乾燥機・湯気が出る店舗のカビ対策|北海道の湿気出口設計
更新日:1 日前

「コインランドリーの奥の壁にいつの間にか黒いシミが広がっていた」「クリーニング店の天井から水滴が落ちてくる」「ペットサロンの奥の部屋がなんとなくカビ臭い」——業務として大量の水と熱を扱う店舗の経営者様から、こうしたご相談をいただくことがあります。コインランドリー、クリーニング所、銭湯やスーパー銭湯の脱衣所、ペットサロン、製菓・製麺業など、水蒸気の発生量が一般的な店舗とは桁違いに多い業種では、湿気の「出口」がきちんと設計されているかどうかが、カビの発生しやすさを大きく左右すると考えられます。この記事では、そうした高湿度業種の店舗経営者・法人の方に向けて、湿気の出口という視点から押さえておきたい考え方を整理します。
この記事の結論 コインランドリーやクリーニング所、ペットサロン、製菓・製麺業といった高湿度業種の店舗では、業務として発生する水蒸気の量そのものが多く、北海道の寒冷な気候と組み合わさることで結露・カビが起きやすい条件がそろいやすいと考えられます。要点を振り返ります。
この記事の要点
乾燥機・洗濯機・給湯設備などを使う店舗は、一般の店舗より室内に出る水蒸気の量が多く、北海道の冬は外気温が低いため結露が起きやすい環境です。
結露やカビは天井裏・壁内など見えない場所で進行することがあり、換気扇はあっても給気口がない、排気ダクトが屋内で結露するといった「出口の設計不足」が背景にあるケースが考えられます。
相対湿度40〜70%・気流0.5m/秒以下といった公的な目安を参考にしながら、排気・給気・断熱の状態を点検することが対策の出発点になります。
なぜ高湿度業種の店舗はカビが発生しやすいのか
洗濯・乾燥・湯気を扱う店舗では、営業時間中ずっと水と熱が使われ続けます。業務用乾燥機の排気、洗濯機まわりの床の水はね、シャンプー台やボイラーからの湯気など、一般的な店舗ではあまり想定されない量の水蒸気が室内や壁の裏側に供給され続けることになります。
結露が起きる仕組み(露点温度)
空気が水蒸気を含める量には温度によって限界があり、湿った空気が冷たい壁や窓、天井、サッシなどに触れると、その表面温度が「露点温度」を下回った瞬間に水滴として現れます。これが結露です。例えば室温20℃・相対湿度60%の空気の露点温度は約12℃、室温22℃・相対湿度60%であれば約14℃とされています。北海道の冬は外気温が氷点下まで下がるため、外壁側や窓まわり、断熱の弱い部分の表面温度が下がりやすく、店内で発生した湿った空気が触れた瞬間に結露が起きやすい状況にあります。天井裏や壁の内部で結露が起きると、外からは見えないままカビの発生が進んでしまうことがあります。
公的な湿度・気流の目安
厚生労働省の「建築物環境衛生管理基準」では、興行場・百貨店・店舗・事務所等で延べ面積3,000平方メートル以上の特定建築物を対象に、相対湿度40%以上70%以下、気流0.5メートル/秒以下といった基準が示されています(学校教育法第1条の学校は8,000平方メートル以上が対象)。また、事務所衛生基準規則第5条でも、空気調和設備を設けている場合は室の相対湿度を40%以上70%以下にするよう努めることとされています。多くのコインランドリーやクリーニング所、ペットサロンはこの対象面積に該当しない小規模店舗だと思われますが、数値そのものは湿度管理の目安として参考にできると考えられます。カビは一般的に温度20〜30℃前後、相対湿度がおおむね60〜80%以上で活動が活発になるとされており、相対湿度60%以下を保つことが対策の目安とされています。
設備・箇所別に見る水蒸気の発生源
店舗のどの設備が、どのように水蒸気を発生させ、どこを確認すべきかを整理すると次のようになります。
設備・箇所 | 起きやすいこと | 確認箇所 | 対策の考え方 |
業務用乾燥機の排気 | 排気ダクトの継ぎ目や屋外接続部での結露・漏れ | ダクト接続部、貫通部まわりの壁・天井 | 排気を確実に屋外へ出す経路の点検、断熱の見直し |
洗濯機まわりの床・排水 | 床面の常時の水はね・排水不良による湿り | 床の防水層、排水溝、機器下部 | 床の水はけと防水状態の点検、こまめな水分の除去 |
シャンプー台・湯気(ペットサロン等) | 作業中の湯気が天井・壁に滞留 | 作業スペース上部の天井、換気経路 | 作業中の局所換気、湯気の逃げ道の確保 |
客席・作業スペースと入口の温度差 | 出入口付近の温度差による結露 | 入口付近の壁・ガラス面・床 | 温度差を緩和する工夫、入口付近の換気 |
「湿気の出口」が設計されていないケース
店舗を拝見する中で見られる傾向として、次のようなケースがあります。あくまで一般的に見られる傾向であり、すべての店舗に当てはまるものではありません。
換気扇は設置されているが、給気口がなく、実際には空気の入れ替えが起きていない
乾燥機の排気ダクトが屋内の天井裏で結露し、シミとなって天井に現れている
乾燥機の排気の一部が屋内側に漏れ出し、室内の湿度を押し上げている
営業終了後に換気を止めてしまい、湿った空気が朝まで店内にこもっている
換気扇が「ある」ことと、実際に空気が入れ替わっていることは別の問題です。排気だけがあって給気の経路がなければ、空気の流れそのものが生まれず、湿気は行き場を失って壁や天井にとどまり続けることになります。特にテナント物件の場合、開業時の内装工事で棚や設備を追加した際に、もともとあった給気口を塞いでしまっているケースも見られます。図面上は換気計画が成立していても、実際の店内では機能していないという状態が起こり得るため、設備の有無だけでなく、実際に空気が動いているかどうかを確認することが重要だと考えられます。
北海道の気温とカビの関係
北海道は年間を通じて気温の変動が大きく、特に冬季は外気温が氷点下となる期間が長く続きます。この気温差の大きさが、店内で発生した水蒸気と外気に接する面との温度差を広げ、結露の起きやすさにつながっていると考えられます。

上のグラフは、気象庁「過去の気象データ 札幌 平年値(1991〜2020年)」による札幌の月別平均気温(平年値)を示したものです。外気温が低い月ほど、外壁や窓、ダクトの屋外接続部などの表面温度が下がりやすく、店内の湿った空気が触れた際に結露が起きやすい条件がそろいやすいと考えられます。
自分たちでできる点検・対処
専門的な調査を依頼する前に、店舗内で確認・対処できることを整理しておきます。
換気扇と給気口(自然給気口や窓の開放)がセットになっているか、実際に空気が動いているかを確認する
乾燥機・洗濯機まわりの床、壁、天井にシミ・黒ずみ・カビ臭がないかを定期的に点検する
営業終了後もしばらく換気を継続する、あるいはタイマー等で稼働させる
排気ダクトの接続部や貫通部にすき間や結露の跡がないかを確認する
床の水はねや排水の滞りをそのままにせず、こまめに水分を除去する
温湿度計を設置し、相対湿度がおおむね60%を超えていないかを日常的に確認する
自力対応の限界サイン
次のような状態が見られる場合は、自店舗内での対処だけに頼らず、専門業者への相談を検討していただきたい場面です。
天井や壁の表面にシミやカビが繰り返し現れる(拭き取ってもまた出てくる)
天井裏や壁内など、目視できない場所からカビ臭がする
換気扇や排気ダクトの構造上、給気・排気の経路がどうなっているか自分たちでは把握できない
店内のにおいについて、お客様から指摘を受けたことがある
保健所等への対応を含め、衛生管理の説明が必要になりそうな状況がある
においの問題は、来店するお客様の印象に直結しやすく、結果として客足に影響する可能性も考えられます。断定はできませんが、におい・見た目の変化に気づいた早い段階で状況を確認しておくことは、経営上のリスクを抑えるうえでも意味があると考えられます。
業者に相談するときに確認したいこと
専門業者に調査・処置を依頼する際は、次の点を確認しておくと安心です。
見えている部分だけでなく、天井裏・壁内・ダクト内部などの状況も含めて確認してもらえるか
換気(給気・排気)の経路や設備の状態についても診てもらえるか
処置後、湿気の発生源や経路への対策についても提案があるか
営業時間や設備の稼働状況を踏まえたスケジュールで対応してもらえるか
費用は建物の状況や範囲によって異なるため、具体的な金額は現地確認のうえでの見積りとなるのが一般的です。また、店舗を休業して調査・処置を行うのか、営業時間外に作業を行うのかによっても進め方は変わってきます。特にコインランドリーのように24時間営業に近い形態の店舗では、稼働を止めずに点検・処置ができるかどうかも、依頼先を選ぶ際の確認事項のひとつになると考えられます。
冬の営業で気をつけたいこと
札幌の冬は、店舗の外が冷え込む一方、店内では乾燥機や蒸し器、食器洗浄機などから湯気や熱が出ます。湯気が冷えた窓や外壁側の壁、天井の角に触れると、結露が起こりやすくなります。
閉店後に換気を止めると、店内に残った湿気が夜の間に結露し、翌朝に窓や壁が濡れていることがあります。閉店後もしばらく換気を続け、湿気を外に出してから設備を止めるようにしましょう。
客席の窓際や、入口の風除室のまわりも、結露しやすい場所です。開店前に結露を拭き取り、黒い点やシミがないか確認してください。
よくある質問
Q. 乾燥機の排気口のまわりにカビが出ました。
A. 排気の湿気が壁や天井に当たっていることがあります。排気の経路やダクトの状態を、設備の業者に確認してもらいましょう。
Q. 店舗の天井の黒い点は、自分で掃除してもよいですか。
A. 高い場所の作業は危険を伴うため、無理をせず、営業に支障のない時間に専門の業者に相談しましょう。
Q. 店舗のカビの調査は依頼できますか。
A. 営業時間外の調査もご相談ください。
Q. 閉店後の換気の時間は。
A. 湿気が抜けるまで続けましょう。
Q. 相談先は。
A. ご相談ください。
Q. 窓の掃除は。
A. 開店前に拭きましょう。
まとめ
コインランドリーやクリーニング所、ペットサロン、製菓・製麺業といった高湿度業種の店舗では、業務として発生する水蒸気の量そのものが多く、北海道の寒冷な気候と組み合わさることで結露・カビが起きやすい条件がそろいやすいと考えられます。要点を振り返ります。
乾燥機・洗濯・湯気を扱う店舗は水蒸気の発生量が多く、冬の低い外気温との温度差で結露が起きやすい
換気扇はあっても給気口がない、排気ダクトが屋内で結露するなど、湿気の出口が設計されていないケースがある
相対湿度40〜70%・気流0.5m/秒以下という公的な目安を参考に、日常的な点検を行うことが対策の出発点になる
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カビバスターズ北海道では、MIST工法®によるカビの除去と再発対策のご相談を承っています。カビは「見えている部分」だけを拭き取っても、湿気の供給源が残っていれば同じ場所に戻ってくることが少なくありません。まずは現地で建物の状況と湿気の経路を確認し、必要な処置と再発対策をご提案します。
ご相談・お見積りは無料です。費用は建物の状況や範囲によって変わるため、現地確認のうえでご提示します。「これはカビなのか判断がつかない」「一度自分で掃除したが戻ってきた」という段階でも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。
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