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稚内・留萌のカビ|地吹雪で換気口から雪が吹き込む家の天井裏カビと塩害対策

10月30日
読了時間: 26分

更新日:21 時間前

こんにちは、カビバスターズ北海道です。道北の日本海側、稚内市や留萌市で暮らす方から「冬に天井へシミが出た」「春になったら押入れの天井裏がカビ臭い」というご相談をいただくことがあります。水道管の漏れも雨漏りもないのに濡れている。その原因として当社が現場で確認することが多いのが、強い季節風と地吹雪によって換気口・給気口・軒天・外壁の小さな隙間から吹き込んだ粉雪です。細かい雪は風に乗って、人の目では気づかないほどの隙間にも入り込みます。天井裏や壁の中にたまった雪は、暖房の熱でゆっくり融けて木材や断熱材を濡らし、そこへ屋根裏の結露が重なると、見えない場所でカビが育つ条件がそろいます。さらに海に近い地域では、潮風に含まれる塩分が換気フードや金物をさびさせ、フードの羽根や防虫網が傷んで、雪がいっそう入りやすくなるという悪循環も起こります。吹き込みは風の強い夜の数時間で起こることが多く、住んでいる方が気づかないまま冬を越してしまうケースも少なくありません。この記事では、気象庁が公表している地元の平年値を手がかりに、この地域ならではの「雪の吹き込みによるカビ」の仕組みと、点検の場所、ご家庭でできる対策、専門調査が必要になる目安までを、現場目線で順番に解説します。

この記事の結論 稚内・留萌など道北の日本海側では、強い季節風と地吹雪で換気口や軒天から雪が吹き込み、融雪水で天井裏や壁内が濡れてカビが育つことがあります。気象庁の平年値をもとに、仕組みと季節ごとの点検・対策を解説します。

第1章|気象庁の平年値で見る道北日本海側の冬|風と雪が「吹き込み」を生む地域

まず、この地域の冬がどれほど風と雪にさらされているのかを、数字で確認しておきます。ここで使う数値はすべて、気象庁が公表している両市の観測所の平年値(1991〜2020年の30年間の平均)です。平年値とは、長い期間の観測を平均した「その土地のふだんの気候」を表す値のことです。単年の記録的な吹雪ではなく、毎年くり返される標準的な冬の姿として読んでいただくと、住まいの備えを考えるうえで役に立ちます。

気象庁の平年値(1991〜2020年)では、稚内の年間の平均風速は4.6m/sで、11月・12月・1月はいずれも5.0m/sです。最多風向(もっとも多く吹く風の向き)は11月から3月まで「西」となっています。留萌は年間の平均風速が5.1m/sで、11月は6.5m/s、12月は6.8m/s、1月は6.2m/sと、初冬から真冬にかけて平均で6m/sを超える月が続きます。平均風速は一日中吹いている風をならした値ですから、実際には平均を大きく上回る突風の時間帯があると考えるのが自然です。

雪についても見てみましょう。気象庁の平年値では、稚内の降雪の深さの年合計は477cm、最深積雪の年平年値は72cmです。留萌は降雪の深さの年合計が546cm、最深積雪は90cmで、1月だけで165cmの降雪があります。降雪の深さ合計とは、毎日新しく積もった雪の深さを足し合わせた値のことで、「ひと冬にどれだけ雪が降ってくるか」の目安になります。風が強い土地でこれだけの雪が降れば、雪が地面に落ち着く前に舞い上がり、横から建物に吹き付ける時間が長くなります。

項目(気象庁 平年値 1991〜2020年)

稚内

留萌

年間の平均風速

4.6m/s

5.1m/s

12月の平均風速

5.0m/s

6.8m/s

1月の平均風速

5.0m/s

6.2m/s

降雪の深さ 年合計

477cm

546cm

1月の降雪の深さ合計

129cm

165cm

最深積雪(年)

72cm

90cm

年平均の相対湿度

75%

77%

風向きについても少し補足しておきます。気象庁の平年値で見ると、留萌の最多風向は12月が「西」で、それ以外の多くの月は「東南東」となっています。最多風向はあくまで「もっとも回数の多い向き」であり、雪を運ぶ強い風がいつも同じ方角から来るとは限りません。現場でも、海側の面だけでなく、建物の配置や周囲の地形、隣家との位置関係によって、思いがけない面から雪が吹き込んでいる例を見かけます。そのため当社では、風上側と思われる面だけに絞らず、建物の四方の開口部をひととおり確認することをおすすめしています。

地吹雪とは、いったん積もった雪が強い風で巻き上げられ、低い位置を流れるように吹き付ける現象のことです。空から降る雪と違い、地面近くを横向きに移動するため、住宅では基礎まわりの換気口、1階の給気口、外壁の下端、勝手口のすき間などが直接その流れを受けます。さらに吹き上がる風は軒の裏側(軒天)にも回り込み、屋根裏の換気口から雪が入り込む原因になります。道北の日本海側の住宅でこの吹き込みが問題になりやすいのは、「風が強い」「雪が多い」「雪が乾いていて細かい」という条件が同じ冬に重なるからです。

もう一つ見落とせないのが湿度です。気象庁の平年値では、稚内の7月の相対湿度は87%、留萌の7月は85%で、夏は空気がかなり湿った状態になります。冬に吹き込んだ雪で濡れた木材や断熱材が春までに乾ききらないまま、湿った夏を迎えると、カビにとっては長く成長できる期間が続くことになります。つまりこの地域の「雪の吹き込みカビ」は冬だけの問題ではなく、冬の吹き込みと春から夏の湿気がつながって起きる、一年をまたいだ現象だと考えておくことが大切です。

なお、同じ北海道でも札幌や旭川の内陸部と比べると、道北の日本海沿いは風の条件が大きく異なります。内陸で問題になりやすいのが「室内の水蒸気による結露」だとすれば、この地域ではそれに加えて「外から入る雪そのもの」という水分源が加わります。次の章では、その雪がどこから、どのように入り込むのかを具体的に見ていきます。

第2章|雪はどこから入るのか|換気口・給気口・軒天・外壁の隙間

「家の中に雪が入る」と聞くと、窓が壊れたような大きな穴を想像される方が多いのですが、実際に現場でよく目にするのは、ふだんは何の問題もない、住宅にもともと備わっている開口部です。家は空気を入れ替えるために、あえて外とつながる穴をいくつも持っています。第1種換気や第3種換気の給気口、浴室やトイレの排気口、屋根裏の換気口、床下の換気口などがそうです。これらは空気を通すための設計なので、風が強く雪が細かいと、空気と一緒に雪も通してしまいます。

代表的な入口の一つが、軒天(のきてん)の換気口です。軒天とは、屋根が外壁より外に張り出した部分の裏側の天井のことです。多くの住宅では、屋根裏の湿気を逃がすために、ここに有孔板やスリット状の換気部材が付いています。壁に沿って吹き上がった地吹雪がこの軒天に当たると、雪は換気孔から屋根裏へ押し込まれます。屋根裏の断熱材の上に薄く雪が積もり、暖房期間中に下からの熱で少しずつ融けて天井板に染みる、というのが典型的な流れです。

次に多いのが、外壁に付いている給気口と排気フードです。フードの向きや形によっては、横殴りの雪を受け止めて内部に導いてしまうことがあります。とくに給気口は室内側に直接つながっているため、フィルター部分に雪が詰まり、融けた水が壁の中や室内側の壁紙の裏に回ることがあります。さらに外壁の目地(外壁材どうしのつなぎ目)や、配管・電線が壁を貫通する部分のすき間、サイディングの下端の水切り部分なども、強い風が吹くと細かな雪の通り道になります。

吹き込みの入口

雪が入りやすい理由

濡れが出やすい場所

軒天の換気口

壁沿いに吹き上がる風が当たる

屋根裏の断熱材、天井板、天井の隅

屋根の棟換気・妻換気

屋根面を越える風に雪が乗る

小屋裏の野地板、梁の上

外壁の給気口

室内へ直接通じる開口である

給気口まわりの壁紙、窓下の壁内

排気フード

羽根の傷みや向きで雪を受ける

ダクト内部、天井裏のダクト周辺

配管・電線の貫通部

シール材の劣化ですき間ができる

壁内の柱・断熱材、床下

基礎・床下の換気口

地吹雪が低い位置を流れる

土台、床下の断熱材

建物の年代や工法によっても、入口になりやすい場所は変わります。比較的古い住宅では、軒天の換気部材が簡易なものであったり、外壁と屋根の取り合い部分にすき間が残っていたりすることがあります。一方で新しい高気密住宅でも、換気システムの給気フードや、後から付け足したエアコン配管・アンテナ線の貫通部から雪が入る例を見かけます。「新しい家だから大丈夫」「古い家だから仕方がない」と決めつけず、実際の開口部の状態を見ることが出発点になります。

また、吹き込みは一度の吹雪で大量に起こるというより、ひと冬のあいだに少しずつ積み重なることが多いのも特徴です。11月から12月の初冬、1月から2月の厳冬期、そして3月の春先の荒天と、強い風と雪がそろう日は冬のあいだに何度もあります。そのたびに少量の雪が同じ入口から入り、同じ場所にたまっていくため、住まい手がシミに気づいたときには、すでに複数の冬を越えて濡れが進んでいることもあります。

ここで北海道の住まいならではの事情が関わってきます。北海道では暖房期間が概ね10月から4月までと長く、そのあいだ室内は暖かく、屋外は氷点下という大きな温度差が続きます。吹き込んだ雪は、屋外に近い軒先側ではしばらく凍ったままですが、室内に近い天井板の上や壁の中では、室内からの熱で少しずつ融けていきます。凍る・融けるをくり返しながら、じわじわと水分を木材に与え続けるのが、この現象のやっかいなところです。

もう一つは、豪雪期には窓を開けて換気しにくいという点です。吹雪の日に窓を開ければ、それこそ雪が室内に入ってきます。そのため冬の換気は給気口と換気扇に頼ることになりますが、その給気口から雪が入るとなると、住まい手は給気口を閉じたくなります。当社の現場でも、「雪が入るのでふさいでいた」というお宅が珍しくありません。しかし給気口を閉じると室内の水蒸気の逃げ場がなくなり、今度は窓や壁、天井裏での結露が増えてしまいます。吹き込みを止めることと、換気量を確保することを同時に考えなければならないのが、この地域の難しさです。

第3章|融雪水が天井裏・壁内を濡らす仕組み|シミが出る前に進むカビ

吹き込んだ雪がカビにつながるまでには、いくつかの段階があります。最初は、屋根裏の断熱材の上や壁の中に、粉のような雪がうっすらとたまる段階です。この時点では雪は凍っているため、見た目にも大きな変化はありません。ところが室内で暖房を使うと、天井や壁を通して熱が伝わり、室内側に近い雪から少しずつ融け始めます。融けた水は断熱材にしみ込み、その下の天井板や石膏ボード、柱や梁などの木材へと移っていきます。

ここで重要なのが、室内外の温度差です。北海道の冬は、室内が20℃前後に暖められているのに対し、屋外は氷点下が続きます。気象庁の平年値でも、両市ともに1月・2月の日最低気温は氷点下です。屋根裏や壁の中は、この暖かい側と冷たい側のちょうど中間にあたり、温度が0℃をまたいで上下しやすい場所です。昼間の暖房で融け、夜間の冷え込みで再び凍るというサイクルがくり返されると、水分は同じ場所にとどまり続け、乾く暇がありません。

断熱材が濡れると、もう一つの問題が起こります。グラスウールなどの繊維系断熱材は、水を含むと空気の層がつぶれ、断熱の働きが落ちます。断熱性能が落ちたところは室内側の表面温度が下がるため、今度は室内の暖かく湿った空気がそこで冷やされて結露します。つまり、外から入った雪の水分と、室内から来た水蒸気の結露が同じ場所で重なり、濡れがさらに広がっていくのです。当社の現場では、天井のシミの位置と、屋根裏の断熱材が沈んでいる位置がほぼ一致していることがよくあります。

こうして濡れた状態が続くと、木材や石膏ボードの紙の部分、断熱材の表面についたほこりなどを栄養源にして、カビが育ち始めます。含水率とは、木材などの材料がどのくらい水分を含んでいるかを重さの割合で表した値のことで、濡れの程度を客観的に知る手がかりになります。天井裏や壁の中は暗く、空気の動きも少ないため、いったん濡れると乾きにくく、カビにとっては居心地のよい場所です。表からシミやはがれが見えるころには、裏側ではすでに広い範囲でカビが広がっていることもあります。

濡れた部材

室内から見えるサイン

裏側で起きていること

天井板・石膏ボード

輪じみ、たわみ、塗装の浮き

紙の層にカビ、ボードの強度低下

断熱材(繊維系)

天井の一部だけ冷たい、結露跡

水を含んで沈み、断熱性能が低下

梁・垂木・野地板

屋根裏点検口からの黒ずみ、におい

木材表面にカビ、含水率の上昇

壁内の柱・合板

壁紙の浮き・はがれ、窓下のシミ

壁の中で結露と融雪水が重なる

換気ダクト

吹出口からのにおい、水滴

ダクト内に水がたまりカビや汚れ

季節の変わり目にも注意が必要です。3月から4月にかけて気温が上がると、屋根裏や壁の中にたまっていた雪や氷が一気に融け、それまで少量ずつだった水分がまとまって天井板に流れることがあります。「春になって急にシミが出た」というご相談の多くは、冬のあいだの吹き込みがこのタイミングで表に現れたものだと当社では考えています。さらにこの地域は夏の湿度が高いため、春に濡れた部材が乾ききらないまま夏を迎え、カビの成長が続く、という流れになりがちです。

においも大切な手がかりです。天井裏や壁の中でカビが育つと、押入れやクローゼット、天井の照明器具のまわりなどから、土っぽい、あるいはかび臭いにおいがすることがあります。目に見えるシミがなくても、冬の終わりから春にかけて特定の部屋だけにおいが強くなる場合は、その部屋の上部や外壁側で吹き込みが起きていないかを疑ってみる価値があります。なお、カビのにおいや室内の空気が気になって体調に不安がある場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。

床下でも同じようなことが起こります。基礎の換気口から入った雪が床下の土台や断熱材の上にたまり、春に融けて床下の湿度を上げるケースです。床下は天井裏以上に目が届きにくく、においや床のきしみ、畳やフローリングの裏の黒ずみで初めて気づくことがあります。1階の床が冷たく湿っぽく感じる、床下収納の中がかび臭いといった場合は、床下の状態も確認しておくと安心です。

もう一つ知っておいていただきたいのは、表面のシミを拭いたり、天井の塗装だけを塗り直したりしても、裏側の濡れが残っていれば同じ場所に再び症状が出やすいということです。見えている部分はあくまで結果であり、原因は吹き込みの入口と、濡れがたまっている部材の側にあります。次の章では、この地域特有のもう一つの要因である、海沿いの塩害について見ていきます。

第4章|海沿いの塩害が換気フード・金物を傷める|吹き込みを増やす悪循環

道北の日本海側の両市は海に面したまちで、海岸の近くに住宅地が広がる地域も少なくありません。海沿いの住宅では、潮風に含まれる塩分が外壁や屋根、金属部品に付着し、さびや劣化を早める「塩害」が起こりやすくなります。塩害とは、塩分が金属の腐食を進めたり、塗装やシール材を傷めたりする現象のことです。冬の強い季節風は、雪だけでなく海のしぶきや塩分を含んだ空気も運んでくるため、風上側の面ほど影響を受けやすいと考えられます。

塩害がカビの問題とつながるのは、換気口まわりの部品が傷むことで、雪の吹き込みを防ぐ力が弱まるからです。現場でよく目にするのが、外壁の換気フードの羽根がさびて変形していたり、フードを留めているビスが腐食して本体が傾いていたりする状態です。本来は雨や雪を下向きに逃がすように作られているフードも、形が崩れると横からの雪をそのまま受け入れてしまいます。フードの内側に付いている防虫網が破れると、雪の通り道はさらに広がります。

金物の劣化も見逃せません。屋根の板金、雪止め金具、軒先の水切り、外壁の役物(角や端部を納める部材)などは、多くが金属でできています。これらの接合部がさびて浮いたり、すき間が開いたりすると、そこが新たな吹き込みの入口になります。また、さびが進んだ部分は塗装がはがれやすく、表面がざらついて雪や水分がとどまりやすくなります。塩害は一気に進むものではありませんが、毎冬少しずつ積み重なることで、ある年から急に吹き込みが増えたように感じられることがあります。

部位

塩害で起こりやすい変化

吹き込み・カビへの影響

換気フード(金属製)

羽根のさび・変形、取付ビスの腐食

横からの雪を受け止めて内部へ導く

防虫網・ガラリ

腐食による破れ、目詰まり

雪の通り道が広がる/換気量が落ちる

屋根板金・水切り

接合部の浮き、塗膜のはがれ

すき間から雪と雨水が入る

シーリング(目地材)

ひび割れ、肉やせ、はく離

外壁の目地から壁内へ水分が入る

貫通部の金具・カバー

さびによる固定力の低下

配管まわりにすき間ができる

換気フードの目詰まりにも注意が必要です。塩分やほこり、さびの粉がフードの内部や防虫網にこびりつくと、空気の通りが悪くなります。換気扇を回しても十分に排気できなければ、室内の水蒸気がたまりやすくなり、窓や壁の結露が増えます。吹き込みを増やす方向と、換気不足で結露を増やす方向の両方に働くのが、塩害で傷んだ換気部品のやっかいな点です。外から見てフードが白っぽく汚れていたり、赤茶色のさびが垂れていたりする場合は、一度状態を確認することをおすすめします。

金属だけでなく、樹脂製の部品も潮風と紫外線、冬の凍結をくり返し受けることで、硬くなったり割れたりすることがあります。樹脂製の給気口カバーのツメが折れて、カバーが半分外れたまま冬を越していた、という例もあります。住まい手の方は、高い位置にある部品や外壁の裏側をふだん目にする機会が少ないため、劣化に気づかないことがほとんどです。雪が解けて足元が安全になった時期に、家のまわりを一周して、換気口や金物の様子を見ておくだけでも、翌冬の備えになります。

なお、塩害への対策としては、耐食性の高い材質のフードへの交換、フードの形状の見直し、シーリングの打ち替え、定期的な水洗いなどが考えられます。ただし、どの方法が適しているかは建物の構造や部品の種類、設置場所によって異なり、効果にも差があります。部品の交換や屋根の作業には高所作業や専門知識が必要になることが多いため、無理にご自身で作業せず、住宅会社や板金・設備の専門業者にご相談ください。当社では、吹き込みによる濡れやカビが疑われる場合に、どの入口から水分が入っているかを調べ、必要に応じて関係する業者と連携して対応を検討しています。

潮風の影響は、室内にも間接的に現れます。換気フードの劣化で排気がうまくいかないと、浴室や洗面所の湿気が抜けにくくなり、天井や壁の上部にカビが出やすくなります。浴室の換気扇を回しているのに鏡の曇りがなかなか取れない、洗面所の天井に黒い点が出てきた、といった変化は、屋外の換気部品の状態を見直すきっかけになります。

塩害と吹き込みの関係は、海から少し離れた場所でも無縁ではありません。風の強い日には塩分を含んだ空気が内陸側まで運ばれることがあり、高台や開けた場所に建つ住宅では、海沿いと同じような劣化が見られることもあります。「海のすぐそばではないから大丈夫」と考えず、換気部品の状態を一度は確認しておくと安心です。

第5章|屋根裏の結露と吹き込みの見分け方|換気口をふさぐと何が起きるか

天井裏の濡れには、外から入った雪が融けたものと、室内の水蒸気が屋根裏で冷やされて水になった結露によるものの、大きく二つの原因があります。現場では両方が同時に起きていることも多いのですが、どちらの割合が大きいかによって、対策の方向がかなり変わります。吹き込みが主な原因であれば入口をふさぐ工夫が中心になり、結露が主な原因であれば室内の水蒸気を屋根裏に入れない工夫と、屋根裏の換気の確保が中心になります。

屋根裏の結露は、天井のすき間や照明器具・点検口のまわり、壁の上端などから、室内の暖かく湿った空気が屋根裏へ漏れ出すことで起こります。屋根裏は外気に近い温度まで冷えているため、漏れた空気の中の水蒸気は、屋根の裏側の野地板や垂木に触れて結露し、寒い時期には霜や氷になって付着します。これが気温の上がる日に一斉に融けると、天井に水が落ちてきます。北海道では「すが漏れ」と呼ばれる屋根の雪解け水による漏水も知られていますが、屋根裏の結露や吹き込みはそれとは別の経路で起こるため、原因の切り分けが大切です。

見分けの手がかり

吹き込みが疑われる場合

屋根裏の結露が疑われる場合

濡れの位置

軒先・妻側・換気口の近くに集中

天井の中央寄りや点検口・照明のまわり

屋根裏の様子

断熱材の上に雪や氷の粒が残る

野地板の裏一面に霜や水滴、黒ずみ

発生のタイミング

吹雪の翌日以降、春先の気温上昇時

冷え込みの強い日が続いたあと

室内の条件

室内の湿度が低めでも起こる

加湿・部屋干しなどで湿度が高いと増える

対策の方向

入口の形状改善・防雪部材の検討

天井の気密確保と小屋裏換気の見直し

この地域でとくに気をつけたいのが、「雪が入るから換気口をふさぐ」という対応です。気持ちはとてもよくわかりますし、当社の現場でも、軒天の換気口をテープでふさいだり、給気口に布を詰めたりしているお宅を何度も見てきました。しかし、屋根裏の換気口を完全にふさぐと、室内から漏れた水蒸気の逃げ場がなくなり、屋根裏の結露が増えることがあります。吹き込みの濡れを減らしたつもりが、結露の濡れを増やしてしまっては、結果としてカビの範囲が広がりかねません。

室内の給気口を閉じた場合も同じです。給気口は24時間換気の空気の入口で、ここを閉じると、排気側の換気扇が回っていても新しい空気が入りにくくなります。室内の水蒸気がこもり、窓や北側の壁、押入れの中などで結露が増えやすくなります。さらに、給気口から入れなくなった空気は、壁や天井のすき間など別の場所から入り込もうとするため、思わぬところから冷気や雪が入る原因にもなります。

では、どうすればよいのでしょうか。基本的な考え方は、「換気量を減らさずに、雪だけを入れにくくする」ことです。具体的には、雪が入りにくい形状のフードや防雪型の換気部材への交換、軒天換気の位置や形状の見直し、給気口のフィルターの定期的な点検と清掃などが考えられます。どの方法が合うかは建物ごとに異なるため、自己流でふさぐのではなく、住宅会社や設備業者に相談しながら進めることが大切です。

雪そのものが換気口をふさいでしまうケースもあります。最深積雪が大きくなる2月前後には、1階の給気口や床下換気口、ベランダの下の換気口などが、積もった雪や屋根から落ちた雪で埋まることがあります。換気口の前に雪が積もると、空気の出入りが止まり、室内や床下の湿気がたまりやすくなります。除雪の際に、玄関や車庫の前だけでなく、給気口・排気口・床下換気口のまわりの雪も少し取り除いておくと、換気の働きを保ちやすくなります。

吹き込みと結露のどちらが主な原因かは、ご家庭だけで判断するのが難しいこともあります。屋根裏の状態を写真に残しておく、シミが出た日と天気を記録しておくといった情報があるだけでも、専門業者が原因を絞り込む際の大きな手がかりになります。

室内側でできることもあります。屋根裏の結露を減らすには、室内の水蒸気を屋根裏に入れないことが重要です。天井の点検口のふたがきちんと閉まっているか、照明器具のまわりにすき間がないかを確認し、冬のあいだの加湿や部屋干しは湿度計を見ながら控えめにするのが基本です。浴室やキッチンの換気扇は、使用後もしばらく回して水蒸気を外に出すようにしましょう。こうした室内側の工夫と、外側の入口対策を組み合わせることで、天井裏の濡れを減らしていくことができます。

第6章|吹き込みカビの点検と調査|季節ごとのチェックと専門調査の目安

雪の吹き込みによるカビは、見えない場所で進むため、「気づいたときには広がっていた」となりがちです。そこで当社がおすすめしているのが、季節ごとに見る場所を決めておく点検の習慣です。特別な道具がなくても、目で見る、においをかぐ、手で触れるという基本の確認だけで、異変の早期発見につながります。ここでは、道北の日本海側の住まいを想定した点検の流れをご紹介します。

時期

主な点検場所

確認のポイント

秋(10〜11月)

換気フード、軒天、給気口のフィルター

さび・変形・破れ、フィルターの汚れ、すき間

冬(12〜2月)

給気口・排気口・床下換気口の前

雪で埋まっていないか、給気口に雪が付いていないか

吹雪の翌日

天井の隅、押入れの天井、窓上の壁

シミ・水滴・においの変化

春先(3〜4月)

天井全体、屋根裏点検口、外壁の下端

輪じみの拡大、断熱材の沈み、黒ずみ

初夏〜夏(6〜8月)

押入れ・クローゼット、北側の部屋

かび臭さ、壁紙の浮き、家具の裏の黒ずみ

秋の点検では、冬に入る前に入口の状態を整えておくことが目的です。換気フードの羽根が曲がっていないか、防虫網が破れていないか、軒天の換気部材が外れかけていないかを地上から確認しましょう。高い場所の点検や部品の交換は、はしごの転倒や転落のおそれがあるため、専門業者に依頼することをおすすめします。給気口のフィルターは室内側から外せるものが多く、汚れていれば清掃や交換をしておくと、冬の換気が安定しやすくなります。

冬の点検は、吹雪のあとに行うのが効果的です。給気口の室内側に雪や水滴が付いていないか、天井の隅や押入れの天井にシミが出ていないかを確認します。屋根裏点検口がある住宅では、安全に配慮したうえで懐中電灯で中をのぞき、断熱材の上に白い雪の粒が見えないかを見ておくと、吹き込みの有無を判断する手がかりになります。点検口から身を乗り出したり、屋根裏に入り込んだりするのは危険ですので、のぞく程度にとどめてください。

春先から夏にかけては、冬の吹き込みの結果が表に出やすい時期です。天井のシミが広がっていないか、特定の部屋だけかび臭くないか、壁紙が浮いていないかを確認しましょう。これらのサインが見られた場合や、屋根裏に雪やカビらしき黒ずみが確認できた場合は、専門的な調査を検討する目安になります。当社では、木材や石膏ボードの水分量を測る含水率測定、壁や天井を大きく壊さずに内部を確認するファイバースコープ調査、付着菌検査(有料オプション)などを組み合わせ、濡れとカビの範囲を把握したうえで対応方法をご提案しています。

調査の際には、「どこから水分が入ったのか」と「どこまで濡れやカビが広がっているのか」を分けて考えることが大切です。入口の特定には、濡れの位置と換気口の位置の関係、吹雪の日と症状の出た日の関係、屋根裏に残る雪の跡などを手がかりにします。範囲の把握には、含水率の測定結果や目視での確認を積み重ねます。この二つを押さえずにカビの除去だけを行っても、翌冬に同じ入口から雪が入れば、再び同じ場所が濡れてしまうおそれがあります。

カビの除去を行う場合、天井裏や壁の中の木材は、住まいの構造を支える大切な部材です。当社のMIST工法®は、素材を傷めにくいことを重視した方法で、木材の状態に合わせて処理を行います。ただし、効果の現れ方は濡れの程度や素材、環境によって異なりますので、施工前の調査結果をもとに、どこまで対応するかをご相談しながら決めていきます。費用は建物の規模や被害の範囲など現地の状況によって異なるため、調査のうえでお見積りをご案内しています。

賃貸住宅や店舗、事務所などの建物でも考え方は同じです。オーナーや管理会社の方は、入居者から「天井にシミがある」「給気口から雪が入る」といった連絡があった際に、表面の補修だけで済ませず、屋根裏や換気部品の状態を確認することをおすすめします。入居者の方も、給気口をふさぐ前に一度管理者へ相談していただくと、結露やカビの予防につながります。

この記事とあわせて読んでいただくと理解が深まる記事をご紹介します。濡れの程度を数値で知る方法や、壁の中を確認する方法、秋冬の内部結露について詳しく解説しています。

関連記事:ファイバースコープ調査とは?壁を壊さず壁内・床下のカビを調べる方法

関連記事:北海道の建物で秋冬に急増する内部結露カビ|企業・施設

まとめ|稚内・留萌の住まいは「雪の入口」と「換気」を両立させてカビを防ぐ

道北の日本海側は、気象庁の平年値でも冬の平均風速が高く、ひと冬の降雪量も多い地域です。強い季節風と地吹雪がそろうことで、細かな雪が軒天の換気口、外壁の給気口や排気フード、配管の貫通部、基礎まわりの換気口などから建物の中へ入り込みます。入り込んだ雪は、暖房期間の長い北海道ならではの室内外の温度差のもとで、凍ったり融けたりをくり返しながら、天井裏や壁の中の木材・断熱材を少しずつ濡らしていきます。

濡れた断熱材は断熱の働きが落ち、そこで室内の水蒸気が結露して、濡れがさらに広がります。屋根裏では、室内から漏れた水蒸気による結露も加わります。春先の気温上昇でたまっていた雪や氷がまとめて融け、夏の高い湿度の中で乾ききらないまま過ごすと、見えない場所でカビが育ちやすい状態が続きます。さらに海沿いでは、塩害によって換気フードや金物が傷み、吹き込みを防ぐ力が弱まるという悪循環も起こります。

対策の基本は、「換気量を減らさずに、雪だけを入れにくくする」ことです。雪が入るからといって換気口や給気口を自己流でふさぐと、今度は結露が増え、かえってカビの範囲を広げるおそれがあります。秋には入口の状態を整え、冬は吹雪のあとに給気口や天井のシミを確認し、除雪のときには換気口の前の雪も取り除く。春から夏にかけては、天井のシミやかび臭さといったサインを見逃さないようにする。こうした季節ごとの点検の積み重ねが、被害を小さく抑えることにつながります。

Q. 天井に小さなシミが出ただけですが、様子を見てもよいでしょうか?

A. シミが小さくても、天井裏では濡れが広い範囲に及んでいることがあります。とくに吹雪のあとや春先に出たシミは、吹き込みや屋根裏の結露が関係している可能性があります。シミの位置と大きさを写真で記録し、広がるようであれば早めに住宅会社や専門業者にご相談ください。含水率測定などで濡れの範囲を確認すると、対応を判断しやすくなります。

Q. 給気口から雪が入るので、冬のあいだだけ閉じておいても大丈夫ですか?

A. 給気口を閉じると室内の換気量が落ち、窓や壁、押入れなどで結露が増えやすくなるため、おすすめはしていません。雪が入りにくい形状のフードや防雪型の部材への交換、フィルターの点検など、換気を保ちながら雪を防ぐ方法を検討するのが基本です。どの方法が合うかは住宅によって異なりますので、設備業者や住宅会社にご相談ください。

雪の吹き込みによるカビは、原因となる入口と、濡れが広がっている場所が離れていることも多く、表面のシミだけを見て判断するのは難しい問題です。当社の現場での傾向としても、天井のシミの補修だけを行った住宅で、翌年以降に同じ症状がくり返される例が見られます(当社の現場での傾向であり統計ではありません)。原因の入口を特定し、濡れとカビの範囲を把握したうえで、除去と再発予防を組み合わせて考えることが大切です。

日ごろの記録も役に立ちます。シミが出た場所と日付、その前後の天気、給気口や換気扇の使い方などをメモや写真で残しておくと、原因の切り分けがスムーズになります。住宅会社や設備業者、当社のような調査会社に相談する際にも、こうした記録があると状況を正確に伝えやすくなり、無駄のない調査や対策の検討につながります。冬の吹雪の多い地域だからこそ、「いつ、どこが、どうなったか」を残す習慣が住まいを守る力になります。

カビバスターズ北海道では、含水率測定やファイバースコープ調査、付着菌検査などの各種調査から、MIST工法®による除去、カビが生えにくい環境づくりのご提案までをワンストップで行っています。雪の吹き込みや屋根裏の結露、塩害で傷んだ換気部品が関わるケースでは、調査結果をもとに、関係する業者とも連携しながら対応方法をご提案します。道北の日本海側エリアはもちろん、札幌・旭川・函館・帯広・釧路・北見をはじめ北海道全域に対応しております。天井のシミやかび臭さ、換気口まわりの気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。※菌検査は施工前に行う有料オプションです。


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カビバスターズ北海道(MPソリューション株式会社)

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受付時間:平日9:00〜18:00(土日祝休み)

対応エリア:札幌市(中央区・北区・東区・白石区・豊平区・南区・西区・厚別区・手稲区・清田区)をはじめ、石狩・小樽・千歳・苫小牧・旭川・函館など北海道全域。地域ごとの対応は対応エリアをご覧ください。

料金の目安は料金ページ、札幌市内のご依頼は札幌市のカビ取りをご覧ください。

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