まとめ

  • 道内の冬の平均気温は札幌でマイナス2.3℃、旭川でマイナス5.7℃(気象庁 平年値から算出)。低温で使う前提で選ぶ必要があります。

  • コンプレッサー式は高温に強く、デシカント式は低温でも能力が落ちにくいという特性の違いがあります。

  • カビが問題になる場所(収納・地下・非暖房区画)は、そもそも気温が低いことが多いという点が選択のカギです。

  • 水の入口を止める→既存のカビを取る→湿度を管理する。この順番を守ると無駄がありません。

除湿機は、使う場所と目的がはっきりしていれば、非常に役に立つ道具です。選び方に迷ったときや、入れても改善しないときは、現状をお聞かせください。

出典

  • 気象庁「過去の気象データ検索 平年値(1991〜2020年)」札幌・旭川・函館・帯広・釧路

  • 方式ごとの特性は一般的な動作原理に基づく説明です。実際の能力は機種と使用条件によって異なりますので、各メーカーの仕様表をご確認ください。

【補足】よくいただくご質問

Q. エアコンの除湿ではだめですか

居室で、かつ気温が高い時期であれば有効です。ただし、エアコンのある部屋と、カビが心配な場所は一致しないことが多いのが現実です。収納や洗面所、地下などには別途手段が必要になります。なお、エアコンの内部自体がカビの発生源になっているケースもあります。

Q. 除湿剤(置き型)でもいいですか

密閉性の高い小さな空間——下駄箱、衝立て引き出し、プラスチックケースの中など——では有効です。一方で、クローゼット全体や部屋単位では能力が追いつきません。空間の大きさで使い分けるのが基本です。

Q. 24時間回しっぱなしでもいいですか

機種ごとの推奨使用方法に従ってください。その上で、湿度計を見ながら40〜60%を目安にすると、乾燥しすぎにもならず電気代の無駄も減らせます。連続排水にしている場合は、ホースの抜けや排水先の詰まりも時々確認してください。

【補足】置き場所と使い方で変わる効果

同じ機種でも、置き場所と使い方で結果はかなり変わります。今ある除湿機をもっと活かすためのポイントをまとめました。

やりがちな使い方

変えるとどうなるか

壁にぴったり寄せて置く

吸排気を塞がない位置にすると風量が保てる

部屋の隅に置く

中央寄りにすると部屋全体の空気を回せる

扉を開けたまま使う

対象区画を閉じると能力を集中できる

フィルターを掛けっ放し

月に一度の掃除で吸込量が戻る

サーキュレーターを併用しない

併用すると局所の滞留が減りむらがなくなる

とくに「対象区画を閉じる」は効果が大きいポイントです。クローゼットや納戸の中を除湿したいのに、部屋全体を除湿しようとしている——というケースは少なくありません。除湿したい空間を小さく区切ってやるほうが、短時間で確実に下がります。

反対に、一度下げたあとは、扉を開けて周囲となじませる時間をつくると、湿度の戻りが緩やかになります。閉じて下げる、開けてなじませるを交互にやるというのが、実用上使いやすい方法です。

【補足】季節ごとの使い分けカレンダー

北海道では、季節によって除湿の目的そのものが変わります。一年を通しての使い分けを整理しておきます。

時期

主な目的

向いている使い方

3〜5月(融雪期)

床下・1階の湿気対策

低温でも使える方式を、収納を閉じて

6〜8月(高湿期)

居室全体の湿度下げ

コンプレッサー式が効率的

9〜10月(無暖房期)

収納・北側の部屋対策

区画を閉じて短時間集中で

11〜2月(暖房期)

部屋干し・洗面所の湿気

低温に強い方式、または換気併用

こうして並べてみると、北海道では低温側の場面のほうが多いことが分かります。夏の居室だけを想定して選ぶと、カビが実際に問題になる場面で使えない——ということが起きがちです。

もしすでにお持ちの機種がある場合は、新しく買い直す前に、使う場所と区画の区切り方を見直してみてください。それでも改善しない場合に、方式の選び直しや、そもそもカビの除去が先なのかを検討する——という順番が、結果的に無駄がありません。北海道内であれば、判断に迷った段階でお気軽にご相談ください。

最後に、除湿機は「入れれば安心」の道具ではなく、室内の水蒸気量を数値でコントロールするための道具です。温湿度計とセットで使ってこそ、どこにどれだけ必要かが見えてきます。本記事が、機種選びと使い方の判断材料になれば幸いです。

なお、本記事の方式別の説明は、一般的な動作原理に基づくものです。実際の除湿能力や使用可能な温度範囲は機種ごとに異なりますので、ご検討の際は必ず各メーカーの仕様表をご確認ください。弊社は機器の販売を行っているわけではありませんので、特定の製品をおすすめすることはしていません。あくまで、カビの現場を見てきた立場からの情報提供としてお受け取りください。

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