車内のカビ対策|札幌の冬の雪・結露・フロアマットの湿気を車に残さない方法
更新日:1 日前
冬になると、車の窓の内側が曇って拭いてもすぐに戻る、フロアマットをめくったら裏が湿っていた、春になって車内にカビ臭さを感じるようになった、というご相談があります。車は住まいに比べて小さな空間ですが、札幌の冬には、住まいと同じように湿気がたまり、カビが育つ条件がそろいやすい場所です。
原因の多くは、乗り降りのたびに持ち込まれる雪と、暖房で暖められた車内の空気が冷えた窓や床に触れて起こる結露です。車内には布のシートや天井、カーペット状の床材など、湿気を吸いやすく、汚れやほこりがたまりやすい素材が多く使われています。
この記事では、札幌の冬の車内でカビが出やすい場所と、毎日の乗り降りでできる湿気対策、見つけた時の掃除の手順、自分で対応するのが難しい時の相談先を整理しました。掃除に使う製品は、車の内装に使えるものを選び、製品表示と車の取扱説明書に従ってください。
この記事の結論 札幌の冬の車内は、12月から3月にかけて毎月まとまった雪が降る中で、乗り降りのたびに雪が持ち込まれ、暖房と外気の温度差で窓や天井に結露が起こる、湿気のたまりやすい空間です。カビが出やすいのは、フロアマットの裏と床のカーペット、足元、布製のシート、天井の窓際、エアコンの内部、荷室です。
札幌の冬、車内に湿気がたまる理由
気象庁の平年値では、札幌の降雪の深さの月合計は12月に113cm、1月に137cm、2月に116cm、3月に74cmとなっています。最深積雪の平年値は2月に95cmです。雪の中を歩いて車に乗ると、靴底や靴の側面、ズボンの裾、コートの肩に付いた雪が車内に持ち込まれ、暖房で溶けて水になります。

図:札幌の月別 降雪の深さ合計と最深積雪(平年値)。札幌では12月から3月にかけて、月に70cmを超える雪が降るのが平年の姿です。その間、毎日の乗り降りで雪が車内に持ち込まれ、フロアマットの下に水分がたまっていきます。 出典:気象庁「過去の気象データ検索」札幌 平年値(1991〜2020年)降雪の深さ合計・最深積雪
出典:気象庁「過去の気象データ検索」札幌 平年値(1991〜2020年)
溶けた水は、ゴム製のマットの上なら目に見えてたまりますが、布製のフロアマットではマットに染み込み、さらにその下の床のカーペットへと移っていきます。車の床のカーペットの下には防音や断熱のための材料が敷かれていることが多く、一度しみ込んだ水は、外から見ただけではわからないまま残ることがあります。
さらに、車を降りてエンジンを止めると、車内は外気で急に冷やされます。暖房中の車内の空気に含まれていた水蒸気は、冷えた窓ガラスや金属部分で結露し、翌朝には窓の内側が凍っていることもあります。雪が溶けた水と結露の水が、車内に少しずつ積み重なっていくのが、札幌の冬の車内の特徴です。
車内でカビが出やすい場所
車内のカビは、水がたまりやすい場所、空気が動かない場所、汚れがたまりやすい場所に出やすくなります。特に見落としやすいのは、ふだん目に入らない床やシートの下、エアコンの内部です。主な場所と確認のポイントを表にまとめました。
場所 | カビが出やすい理由 | 確認のポイント |
フロアマットの裏と床のカーペット | 雪解け水がしみ込み乾きにくい | マットをめくり、床を手で押して湿りを確かめる |
運転席・助手席の足元 | 乗り降りで最も雪が持ち込まれる | かかとの当たる部分の変色やにおい |
シート(布製) | 濡れた服で座ると湿気を吸う | 座面や背もたれの白い点、しみ |
天井の内張り・サンバイザー | 結露した窓の近くで湿気がこもる | 窓際の天井の黒い点や輪じみ |
エアコン内部とフィルター | 湿気とほこりがたまりやすい | 送風を入れた時のにおい |
荷室(トランク) | 濡れたスキー用品や長靴を積む | 床下収納やスペアタイヤまわりの水 |
荷室は、スキーやスノーボードの道具、長靴、スコップ、除雪用のブラシなど、濡れた物を積むことが多い場所です。荷室の床下にある収納やスペアタイヤのまわりに水が入り込むと、気づかないまま長く残ることがあります。冬の間に一度は荷室の床板を開けて確かめてください。
カビは最初、小さな白い点や、うっすらとした黒ずみとして現れることが多く、ほこりや汚れと見分けにくいものです。拭いても同じ場所にまた出てくる、湿った時だけにおいが強くなる、といった場合はカビを疑ってください。スマートフォンのライトで斜めから照らすと、布の表面の小さな変化にも気づきやすくなります。
乗り降りでできる毎日の湿気対策

車内のカビ対策で最も効果が大きいのは、水を持ち込まないことと、持ち込んだ水を残さないことです。車に乗る前に靴の側面や裏の雪を落とし、ズボンの裾やコートの雪を払ってから乗り込みます。運転席のドアの外で片足ずつ靴を軽く打ち付けるだけでも、持ち込む雪の量は大きく変わります。
フロアマットは、冬の間だけでもゴム製や縁の立ったトレー状の物に替えると、雪解け水が床のカーペットにしみ込むのを防ぎやすくなります。たまった水は、晴れた日や車庫の中でマットを外して捨て、マットと床を乾かします。布製のマットを使う場合は、週に一度は外して裏を確かめ、湿っていれば室内で乾かしてから戻してください。
乗る前に靴の雪を落とし、服の雪を払う
冬はゴム製・トレー状のフロアマットを検討する
週に一度はマットを外し、裏と床の湿りを確かめる
濡れた手袋や帽子、傘を車内に置きっぱなしにしない
到着の少し前に外気導入にして、車内の湿った空気を入れ替える
晴れた日は窓を少し開けたり、ドアを開けて車内の空気を入れ替える
車内に濡れた物を置いたままにしないことも大切です。濡れた手袋や帽子、折りたたみ傘、スキーウェアを車内に置いたままにすると、車を止めている間も湿気を出し続けます。家や職場に持ち込んで乾かし、車内には乾いた物だけを置くようにしましょう。
職場や自宅の駐車場で、車を降りる前に足元のマットを軽く見ておく習慣も役に立ちます。水たまりができていれば、その日のうちに捨てて拭き取るだけで、次の日までに床のカーペットへしみ込む量を減らせます。
窓の曇りと結露への対処
冬の運転中に窓の内側が曇るのは、車内の湿った空気が冷えたガラスに触れて結露するためです。曇りは視界を悪くするため、安全のためにも早めに取り除く必要があります。多くの車には、窓の曇りを取るためのデフロスターのスイッチがあり、エアコンの除湿機能と外気導入を組み合わせて使うようになっています。使い方は車種によって違うため、取扱説明書で確認してください。
内気循環のまま走り続けると、乗っている人の呼吸や濡れた服からの水蒸気が車内にたまり、窓が曇りやすくなります。外気導入に切り替えると、冬の乾いた外気が入って車内の湿気が下がります。停車前にしばらく外気導入にしておくと、エンジンを止めた後に窓や天井で結露する水の量を減らすことにもつながります。
窓の内側の汚れも、曇りやすさに関わります。手あかや皮脂、たばこのやにが付いたガラスは水滴が付きやすいため、ガラス用のクリーナーで内側を拭いておくと、曇りが取れやすくなります。朝に窓の内側が凍っている時は、無理にこそげ落とさず、デフロスターで溶かしてから乾いた布で水分を拭き取ってください。
カビを見つけた時の掃除の手順
シートや床にカビやカビ臭さを見つけたら、まず車内を乾かすことから始めます。濡れたまま掃除をすると、カビを広げたり、汚れを奥へ押し込んだりすることがあります。晴れた日にドアを開けて風を通すか、車庫の中で送風を入れて乾かしてから作業します。作業の際はマスクと手袋を着けてください。
フロアマットや荷物を車外へ出し、車内を乾かす
掃除機で床やシートのほこりとカビの表面を吸い取る
内装に使える製品を、表示どおりに目立たない場所で試す
固く絞った布で表面を拭き、汚れを移さないよう布の面を替える
ドアを開けて風を通し、しっかり乾かす
マットは洗える物なら洗い、乾いてから車内に戻す
車の内装には、布、合成皮革、本革、樹脂などさまざまな素材が使われています。家庭用の塩素系カビ取り剤は、色落ちや素材の傷みの原因になるため、車内で使うのは避けた方が安全です。アルコールも本革や一部の樹脂を傷めることがあります。また、塩素系の製品と酸性の製品を混ぜると有毒なガスが発生します。狭い車内では特に換気に注意し、製品の表示を必ず守ってください。
消臭剤や芳香剤でにおいを隠しても、カビのある場所の湿気が残っていれば、においはまた戻ってきます。においの元になっている場所を探して乾かすことが先決です。
長く乗らない時と、タイヤ交換の時期の点検
冬の間あまり乗らない車や、雪の多い時期は車庫に止めたままにしている車は、車内の空気がほとんど入れ替わりません。乗らなくなる前に車内に雪解け水が残っていると、閉め切った車内でゆっくりとカビが育つことがあります。しばらく乗らない予定がある時は、フロアマットを外して車内を乾かし、濡れた物や食べ物を車内に残さないようにしてから止めておきます。
晴れた暖かい日には、エンジンをかけて送風を入れる、ドアを開けて空気を入れ替えるなど、ときどき車内の空気を動かすと湿気がこもりにくくなります。エンジンをかける時は、車庫の中で排気ガスがこもらないよう、シャッターを開けるなど換気に十分注意してください。
札幌では、秋と春のタイヤ交換の時期に車の点検をする人も多いと思います。このタイミングを車内の点検日にすると、忘れずに続けられます。秋の交換時には冬用のフロアマットへの切り替えと荷室の片付け、春の交換時には冬の間の雪解け水が床に残っていないかの確認と、布製マットやシートの掃除をあわせて行うのがおすすめです。
子どもを乗せる車では、チャイルドシートのカバーの下や、シートとの間に食べこぼしや飲み物がたまりやすく、雪の日に濡れた服で座ることで湿気も加わります。カバーが外せるものは、取扱説明書と洗濯表示に従って洗い、しっかり乾かしてから取り付けてください。
秋のタイヤ交換時:冬用マットへの切り替え、荷室の片付け
冬の間:週1回マットを外して床を確認
春のタイヤ交換時:床のカーペットと荷室の床下の湿りを確認
長く乗らない前:車内を乾かし、濡れた物と食べ物を残さない
自分で対応が難しい時と、住まいとの関係
床のカーペットの下まで水がしみ込んでいる、ドアや窓のまわりから水が入っている形跡がある、エアコンの送風を入れるとカビ臭がする、といった場合は、家庭の掃除では対応しきれないことがあります。ドアのゴムの劣化や車体の排水の詰まりから水が入っていることもあるため、車の販売店や整備工場に点検を相談してください。エアコンのフィルターは、車種ごとの交換時期が取扱説明書や点検記録簿に書かれています。
気づいたこと | 考えられる原因 | 相談先の目安 |
雨や洗車の後に床が濡れる | ドアや窓まわりからの水の浸入 | 販売店・整備工場 |
エアコンの送風がカビ臭い | フィルターやエアコン内部の汚れ | 販売店・整備工場 |
床のカーペットが乾かない | 下の防音材まで水がしみている | 販売店・整備工場、内装の専門店 |
車庫や物置もカビ臭い | 保管場所そのものの湿気 | 建物の点検を専門業者へ |
車内のカビは、車を止めておく場所とも関係します。湿気の多い車庫に長く止めている車は、車内も湿気を受けやすくなります。車庫や物置の壁や天井にカビが出ている場合は、建物の側の点検も考えてみてください。当社では、建物の含水率測定や落下菌検査(有料オプション)などで状況を確かめ、必要な場合は、素材を削ったり強くこすったりせず、素材に合わせて調整した専用剤でカビを分解・除去し、仕上げに除菌を行うMIST工法®で対応しています。
よくある質問
Q. 冬の間、車内に除湿剤を置いておけば大丈夫ですか。
A. 除湿剤は小さな空間の湿気を減らす助けになりますが、フロアマットの下にしみ込んだ水や、乗り降りのたびに持ち込まれる雪には追いつきません。雪を持ち込まない、マットを外して乾かす、外気導入で換気するといった基本と組み合わせて使ってください。
Q. 車のエアコンは冬に使っても意味がありますか。
A. 多くの車では、エアコンの除湿機能が窓の曇り取りにも使われています。冬の使い方は車種によって異なるため、取扱説明書でデフロスターやエアコンの推奨される使い方を確認してください。
Q. 春に車内がカビ臭くなるのはなぜですか。
A. 冬の間に持ち込まれた雪解け水がフロアマットの下や床に残り、気温が上がってからカビが育つことがあります。雪解けの時期にマットを外して床を確かめ、湿っていればしっかり乾かしてください。
まとめ
札幌の冬の車内は、12月から3月にかけて毎月まとまった雪が降る中で、乗り降りのたびに雪が持ち込まれ、暖房と外気の温度差で窓や天井に結露が起こる、湿気のたまりやすい空間です。カビが出やすいのは、フロアマットの裏と床のカーペット、足元、布製のシート、天井の窓際、エアコンの内部、荷室です。
雪は乗る前に落とす、マットは外して乾かす、降りる前に外気導入で湿気を逃がす。この3つを冬の習慣にし、濡れた物を車内に置きっぱなしにしないことで、車内のカビの多くは防げます。水の浸入が疑われる時やエアコンのにおいが取れない時は、販売店や整備工場に相談してください。
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