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カビの色でわかる性質と対処法|黒・白・青緑・ピンク汚れの違いを札幌の住まいで解説

9月29日
読了時間: 12分

更新日:1 日前

浴室のゴムパッキンに入り込んだ黒い点、押入れの木部に付いた白い綿のようなもの、パンやみかんに生える青緑の粉、そして浴室の床や排水口まわりに出るピンク色のぬめり。家の中で見かける「カビらしきもの」には、いろいろな色があります。

色が違うのは、生えている微生物の種類や成長の段階、作り出す色素が違うためです。色だけで種類を正確に言い当てることはできませんが、色と生えている場所、素材の組み合わせを見ると、どんな湿気が原因になっているか、どう対処すればよいかの手がかりになります。

この記事では、黒・白・青緑・赤やピンクといった色ごとに、代表的なカビや汚れの性質、出やすい場所、家庭でできる対処と注意点を札幌の住まいに合わせて整理します。カビと間違えやすい白華(はっか)などの見分け方もあわせて紹介します。

この記事の結論 カビの色は、種類や成長の段階、作り出す色素によって変わります。黒いカビは結露や水回り、白いカビは生え始めや湿気のこもった収納、青緑のカビは収納や畳、食品、赤やピンクの汚れは浴室のぬめりのサインとして現れることが多く、色と場所を合わせて見ることで原因のヒントが得られます。

カビの色はなぜ違うのか

カビは、糸のように伸びる菌糸と、増えるための胞子でできています。私たちが目にする色の多くは、胞子や菌糸が作り出す色素の色です。同じ種類のカビでも、生え始めは白っぽく、胞子を作るようになると黒や緑に変わることがあります。つまり、色は成長の段階によっても変化します。

また、家の中で見かける色の付いた汚れのすべてがカビとは限りません。浴室のピンク色のぬめりは、酵母や細菌が主な原因とされています。コンクリートや壁の白い粉は、カビではなく白華と呼ばれる鉱物の結晶であることもあります。見た目だけで判断せず、生えている場所や手触り、においもあわせて確認しましょう。

正確な種類を知りたい場合は、採取したサンプルを培養して調べる検査が必要です。当社でも付着菌検査(有料オプション)などで、どのような菌がどの程度付着しているかを確認できます。ただし日常の掃除や予防の段階では、次に紹介する色ごとの傾向を知っておくだけでも十分役に立ちます。

色から考える3つの視点

色別に見る代表的なカビと出やすい場所

下の表は、住まいでよく見かける色と、その色の原因としてよく挙げられる微生物、出やすい場所の傾向をまとめたものです。あくまで一般的な傾向であり、同じ色でも別の種類であることは珍しくありません。

色

よく挙げられる例

出やすい場所の傾向

特徴

黒

クラドスポリウム、アルテルナリアなど

浴室の目地・パッキン、窓枠、結露する壁

湿った面に根を張り色素が残りやすい

白

多くのカビの生え始め、ケカビなど

押入れの木部、家具の裏、食品

綿毛状で広がり、後から色が付くことも

青緑

アオカビ(ペニシリウム)など

食品、壁紙、畳、革製品

粉っぽく胞子が飛びやすい

黄緑・黄

コウジカビ(アスペルギルス)の仲間など

乾き気味の食品、ほこりの多い場所

比較的乾いた環境でも見られる

赤・ピンク

酵母(ロドトルラ)や細菌など

浴室の床、排水口、洗面台

ぬめりとして出て、増えるのが早い

札幌の住まいで特にご相談が多いのは、黒いカビと青緑のカビです。黒いカビは冬の結露と深く関係し、窓枠や北側の壁、浴室で繰り返し見られます。青緑のカビは、湿った収納や畳、壁紙の裏などで、カビ臭さとともに見つかることが多い傾向があります。

黒いカビ:結露と水回りのサイン

黒いカビは、住まいで最もよく見かけるカビです。浴室のタイル目地やゴムパッキン、窓のサッシやゴム部分、結露した壁紙の表面などに、黒い点や斑点として現れます。水滴が付きやすく、なかなか乾かない場所に出やすいのが特徴です。

札幌では、冬の暖房期に窓や外壁側の壁が冷やされ、結露が毎朝のように起きる住まいで、黒いカビが広がりやすくなります。窓枠の下やカーテンの裾、家具の裏の壁に黒い点が出てきたら、結露が続いているサインと考えてください。

黒いカビは、素材の表面の細かな凹凸に入り込み、色素を作ります。表面を拭いて取れたように見えても、ゴムパッキンや目地の中に色素やカビが残っていることがあります。浴室の目地やパッキンの黒ずみには、塩素系のカビ取り剤を製品の表示どおりに使うのが一般的ですが、素材によっては変色することがあるため、目立たない場所で試してから使いましょう。

  • 使う前に換気扇を回し、窓やドアを開けて換気する

  • ゴム手袋・マスク・眼鏡などで肌や目を守る

  • 塩素系の製品を酸性タイプの製品と一緒に使ったり続けて使ったりしない(混ぜるな危険)

  • 使用量と放置時間は製品の表示を守り、よく水で流す

白いカビ:カビの生え始めと見間違いに注意

白いカビは、押入れの中の木部や合板、家具の裏、革製品、食品などに、ふわふわとした綿のような姿で現れることが多いカビです。多くのカビは生え始めに白い菌糸を伸ばすため、白いカビを見つけたら、その場所は今まさにカビが育ち始めている状態だと考えてください。

白いカビは、黒いカビに比べて色素のしみが残りにくい傾向があり、早めに気づけば比較的対処しやすいカビです。家庭では、マスクを着けて窓を開け、乾いた布や掃除機(排気が室内に広がらないよう注意)で表面を取り除いてから、素材に合わせて消毒用エタノールなどで拭き、しっかり乾かします。木材や革は、使える製品かどうかを表示で確認してください。

注意したいのが、カビと間違えやすい白いものです。コンクリートやブロック、タイルの目地に出る白い粉や結晶は、白華(エフロレッセンス)と呼ばれ、材料に含まれる成分が水と一緒に表面に出て固まったものです。また、浴室の壁や鏡の白い汚れは、水道水のミネラル分や石けんかすであることが多くあります。

見分けのポイント

白いカビ

白華・石けんかす

見た目

綿毛状・ふわふわしている

硬い粉や結晶、うろこ状

出る素材

木材、合板、革、布、食品など

コンクリート、ブロック、タイル目地、浴室の壁

におい

カビ臭さがあることが多い

においはほとんどない

触った感じ

柔らかく、こすると崩れて広がる

ざらざらして硬く、指で押しても崩れにくい

考えられる原因

湿気がこもり空気が動かない

壁の中の水分の移動や水はね

白華そのものはカビではありませんが、コンクリートやブロックの中を水分が移動しているサインでもあります。北海道に多いブロック造の住宅や地下室の壁で白華が増えている場合は、壁の湿気が多い状態が続いている可能性があるため、周辺にカビが出ていないかもあわせて確認しましょう。

青緑のカビ:収納・畳・食品のサイン

青緑色のカビは、パンやみかんなどの食品でおなじみのアオカビの仲間が代表的です。住まいでは、湿気のこもった押入れの畳、クローゼットの壁紙、革のバッグや靴などに、粉をまぶしたような青緑色の斑点として現れます。

青緑のカビは胞子を多く作り、粉っぽいため、触ったり払ったりすると胞子が舞い上がりやすいのが特徴です。見つけたときは、いきなり乾いた布でこすったり、室内で払ったりせず、マスクを着けて窓を開け、物は屋外に持ち出してから処理しましょう。

食品にカビが生えた場合は、見えている部分だけを取り除いて食べるのは避け、処分するのが安全です。収納や畳に青緑のカビが出た場合は、表面の掃除だけでなく、なぜその場所に湿気がたまったのかを考えることが大切です。押入れの下段や北側の収納、外壁に面した畳の部屋は、冬の結露や夏の湿気の影響を受けやすい場所です。

赤・ピンクの汚れ:浴室のぬめりの正体

浴室の床や排水口、シャンプーボトルの底、洗面台のまわりに出る赤やピンク色のぬめりは、「ピンク汚れ」とも呼ばれます。その正体は、カビではなく、酵母の仲間や細菌であることが多いとされています。水分と石けんかすや皮脂などがある場所で、短い期間で増えるのが特徴です。

ピンク汚れは、黒いカビと違って素材の奥に根を張ることは少なく、表面のぬめりとして付いていることがほとんどです。浴室用の中性洗剤とスポンジでこすれば落ちることが多く、こまめに掃除して水気を切ることで出にくくなります。入浴後に床や壁の水滴を切り、換気扇を回す習慣をつけると効果的です。

ただし、ピンク汚れが頻繁に出る浴室は、湿気が長くこもっている浴室でもあります。放っておくと黒いカビが出やすい環境につながるため、ピンク汚れは「浴室の乾き方を見直す合図」と受け止めましょう。札幌の冬は浴室の窓や天井が冷えやすく、入浴後の湿気がなかなか抜けません。換気扇は入浴後もしばらく回し続けてください。

そのほかの色:黄・茶・外壁の緑

黄色やオレンジ色、茶色っぽいカビも見かけることがあります。コウジカビの仲間には黄色や黄緑色に見えるものがあり、乾物や穀類、ほこりのたまった場所など、比較的乾き気味の環境でも見られることがあります。「うちは湿気が少ないからカビは出ない」と思っている場所でも、ほこりと少しの湿気があれば育つことがあるため、収納の奥や家具の上のほこりをためないことが予防になります。

茶色のしみは、カビの色素だけでなく、雨漏りや水漏れの跡、木材のあく、金属のさびが原因であることもあります。天井や壁に輪のような茶色いしみが広がってきた場合は、上の階や屋根、配管からの水の浸入を疑い、しみの広がり方を写真で記録しておきましょう。札幌では、冬の屋根の雪がとけて入り込む水が天井のしみの原因になることもあります。

外壁や北側の基礎、ブロック塀に出る緑色の汚れは、カビではなく藻やコケであることが多い汚れです。日当たりが悪く、雨や雪解け水で湿った状態が続く面に出やすく、外壁の塗膜の劣化を知らせるサインにもなります。高い場所の洗浄は無理をせず、外壁の塗装やメンテナンスを行う業者に相談するのが安全です。

  1. 色と場所、素材、におい、手触りをメモと写真で記録する

  2. 白華・石けんかす・さびなど、カビ以外の可能性を確かめる

  3. 製品の表示を確認し、素材に合った方法で表面を掃除する

  4. 掃除後は換気と送風でしっかり乾かす

  5. 同じ場所で繰り返す場合は、湿気の原因を点検する

札幌の気候と色別カビの出方

札幌の外気の平均湿度は、気象庁の平年値で7月と8月が75%と最も高く、4月が61%で最も低くなっています。夏の終わりまでは外気そのものが湿っているため、閉めきった収納や床下、北側の部屋で白いカビや青緑のカビが育ちやすくなります。

札幌の月別平均湿度(平年値)

図:札幌の月別平均湿度(平年値)。外気の湿度は7〜8月が75%で最も高く、4月が61%で最も低くなります。室内のカビの出方は、外気に加えて暖房や結露の影響を受けます。 出典:気象庁「過去の気象データ検索」札幌 平年値(1991〜2020年)

一方、冬は外気の湿度が数字の上では60%台後半でも、水蒸気の量は少なく乾いています。冬の住まいで黒いカビが増えるのは、外気の湿気ではなく、暖房した室内の水蒸気が冷たい窓や外壁で結露するためです。同じ家でも、季節によって出やすいカビの色や場所が変わるのはこのためです。

出典:気象庁「過去の気象データ検索」札幌 平年値(1991〜2020年)(平均湿度)

季節

出やすい色と場所

重点的に見るポイント

夏〜初秋(7〜9月)

白・青緑:収納、床下、北側の部屋

閉めきった場所の湿気とにおい

秋(10〜11月)

白:押入れの木部、家具の裏

夏の湿気が残っていないか

冬(12〜3月)

黒:窓枠、外壁側の壁、浴室

結露の量と拭き取り、換気

通年

ピンク:浴室の床・排水口

入浴後の水切りと換気扇の運転

色ごとに掃除をしても、同じ場所に同じ色のカビが何度も出てくる場合は、表面の問題ではなく、湿気の原因が解決していないと考えられます。壁紙の裏や床下など、見えない部分でカビが広がっていることもあります。当社では、含水率測定などで湿気の状態を確かめたうえで、原因に合わせた対処をご提案しています。

よくある質問

Q. 黒いカビは白いカビより危ないのですか。

A. 色だけで危険性を判断することはできません。大切なのは色ではなく、カビがどのくらいの範囲に広がっているか、繰り返し出ていないかです。体調面で気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。

Q. 塩素系のカビ取り剤で黒いしみが消えないのはなぜですか。

A. カビが素材の奥に入り込んでいたり、色素が残っていたりするためです。何度も強い薬剤を使うと素材を傷めることがあるため、表示の使用回数を守り、落ちない場合は専門業者に相談してください。

Q. 浴室のピンク汚れを予防するにはどうすればよいですか。

A. 入浴後に床や壁の水気を切り、換気扇を回して浴室を乾かすことが基本です。シャンプーボトルなどは床に直接置かず、ラックに置くか浮かせて収納すると、底にぬめりが出にくくなります。

Q. 白い粉がカビか白華か、自分で見分けられないときはどうすればよいですか。

A. 手触りやにおい、生えている素材で見当はつきますが、判断が難しい場合もあります。むやみに削ったりこすったりせず、写真を撮って専門業者に相談すると、必要に応じて検査で確かめることができます。

まとめ

カビの色は、種類や成長の段階、作り出す色素によって変わります。黒いカビは結露や水回り、白いカビは生え始めや湿気のこもった収納、青緑のカビは収納や畳、食品、赤やピンクの汚れは浴室のぬめりのサインとして現れることが多く、色と場所を合わせて見ることで原因のヒントが得られます。

一方で、色だけで種類や危険性を決めつけることはできません。白華や石けんかすのように、カビに見えて実は違うものもあります。掃除は製品の表示に従って安全に行い、同じ場所で繰り返すときは湿気の原因を探ることが大切です。見えない部分の状態が気になるときは、専門業者の調査も検討してみてください。

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