MIST工法®とは|削らない・こすらない除カビの流れを札幌の施工目線で解説
更新日:1 日前
カビ取りの相談を受けると、「どんな方法で取るのですか」「壁や木を傷めませんか」と聞かれることがよくあります。カビバスターズ北海道が用いているMIST工法®は、カビバスターズ本部が独自に開発したカビ除去の方法で、「削らない」「擦らない」「傷めない」を特徴としています。
この記事では、本部サイトに掲載されている内容をもとに、MIST工法®がどのような考え方の工法なのか、一般的なカビ取りの方法と何が違うのか、相談から施工後の環境づくりまでどのような流れで進むのかを整理します。札幌の住宅や施設でどんな場面に向いているかもあわせて紹介します。
なお、カビの状態、素材、建物の環境は現場ごとに異なるため、実際の進め方は現地調査の結果によって変わります。ここで紹介するのは標準的な流れとしてお読みください。
この記事の結論 MIST工法®は、素材を削ったり強くこすったりせず、素材に合わせて調整した専用剤でカビを分解・除去し、仕上げに除菌を行う工法です。現地調査と含水率測定、必要に応じたカビ菌検査で状態を確認し、除カビ、除菌の工程を経て、カビが生えにくい環境づくりのご提案までを一連の流れとしています。
MIST工法®の基本的な考え方
MIST工法®は、素材を削ったり強くこすったりせず、素材に合わせて調整した専用剤でカビを分解・除去し、仕上げに除菌を行う工法です。本部サイトでは、カビの繁殖状況や対象物の状況に合わせて専用剤の調整を行うこと、人体や環境に配慮した専用剤を用いることが説明されています。
素材に合わせて専用剤を調整し、削ったりこすったりせずにカビを分解・除去する点が特徴です。こすらずに専用剤でカビを分解するため、木材や歴史的建造物のように、表面を傷めたくない素材にも対応しやすいとされています。
本部サイトでは、使用する専用剤について、工業排水試験などをクリアした薬剤を使用していることや、専用剤「MIST-1」について第三者機関による試験の結果を公開していることも紹介されています。ただし、実際の現場での仕上がりは、カビの深さや素材の状態、施工後の環境によって変わります。当社では、現地調査で状態を確認したうえで、できることとできないことを事前にご説明しています。
出典:カビバスターズ本部(kabi-mist.com)「素材を傷めないMIST工法®」ページ

一般的なカビ取りの方法との違い
本部サイトでは、従来のカビ取りについて、高濃度の塩素系薬剤でカビを漂白したり、カビが生えている素材をブラシでこすったり削ったりする手法が一般的だったと説明しています。こうした手法は、場所によっては有効ですが、素材の表面を傷めたり、見た目は白くなっても素材の内部に菌糸が残ったりすることがあると指摘されています。
たとえば、木材を削ってカビを落とすと、表面の風合いが失われ、削った部分だけ色が変わってしまうことがあります。クロスを強くこすると、表面の模様がはがれたり、紙が毛羽立ったりします。塩素系の薬剤は漂白力が強い反面、素材によっては変色や劣化の原因になり、においも残りやすくなります。
比較の観点 | 削る・こする・漂白する方法 | MIST工法® |
素材への負担 | 表面を削る・こするため傷みやすい | 削らず・こすらず専用剤で分解 |
見た目の仕上がり | 漂白で白くなっても色むらが出ることがある | 素材の風合いを守ることを重視 |
薬剤の扱い | 高濃度の塩素系薬剤を使うことが多い | 状態と素材に合わせて専用剤を調整 |
仕上げ | カビを落として終わることが多い | 除菌と、カビが生えにくい環境づくりのご提案まで行う |
向いている対象 | 削っても問題のない部材 | 木材、クロス、和室、歴史的建造物など |
どの方法にも向き不向きがあり、状況によっては傷んだ部材を交換したほうがよい場合もあります。腐朽が進んだ木材や、長く濡れて強度が落ちた石膏ボードなどは、カビを取るよりも交換が現実的です。大切なのは、素材の状態を確認したうえで、残すものと交換するものを分けて考えることです。
相談から施工完了までの流れ
当社では、問い合わせ、現地調査、カビ菌検査(有料オプション)、報告書と見積りの提示、除カビ施工、除菌、カビが生えにくい環境づくりのご提案という流れで対応しています。
工程 | 主な内容 | お客様にお願いすること |
1. 問い合わせ | 発生場所や状況のヒアリング | カビの写真を数枚送っていただくとスムーズ |
2. 現地調査 | 被害範囲・建材・劣化の確認、含水率測定 | 床下や天井裏は図面があれば用意 |
3. カビ菌検査(任意) | 落下菌・付着菌・浮遊菌などの検査 | 検査の目的を事前に共有 |
4. 報告・見積り | 原因と範囲の説明、施工内容と費用の提示 | 内容を確認し、疑問点を質問 |
5. 除カビ・除菌 | 専用剤でカビを分解・除去し、仕上げ処理 | 作業範囲の片付け、立ち入りの調整 |
6. 施工後の環境づくりのご提案 | 状態の確認と、カビが生えにくい環境づくりのご提案 | 日常の換気・除湿の方法を確認 |
出典:カビバスターズ本部(kabi-mist.com)「カビ取り施工の流れ」ページ
現地調査では、カビが出ている場所だけでなく、その周辺や使われている建材の種類、劣化の状況、内部の構造を確認します。含水率計で素材内部の水分量を測り、カビの原因や汚染の範囲を調べます。当社では、必要に応じてファイバースコープで壁の中や床下を確認し、見えない部分の状態も把握するようにしています。
カビ菌検査は任意ですが、原因を詳しく調べたい場合や、施工の前後で変化を比べたい場合に役立ちます。本部サイトでは、協力機関である一般社団法人微生物対策協会で検査を行い、報告書として提出する流れが紹介されています。
調査と検査でわかること
MIST工法®の流れでは、施工の前に「どこに、どれくらい、なぜカビが出ているのか」を確認することを重視しています。見える部分のカビだけを取っても、壁の中や床下に原因が残っていれば、同じ場所に再び出てくるおそれがあるためです。本部サイトでは、含水率測定と3種類の菌検査を組み合わせた調査が紹介されています。
調査・検査 | わかること | こんなときに役立つ |
含水率測定 | 建材の内部の水分量、汚染範囲の見込み | 壁や床の中まで湿っていないか確かめたい |
落下菌検査 | 空間に漂うカビの量の目安 | 部屋全体の状態を数値で把握したい |
付着菌検査 | 表面のカビや酵母の種類 | どんなカビが出ているのか知りたい |
浮遊菌検査 | 空気中の微生物の量 | 空気の状態を詳しく調べたい |
出典:カビバスターズ本部(kabi-mist.com)トップページ「4種類のカビ菌検査」
すべての検査が常に必要なわけではありません。たとえば、押入れの一部にカビが出ている場合は、含水率測定で周辺の湿り具合を確認するだけで十分なこともあります。一方、においの原因がわからない場合や、施設として記録を残したい場合、施工の前後で変化を比べたい場合には、菌検査を組み合わせると判断の材料が増えます。目的に合わせて、必要な調査を選ぶことが大切です。
札幌の住宅では、冬の結露による窓まわりや北側の壁のカビ、雪解け期や大雨の後の床下の湿気、漏水による天井裏のカビなど、原因がさまざまです。調査の結果を写真と数値で残しておくと、ご家族や管理会社、工務店と情報を共有しやすくなります。
施工当日の作業内容
除カビ施工では、対象箇所の素材や汚れの状態に合わせて専用剤を塗布し、建材や内装材に根を張ったカビに作用させます。専用剤でカビを分解した際に出る汚れの混じった液だれは、スポンジやウエスで吸い取り、周囲を汚さないようにします。カビの状態に応じて、この工程を繰り返します。
除カビのあとは、空間に飛び散ったカビの胞子に対応する除菌施工を行います。表面のカビを取っても、空気中に胞子が残っていると再び付着するおそれがあるため、空間全体を対象にした処理が大切です。
仕上げは除菌を行い、カビが生えにくい環境づくりをご提案します。本部サイトでは、銀イオンを空間や壁面に噴射してカビの定着を防ぐ工程と説明されています。施工後は、換気や除湿の方法など、カビが生えにくい環境づくりのポイントをご案内します。
作業範囲の家具や荷物は、事前に移動や養生の方法を打ち合わせます
作業中は換気を行い、作業範囲への立ち入りを調整します
床や周辺の設備は、専用剤や液だれが付かないよう養生します
作業後は、換気や乾燥の方法、日常の管理のポイントをご説明します
作業時間や日数は、範囲の広さやカビの状態、乾燥の必要性によって変わります。住みながらの施工か、空室での施工かによっても段取りが異なるため、見積りの段階で具体的な工程をご確認ください。
施工後の環境が仕上がりを左右する
カビを取り除いても、湿気や結露の原因が残っていれば、時間がたつと再びカビが生えやすくなります。本部サイトでも、カビを除去するだけでなく、換気や除湿の方法、設備や建物の改善についてアドバイスすることが工程の一つとして紹介されています。
札幌の住まいでは、冬の結露が大きな課題です。空気が含むことのできる水蒸気の量は温度によって大きく変わり、暖かい室内の空気が冷たい窓や外壁側の壁に触れると、含みきれなくなった水分が結露になります。

図:気温ごとの飽和水蒸気量。空気が含める水蒸気の量は温度で大きく変わります。20℃の空気は0℃の約3.5倍の水蒸気を含めるため、暖かい室内の湿気が冷たい面に触れると結露しやすくなります。 計算値(Magnus式による近似。空気1㎥が含むことのできる水蒸気の最大量)
計算値(Magnus式による近似)
グラフのとおり、20℃の空気は1㎥あたり約17.3gの水蒸気を含めますが、10℃では約9.4g、0℃では約4.9gしか含めません。冬の札幌で室内を暖房し、加湿器や室内干しで湿気を増やすと、窓際や北側の壁、家具の裏など冷たい場所で結露が起きやすくなります。施工後は、換気と除湿を組み合わせ、冷たい面に湿った空気がとどまらないようにすることが大切です。
札幌の住まい・施設で向いている場面
本部サイトでは、戸建てやマンション、高気密高断熱住宅、別荘のほか、飲食店、ホテル・旅館、工場・倉庫、美術館・博物館、寺院・神社、学校・保育園など、さまざまな建物が対象として紹介されています。札幌で相談の多い場面に当てはめると、次のようなケースが考えられます。
場面 | よくある状況 | MIST工法®を検討する理由 |
和室・木部 | 押入れの床板や柱、天井板の黒ずみ | 木の表面を削らずに処理したい |
クロス・壁 | 北側の部屋や家具の裏の斑点 | 張り替えの前に下地の状態を確認・処理したい |
天井裏・床下 | 結露や漏水後のカビ、カビ臭 | 広い範囲を素材を傷めずに処理したい |
店舗・施設 | 営業に影響させたくない場所のカビ | 範囲と工程を調整しながら進めたい |
一方で、カビの原因が雨漏りや配管からの漏水である場合は、修理を先に行わなければ再発しやすくなります。本部サイトでも、建築士や建物診断士、雨漏り・漏水の修理を行う会社など、専門家と連携して原因の改善に取り組むことが紹介されています。当社でも、原因に応じて必要な工事との順番をご提案しています。
よくある質問
Q. MIST工法®なら、どんなカビでも取れますか。
A. 素材の傷み具合やカビの深さによっては、除去よりも部材の交換が適している場合があります。現地調査で状態を確認し、施工で対応できる範囲と、交換を検討したほうがよい範囲をご説明します。
Q. 施工中や施工後に、においは残りますか。
A. 作業中は換気をしながら進めます。施工後のにおいの感じ方には個人差があるため、気になる方や小さなお子様、ペットがいるご家庭は、事前にご相談ください。体調面で気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。
Q. 施工後にカビが生えないようにするには、何に気をつければよいですか。
A. 湿気と結露の原因を減らすことが基本です。換気や除湿、家具の配置、加湿のしすぎに注意し、結露した場所は早めに拭き取ってください。施工時に、その建物に合った管理のポイントをお伝えします。
Q. 相談の前に準備しておくとよいものはありますか。
A. カビが出ている場所の写真を数枚、いつ頃から気になり始めたか、結露や漏水の心当たりなどをまとめておくと、状況を把握しやすくなります。床下や天井裏が気になる場合は、図面があれば用意してください。
まとめ
MIST工法®は、素材を削ったり強くこすったりせず、素材に合わせて調整した専用剤でカビを分解・除去し、仕上げに除菌を行う工法です。現地調査と含水率測定、必要に応じたカビ菌検査で状態を確認し、除カビ、除菌の工程を経て、カビが生えにくい環境づくりのご提案までを一連の流れとしています。
ただし、どんな工法でも、湿気や結露、漏水の原因が残っていればカビは戻りやすくなります。札幌の住まいや施設では、冬の結露対策と組み合わせて考えることが大切です。素材を傷めずにカビに対処したい方、原因から見直したい方は、まず現地調査で状態を確認することから始めてみてください。
カビのご相談はカビバスターズ北海道へ
カビバスターズ北海道では、含水率測定や付着菌検査・落下菌検査(有料オプション)などの調査から、MIST工法®による除去、カビが生えにくい環境づくりのご提案まで一貫して対応しています。札幌市内をはじめ北海道全域からのご相談を受け付けています。
まずはご自宅のカビ発生リスクを確認したい方は カビ自己診断・費用概算 をご利用ください。料金の目安は料金ページ、札幌市内のご依頼は札幌市のカビ取りをご覧ください。
お電話:090-8957-8975 / お問い合わせフォーム
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