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解体で出てきたカビの対処と工程|札幌の工務店・リフォーム会社向け実務

10月23日
読了時間: 12分

更新日:1 日前

リフォームや改修工事で壁や床をめくったとき、下地の石膏ボードの裏や柱、床下地の合板が黒く変色していた――札幌の工務店やリフォーム会社の方なら、一度は経験があるのではないでしょうか。築年数の経った住宅では、冬の結露やすが漏り、見えない配管の漏れなどが長い年月をかけて壁の中や床下に湿気を溜め、解体して初めてカビが姿を現すことがよくあります。

このとき、工期を優先して表面を拭いただけで新しいボードを張ってしまうと、原因が残ったまま壁の中にカビを閉じ込めることになりかねません。引渡し後に再びカビ臭がする、仕上げ材にしみが出るといった相談につながれば、施主との信頼関係にも影響します。

この記事では、工務店・リフォーム会社の現場担当者向けに、解体して出てきたカビへの対処の考え方と、工程への組み込み方を整理します。安全衛生や法令に関わる内容は一般的な情報として紹介していますので、実際の判断は関係法令や所管の行政機関、専門家の情報をご確認ください。

この記事の結論 解体して出てきたカビは、札幌の住宅では決して珍しいものではありません。大切なのは、見つけたらまず作業を止め、記録し、施主に伝えること。そして、除去よりも先に水の出どころを確かめ、原因を是正することです。

解体でよく見つかるカビのパターン

解体時に見つかるカビには、場所ごとにある程度の傾向があります。カビの出方から水の出どころの見当をつけることが、その後の対処の第一歩になります。

場所

よくある見え方

考えられる水の出どころ

外壁側の壁内(窓下・隅)

ボード裏や柱の室内側に黒い斑点

室内の水蒸気による壁内結露、サッシまわりからの雨水

浴室・洗面所まわりの壁

土台や柱の下部が黒く変色、腐朽

防水の劣化、配管の漏れ

キッチン・洗面台下の床

床下地合板の広い変色、しみ

給排水管の小さな漏れ

天井裏・小屋裏

野地板や天井ボード上面のカビ

小屋裏の結露、すが漏り

北側の押入れ・収納の壁

壁の下部や床に近い部分のカビ

外壁側の冷えと湿気のこもり

床下の土台・大引

表面の白いカビ、変色

床下の湿気、雪解け水の浸入

壁の中のカビは、室内側からは見えなくても、ボードの裏に広がっていることがあります。一か所でカビが見つかったら、その周囲も一枚分広めに確認する、柱や間柱の側面まで見るといった確認の範囲を決めておくと、見落としを減らせます。

また、同じ黒い変色でも、表面にカビが付いているだけの場合と、木材そのものが腐朽して強度が落ちている場合とでは、対処が大きく異なります。ドライバーなどを軽く当てて、木材が柔らかくなっていないかを確認し、腐朽が疑われる場合は構造的な補修も含めて検討が必要です。

見つけたら、まず「止めて・記録して・伝える」

解体中にカビが出てきたとき、最初にやるべきことは、急いで取り除くことではありません。作業を一度止め、状態を記録し、施主と社内に伝えることが、その後のトラブルを防ぐうえで最も重要です。

カビ発見時の初動3原則

記録は、解体前の状態、解体直後の状態、範囲がわかる引きの写真、カビや変色の近接写真をそろえます。メジャーを当てて範囲を示し、日付と場所を記録しておきましょう。後から「最初からあったのか」「工事中に発生したのか」を説明するための大切な資料になります。

施主への連絡は、写真を見せながら、見つかったもの、考えられる原因、今後の確認方法と、工期や費用に影響する可能性があることを率直に伝えます。この段階で原因や費用を断定する必要はありません。「確認したうえで改めてご相談します」と伝え、追加工事の判断材料をそろえることを優先しましょう。

原因を確かめる:水の出どころと湿り具合

カビは、水分がなければ増えることができません。解体で出てきたカビへの対処では、除去より先に「なぜそこに水分があったのか」を確かめることが欠かせません。原因をそのままにして仕上げてしまえば、新しい下地材にも再びカビが生える可能性があります。

原因の確認では、カビの位置と、周囲の配管・サッシ・外壁・屋根の関係を照らし合わせます。浴室まわりなら防水や配管の状態、窓下ならサッシまわりの防水や結露の履歴、天井裏なら小屋裏の換気や屋根の状態など、疑わしい部分を一つずつ確認していきます。施主に、過去に雨漏りや水漏れがなかったか、冬に結露が多かった部屋はどこかを聞いておくのも有効です。

北海道の住宅は壁の中に厚い断熱材が入っていることが多く、室内側の防湿層(防湿フィルム)に破れやすき間があると、暖房された室内の水蒸気が壁の中へ入り込み、冷えた外壁側で結露することがあります。コンセントボックスまわりや配管の貫通部、過去の改修で開けた穴などは防湿層が途切れやすい場所です。解体時には、カビの位置と防湿層の状態もあわせて確認しておきましょう。

湿り具合を客観的に確かめるには、含水率計による測定が役立ちます。周囲の乾いた部分と比べて数値が高い場所は、今も水分が供給されている、あるいは乾ききっていない可能性があります。当社でも、現場では含水率測定で下地材の湿り具合を確認し、必要に応じてファイバースコープで解体していない壁の内部を観察するなどして、カビの範囲と原因の見当をつけています。

  • カビの位置と、配管・サッシ・外壁・屋根の位置関係

  • 周囲と比べた含水率の差(高い場所の分布)

  • 水じみ、錆、腐朽など水が関わった跡

  • 施主から聞き取った雨漏り・水漏れ・結露の履歴

  • 解体していない隣接部分の状態

木材は周囲の湿度で含水率が変わる

木材は、周囲の空気の湿度に応じて水分を吸ったり放出したりし、やがてその環境に見合った含水率に落ち着きます。この落ち着いた状態の含水率を「平衡含水率」といいます。濡れた下地を乾燥させるときには、どのくらいの湿度の環境なら、どの程度まで乾くのかを知っておくと、乾燥の計画を立てやすくなります。

下のグラフは、気温20℃のときの相対湿度と木材の平衡含水率の関係を、木材の吸湿に関する代表的な計算式で求めたものです。湿度が高くなるほど平衡含水率は上がり、特に湿度80%を超えるあたりから急に高くなることがわかります。

相対湿度と木材の平衡含水率(20℃)

図:相対湿度と木材の平衡含水率(20℃)。周囲の湿度が高いほど木材は乾きにくくなります。濡れた下地を乾かすには、現場の湿度そのものを下げることが大切です。 出典:計算値(Hailwood-Horrobin式による近似。係数は米国農務省林産研究所「Wood Handbook」による。気温20℃)

出典:計算値(Hailwood-Horrobin式による近似。係数は米国農務省林産研究所「Wood Handbook」による。気温20℃)

計算上、気温20℃・湿度50%の環境では平衡含水率は約9%、湿度70%では約13%、湿度90%では約20%になります。つまり、閉め切った解体現場で湿度が高いままでは、いくら時間をかけても木材は十分に乾きません。乾燥させるときは、換気や除湿機、送風機を組み合わせて、現場の湿度そのものを下げることが大切です。

相対湿度(20℃)

平衡含水率の計算値

現場での意味

50%

約9%

暖房・除湿された室内に近い状態

70%

約13%

換気の少ない現場で起こりやすい状態

80%

約16%

乾燥がなかなか進まない状態

90%

約20%

雨天時や閉め切った床下に近い状態

出典:計算値(Hailwood-Horrobin式による近似、気温20℃、小数点以下四捨五入)

札幌の冬は外気の湿度が低く見えても、暖房していない解体現場は気温が低く、室内の相対湿度が高くなりがちです。一方、暖房で室温を上げれば相対湿度は下がり、乾燥は進みやすくなります。冬の改修工事では、仮設の暖房と換気、除湿をどう組み合わせるかを工程の中で計画しておきましょう。

除去と養生:周囲に広げないための基本

カビを取り除く作業では、胞子やほこりを周囲に広げないことが基本です。住みながらの改修工事では、特に作業範囲と生活空間をしっかり区切る必要があります。米国環境保護庁(EPA)の学校・商業施設向けのカビ除去の手引きでは、カビの面積に応じて作業区画の仕切り方を変える考え方が示されており、参考になります。

カビの面積の目安

EPA手引きの考え方

現場での対応例

約0.9㎡(10平方フィート)未満

小規模。一般的な保護具で対応

マスク・手袋・ゴーグルを着用し周囲を養生

約0.9〜9㎡(10〜100平方フィート)

区画を限定して仕切る

シートで作業範囲を区切り、出入りを管理

約9㎡(100平方フィート)超

作業区画を全面的に仕切る

専門業者と連携し、負圧管理なども検討

出典:U.S. Environmental Protection Agency「Mold Remediation in Schools and Commercial Buildings」Chapter 3(面積は平方フィートからの換算値)

作業者は、防じんマスク、手袋、保護メガネなどを着用し、作業後は衣服や道具についたほこりを室外に持ち出さないよう注意します。カビの付いた下地材を撤去する場合は、袋に入れて密閉してから搬出すると、搬出経路での飛散を抑えられます。

なお、改修や解体の工事では、カビの有無とは別に、建材に石綿(アスベスト)が含まれていないかを事前に調査することが法令で求められています。一定規模以上の工事では調査結果の報告も必要です。カビの除去作業で建材を撤去する際にも、石綿の事前調査の結果を踏まえて作業を進めてください。詳しくは厚生労働省や環境省、所管の行政機関の情報をご確認ください。

撤去せずに残す下地材や構造材のカビについては、表面を削ったり強くこすったりすると、胞子を飛散させたり、材を傷めたりすることがあります。当社のMIST工法®では、素材を削ったり強くこすったりせず、素材に合わせて調整した専用剤でカビを分解・除去し、仕上げに除菌を行います。構造材を残したまま処理したい場合などは、工程の段階からご相談いただけます。

工程への組み込み方

解体で出てきたカビへの対処を、その場しのぎで終わらせないためには、工程表の中に「原因の確認」「除去」「乾燥」「確認」の段階を明確に組み込むことが大切です。特に、ボードを張って壁を閉じる前の確認は省略しないようにしましょう。

段階

主な作業

閉じる前の確認ポイント

1. 記録・報告

写真記録、施主への報告、社内共有

範囲と場所が記録されているか

2. 原因の確認と是正

漏水・防水・断熱・換気の不具合を修理

水の出どころが止まっているか

3. 除去・処理

撤去、除カビ、除菌

処理範囲に取り残しがないか

4. 乾燥

換気・除湿・暖房で乾燥

含水率が周囲の乾いた部分と同程度か

5. 閉じる前の確認

写真記録、必要に応じて検査

施主への説明と記録が済んでいるか

乾燥の段階では、含水率を測定して数値で確認するのが確実です。見た目が乾いていても、下地の内部に水分が残っていることがあります。周囲の乾いた部分と比べて同程度まで下がったことを確認してから、次の工程に進みましょう。工期に余裕がない場合でも、乾燥の確認だけは省かないことが、引渡し後の相談を減らすことにつながります。

施主への説明と、引渡し時の記録

追加の対処が必要になった場合、施主にとっては想定外の費用と工期の延長になります。写真や測定結果を使って、なぜその作業が必要なのか、しなかった場合にどんなことが起こり得るのかを丁寧に説明しましょう。費用や工期の変更は、口頭ではなく書面で合意しておくことが大切です。

工事の完了時には、見つかったカビの状況、原因と是正の内容、除去と乾燥の記録、閉じる前の写真をまとめて施主に渡しておくと安心です。将来、再び同じ場所で相談があったときにも、何をどう対処したのかを確認できます。

よくある質問

Q. 解体して出てきたカビは、すべて撤去して新しい材に交換すべきですか。

A. 石膏ボードや断熱材など交換しやすい材料で、カビが広がっている場合は撤去が基本になります。柱や土台などの構造材は、腐朽の程度を確認したうえで、残して処理するか交換するかを判断します。構造に関わる判断は、設計者など専門家と相談してください。

Q. 除カビ後、どのくらい乾燥させればよいですか。

A. 必要な期間は、濡れ具合や現場の温度・湿度によって大きく変わります。日数で決めるのではなく、含水率を測定し、周囲の乾いた部分と同程度まで下がったことを確認してから次の工程に進むことをおすすめします。

Q. 施主から、カビのことは気にせずそのまま工事を進めてほしいと言われました。

A. 原因が残ったまま閉じると、引渡し後に再び問題になるおそれがあります。考えられるリスクを写真とともに説明し、それでも施主が判断された場合は、その経緯を書面に残しておきましょう。

まとめ

解体して出てきたカビは、札幌の住宅では決して珍しいものではありません。大切なのは、見つけたらまず作業を止め、記録し、施主に伝えること。そして、除去よりも先に水の出どころを確かめ、原因を是正することです。

除去の際は周囲に広げないよう養生と保護具を徹底し、石綿の事前調査の結果も踏まえて作業します。乾燥は現場の湿度を下げながら進め、含水率で確認してから壁を閉じるようにしましょう。工程に「原因の確認・除去・乾燥・確認」を組み込み、記録を残すことが、引渡し後の安心につながります。

範囲が広い場合や、構造材を残して処理したい場合、原因の特定が難しい場合は、検査から除カビまで対応できる専門業者と早めに連携することをおすすめします。

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カビバスターズ北海道では、含水率測定や付着菌検査・落下菌検査(有料オプション)などの調査から、MIST工法®による除去、カビが生えにくい環境づくりのご提案まで一貫して対応しています。札幌市内をはじめ北海道全域からのご相談を受け付けています。

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