サンルームのカビ対策|札幌で洗濯物干し場に使うときの結露と湿気のコツ
更新日:1 日前
札幌の戸建て住宅では、リビングの掃き出し窓の外にガラスやポリカーボネートで囲ったサンルームを設け、洗濯物干し場として使っているご家庭が多く見られます。雪の季節でも外に出ずに洗濯物を干せる、日差しが入って明るい、花や野菜の苗を育てられるなど、北海道の暮らしに合った便利な空間です。
一方で、サンルームは住まいの中で最も外気の影響を受けやすい場所でもあります。冬の朝に屋根からぽたぽたと水が落ちてくる、ガラスの下のゴムパッキンが黒くなってきた、床の隅や物干し竿の下にカビが出た、サンルームとつながるリビングの窓まわりがかび臭い、といったお悩みが寄せられます。
この記事では、サンルームで結露とカビが起きる仕組みを、札幌の日照時間の季節変化とあわせて整理し、洗濯物を干すときのコツ、点検すべき場所、雪の季節の注意点をまとめます。部屋干し全般ではなく、サンルームという空間ならではのポイントに絞って解説します。
この記事の結論 サンルームは、札幌の冬でも洗濯物を干せる便利な空間ですが、断熱性が低いため夜に冷えやすく、洗濯物の湿気が屋根やガラスで結露してパッキンや床にカビが出やすい場所です。日照時間が短い11月から2月は、日差しに頼らず除湿機や送風を組み合わせることがポイントです。
サンルームはなぜ結露しやすいのか
サンルームの多くは、アルミの骨組みにガラスやポリカーボネートの板をはめ込んだつくりです。家の本体に比べると断熱性が低く、日中は日差しで暖まりやすい反面、日が落ちると急速に冷えていきます。特に屋根は空に面しているため、晴れた夜には放射冷却によって外気温より冷たくなることもあります。
そこへ洗濯物から出た水蒸気や、リビングから流れ込んだ暖かく湿った空気がたまっていると、冷えた屋根やガラス、アルミの枠の表面で結露が起きます。結露した水は屋根の勾配に沿って流れたり、しずくとなって床に落ちたりして、パッキンの溝や床の隅にたまります。これが毎日のように繰り返されることで、カビが生えやすい状態が続くのです。
つまりサンルームでは、「昼に湿気が出る」「夜に冷える」「水が残る」というサイクルが、冬のあいだ毎日くり返されやすいといえます。このサイクルのどこかを断ち切ることが、カビ対策の基本的な考え方です。

また、サンルームは家の本体と別の工事で後から取り付けられることも多く、本体との接合部にすき間があると、雨水や雪解け水が入り込んだり、そこから冷たい空気が入ったりします。接合部の近くの外壁や室内側の窓枠にカビが出る場合は、この取り合いの部分も確認が必要です。
場所 | カビ・汚れの出方 | 主な原因 |
ガラス・屋根材の下のパッキン | 黒い点や線 | 結露水が溝にたまり乾かない |
アルミ枠の下部・レール | 黒ずみ、ぬめり | 流れ落ちた結露水とほこり |
床の隅・物干しの下 | 黒い斑点、床材の変色 | 結露のしずく、洗濯物からの水滴 |
本体との接合部・室内側の窓まわり | 壁紙のしみ、かび臭さ | 取り合いのすき間、湿気の流入 |
日よけシェード・すだれ | 裏面のカビ | 結露面に接して湿ったまま |
札幌の日照時間で見る、サンルームの季節変化
サンルームがどれだけ乾きやすいかは、日差しの量に大きく左右されます。気象庁の札幌の平年値を見ると、日照時間は5月が最も長く約200時間ですが、12月は約83時間、1月も約90時間と、真冬は半分以下になります。日が短く、雪や曇りの日も多い冬は、日差しだけで洗濯物を乾かすのは難しくなります。

図:札幌の月別日照時間(平年値)。日照時間は5月が最も長く、12月は5月の半分以下です。11〜2月は日差しだけで洗濯物を乾かすのが難しく、サンルームに湿気が残りやすい季節です。 出典:気象庁「過去の気象データ」札幌 平年値(1991〜2020年)
日照の少ない冬に、日差しに頼ってサンルームで洗濯物を干し続けると、乾ききらないうちに夕方を迎え、夜の冷え込みで大量の結露が発生することになります。一方、春から秋にかけては日照時間が長く、日中の温度も上がるため、換気さえすれば湿気がこもりにくい季節です。ただし、夏は日中の温度が上がりすぎることがあるため、植物や保管物への影響にも気を配りましょう。
出典:気象庁「過去の気象データ」札幌 平年値(1991〜2020年)
このように、サンルームは季節によって役割と注意点が大きく変わります。冬は「日差しで乾かす場所」ではなく、「暖房や除湿機の力を借りて乾かす場所」と考え方を切り替えることが、カビを防ぐうえでのポイントです。
洗濯物の湿気と露点:夜のサンルームで何が起きているか
結露が起きるかどうかは、空気に含まれる水蒸気の量と、触れる面の温度で決まります。空気を冷やしていったときに水滴ができ始める温度を露点といい、ガラスや屋根の表面温度が露点より低いと結露します。洗濯物を干したサンルームの空気は湿度が高くなりやすく、露点も上がっていきます。
下の表は、サンルームの空気が15℃のときの湿度ごとの露点を計算したものです。湿度が80%になると露点は約11.6℃で、ガラスや屋根の表面がこれより冷たければ結露が始まります。気象庁の平年値では、札幌の1月の日最低気温はマイナス6℃台で、夜のサンルームの屋根やガラスはこの露点を大きく下回る温度まで冷えることが想定されます。
サンルームの空気(15℃)の湿度 | 露点(計算値) | 夜のサンルームでの目安 |
60% | 約7.3℃ | 冷え込む夜は屋根・ガラスで結露 |
70% | 約9.6℃ | 結露量が増え、しずくが落ち始める |
80% | 約11.6℃ | 洗濯物を干したままだと結露が多い |
90% | 約13.4℃ | 枠やパッキンにも水がたまりやすい |
出典:気象庁「過去の気象データ」札幌 平年値(1991〜2020年)。露点は計算値(Magnus式による近似)
この表から、夜にサンルームの結露を減らすには、サンルームの空気の湿度そのものを下げておくことが効果的だとわかります。洗濯物を夕方までに取り込み、除湿機で湿度を下げてから夜を迎えるだけでも、翌朝の結露の量は変わってきます。
冬の洗濯物干し場として使うときのコツ
冬のサンルームで洗濯物を干すときは、日中の暖かい時間帯に干し始め、夕方までに取り込むことが基本です。夜のあいだ洗濯物を干しっぱなしにすると、洗濯物から出た水蒸気が冷えた屋根やガラスでそのまま結露します。乾ききらなかった分は、室内で除湿機を使って仕上げるなど、夜はサンルームに湿気を残さない工夫をしましょう。
除湿機を使う場合は、サンルームとリビングの間の窓を閉め、サンルームの中だけを除湿すると効率的です。ただし、サンルームの温度が低いと除湿機の種類によっては能力が落ちることがあるため、寒い時期に使えるかどうかは製品の説明書で確認してください。洗濯物の下から風を当てるように扇風機やサーキュレーターを置くと、乾きが早くなります。
リビングの暖かい空気をサンルームに入れて乾かす方法もありますが、窓を開け放すと家の中の湿気もサンルームへ流れ込み、夜の結露が増える原因になります。暖房を利用する場合は、乾かしている時間だけ窓を開け、夕方には閉めて除湿するなど、時間を区切って使いましょう。
乾かし方 | 長所 | 注意点 |
日差しのみ | 費用がかからない | 12〜1月は日照が短く乾きにくい |
除湿機 | サンルームの中の湿気を直接減らせる | 低温時の能力、タンクの水捨て |
リビングの暖気を入れる | 温度が上がり乾きやすい | 家の湿気まで流れ込み夜に結露しやすい |
扇風機・サーキュレーター | 洗濯物の周りの空気を動かせる | 単独では湿気は減らない |
毎日・毎週の手入れと、点検のポイント
サンルームのカビを防ぐには、結露した水をためないことが何よりも大切です。冬の朝、屋根やガラスに結露や霜が付いていたら、日が当たって解け始める前後に、スクイージーや吸水性の高い布で拭き取っておくと、パッキンや床に水がたまりにくくなります。
朝:ガラスと枠の結露を拭き取り、床に落ちたしずくも拭いておく
昼:晴れた日は短時間でも換気し、湿った空気を入れ替える
夕方:洗濯物を取り込み、窓を閉めてサンルームを除湿する
週1回:パッキンとレールのほこりを取り、乾いた布で水気を拭く
月1回:シェードやすだれ、床に置いた物の裏側を確認する
パッキンに黒い点が出始めた段階であれば、中性洗剤を含ませた布で拭き、水拭きと乾拭きで仕上げます。市販のカビ取り剤を使う場合は、パッキンや枠の素材に使えるかを製品の表示で確認し、換気をしながら使ってください。塩素系の製品と酸性の製品を混ぜたり、続けて使ったりすると有毒なガスが発生するおそれがあるため注意が必要です。
サンルームに植物を置いている場合は、鉢の受け皿にたまった水や、湿った土の表面もカビの発生源になります。冬は水やりの量を控えめにし、鉢を床に直接置かずに台にのせるなど、床に湿気がこもらないようにしましょう。
サンルームを物置代わりに使い、段ボールや灯油タンク、タイヤ、季節の道具などを床に直接置いていると、その裏側は空気が動かず、結露のしずくが乾きにくくなります。物を置く場合は、棚やすのこを使って床から浮かせ、ガラス面や壁からも少し離して配置しましょう。
雪の季節に気をつけたいこと
札幌の冬は、サンルームの屋根にも雪が積もります。雪が厚く積もると日差しが入らず、サンルームの中が暗く冷えたままになり、洗濯物が乾きにくくなります。さらに、屋根に積もった雪が日中に少しずつ解けて、屋根材の継ぎ目や本体との接合部から水が入り込むことがあります。
屋根の雪を下ろすときは、屋根材を傷つけないよう、製品の取扱説明書や施工会社の案内に従って作業してください。無理に屋根に乗ったり、金属のスコップで強くこすったりすると、屋根材が割れて雨漏りの原因になることがあります。高所の作業は危険が伴うため、必要に応じて専門業者に依頼しましょう。
また、母屋の屋根からの落雪がサンルームの屋根に当たる位置関係になっていないかも確認しておきたいポイントです。落雪で屋根材やパッキンが傷むと、そこから水が入ってカビの原因になります。春の雪解け後には、パッキンのひび割れや屋根材のずれがないかを点検しましょう。
サンルームの周りに除雪した雪を積み上げると、ガラスの下部や枠が雪に埋もれ、解けた水が枠のすき間から入り込むことがあります。雪山はサンルームから少し離れた場所につくるようにしましょう。
時期 | サンルームの状態 | 主な対策 |
11〜2月 | 日照が短く、夜の結露が多い | 夕方の取り込みと除湿、朝の結露拭き |
12〜3月 | 屋根の雪・落雪、接合部からの浸水 | 雪下ろしの方法確認、落雪位置の確認 |
4〜5月 | 雪解け後、日照が長くなる | パッキン・屋根材の点検、カビの清掃 |
6〜9月 | 日中の高温、夕立後の湿気 | 日よけと換気、植物の水やりの管理 |
カビが広がった場合と、室内への影響
サンルームのカビがパッキンだけでなく、本体との接合部の外壁やリビング側の窓枠、壁紙にまで広がっている場合は、接合部から水や湿気が入っている可能性があります。この場合、表面を掃除するだけでは解決しにくく、原因となっている取り合い部分の補修が必要になることがあります。
当社では、壁や窓まわりの含水率測定で湿りの範囲を確認し、必要に応じて付着菌検査(有料オプション)などで表面のカビの状況を調べたうえで、除去の方法をご提案しています。MIST工法®は、素材を削ったり強くこすったりせず、素材に合わせて調整した専用剤でカビを分解・除去し、仕上げに除菌を行う方法です。サンルームの修理や改修は、設置した施工会社とも連携しながら進めることをおすすめします。
これからサンルームの設置や交換を考えている場合は、屋根材や窓の断熱性、換気口の有無、本体との取り合いの納まり、雪への強さなどを施工会社に確認しておきましょう。設置の条件によっては建物の増築として扱われ、手続きが必要になることもあるため、あわせて相談しておくと安心です。
よくある質問
Q. 冬のサンルームは換気したほうがいいですか?
A. 晴れた日の日中に短時間換気すると、湿った空気を入れ替えられます。夜に窓を開けると冷えて結露が増えるため、換気は日中、夜は閉めて除湿するのがおすすめです。
Q. 屋根から水が落ちてきます。雨漏りでしょうか?
A. 冬の朝に屋根全体から落ちる場合は結露の可能性が高く、雨や雪解けのときに特定の場所から落ちる場合は雨漏りの可能性があります。落ちる時間帯と場所を記録して施工会社に相談してください。
Q. サンルームで乾かした洗濯物が生乾きのにおいになります。
A. 乾くまでに時間がかかっているサインです。日照の短い冬は除湿機や送風を組み合わせ、夕方までに乾かしきる工夫をしてみてください。
まとめ
サンルームは、札幌の冬でも洗濯物を干せる便利な空間ですが、断熱性が低いため夜に冷えやすく、洗濯物の湿気が屋根やガラスで結露してパッキンや床にカビが出やすい場所です。日照時間が短い11月から2月は、日差しに頼らず除湿機や送風を組み合わせることがポイントです。
夕方までに洗濯物を取り込み、夜は窓を閉めて除湿し、朝に結露を拭き取る。この毎日の流れと、雪解け後のパッキンや接合部の点検を習慣にすることで、サンルームを気持ちよく使い続けることにつながります。
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