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露点温度の早見表で結露を予測|室温×湿度で結露する温度がわかる(札幌の冬)

9月26日
読了時間: 11分

更新日:1 日前

冬の札幌で、朝起きると窓ガラスがびっしょり濡れている、北側の部屋の壁の隅が黒ずんできた、というのはよくある光景です。結露はカビの大きな原因の一つですが、「なぜその場所だけが濡れるのか」「湿度を何%まで下げればよいのか」がわかりにくいのも事実です。

その答えを数字で示してくれるのが「露点温度」です。露点温度とは、ある空気を冷やしていったときに、含まれていた水蒸気が水滴になり始める温度のことです。室内の空気の露点温度と、窓や壁の表面温度を比べれば、どこで結露が起きるかをかなりの精度で予測できます。

この記事では、室温と湿度から露点温度がわかる早見表を用意し、表面温度の測り方や、札幌の冬に結露とカビを減らすための考え方を具体的に解説します。温湿度計と非接触温度計があれば、ご家庭でもすぐに試せる内容です。

この記事の結論 結露は、室内の空気の露点温度よりも表面温度が低い場所で起きます。温湿度計で室温と湿度を読み、早見表で露点温度を確認し、非接触温度計で窓や壁の表面温度を測る。この三つの手順で、ご自宅のどこが結露しやすいのかを数字でつかむことができます。

露点温度とは何か:結露の仕組みをおさらい

空気が含むことのできる水蒸気の量には上限があり、これを飽和水蒸気量といいます。上限は温度によって大きく変わり、Magnus式で近似すると、空気1立方メートルあたりおよそ0℃で4.9g、10℃で9.4g、20℃で17.3g、25℃で23.0gです。暖かい空気ほど多くの水蒸気を抱えられることがわかります。

相対湿度は、その上限に対して実際にどれだけの水蒸気が含まれているかを%で表したものです。たとえば室温20℃・湿度50%の空気は、上限の半分ほどの水蒸気を含んでいます。この空気が冷たい窓ガラスに触れて冷やされると、上限が下がっていき、ある温度で水蒸気を抱えきれなくなって水滴が出てきます。その温度が露点温度です。

つまり結露は、「室内の空気の露点温度」よりも「表面の温度」が低いときに起きます。湿度が高いほど、また室温が高く水蒸気量が多いほど露点温度は上がり、結露しやすくなります。逆に、表面温度を露点より高く保てれば、同じ湿度でも結露は起きません。

出典:計算値(Magnus式による近似。飽和水蒸気圧 es=6.112×exp(17.62t/(243.12+t)) hPaから算出)。飽和水蒸気量は理想気体として換算

結露が起きる仕組み

室温×湿度でわかる露点温度の早見表

下の表は、室温と相対湿度の組み合わせごとに露点温度を計算したものです。お手元の温湿度計で室温と湿度を読み取り、該当するマスの温度を見てください。その温度より冷たい面があれば、そこで結露が起きる可能性があります。

室温\湿度

40%

50%

60%

70%

14℃

0.6℃

3.7℃

6.4℃

8.6℃

16℃

2.4℃

5.6℃

8.2℃

10.5℃

18℃

4.2℃

7.4℃

10.1℃

12.4℃

20℃

6.0℃

9.3℃

12.0℃

14.4℃

22℃

7.8℃

11.1℃

13.9℃

16.3℃

24℃

9.6℃

12.9℃

15.8℃

18.2℃

出典:計算値(Magnus式による近似。飽和水蒸気圧 es=6.112×exp(17.62t/(243.12+t)) hPaから算出)

たとえば室温20℃・湿度60%なら露点温度は約12.0℃です。窓ガラスやサッシ、外壁の角などが12℃を下回ると結露が始まります。同じ20℃でも湿度を40%まで下げれば露点温度は約6.0℃になり、表面が6℃より温かければ結露は起きません。湿度を20ポイント下げるだけで、結露が起きる温度が6℃ほど下がる計算です。

また、暖房で室温を上げても湿度計の値が変わらなければ、露点温度は上がります。室温22℃・湿度60%の露点温度は約13.9℃で、室温18℃・湿度60%の約10.1℃より高くなります。部屋を暖かくすると湿度計の数字は下がりやすいのですが、加湿器や室内干しで水分を足している場合は、暖房を強めるほど冷たい面での結露が増えることもあるので注意が必要です。

グラフで見る:湿度と室温が露点を押し上げる

早見表の値をグラフにすると、湿度が10ポイント上がるごとに露点温度がおよそ2〜4℃ずつ上がっていく様子がわかります。低い湿度の範囲ほど上がり幅が大きく、湿度30%から40%に上がると、室温18℃では露点温度が約0.1℃から約4.2℃へと4℃ほど上がります。

相対湿度と露点温度の関係(室温18℃・22℃)

図:相対湿度と露点温度の関係(室温18℃・22℃)。同じ湿度でも室温が高いほど露点温度は上がります。この線より表面温度が低い場所で結露が起きると考えます。 出典:計算値(Magnus式による近似。飽和水蒸気圧 es=6.112×exp(17.62t/(243.12+t)) hPaから算出)

室温18℃と22℃の線を比べると、同じ湿度でも常に3〜4℃ほどの差があります。暖房の設定温度を上げた部屋は、その分だけ結露が起きやすい温度の幅が広がると考えてください。特に寝室や子ども部屋で暖房と加湿器を同時に使うと、夜間に窓や外壁側の家具の裏で結露が進みやすくなります。

なお、露点温度が0℃を下回る範囲では、実際には水滴ではなく霜として現れることがあります。Magnus式は水の上での近似式なので、氷点下の値は目安として見てください。いずれにしても、表面温度が露点温度を下回ったら水分が付着する、という考え方は変わりません。

出典:計算値(Magnus式による近似。飽和水蒸気圧 es=6.112×exp(17.62t/(243.12+t)) hPaから算出)

表面温度を測って結露する場所を見つける

露点温度がわかったら、次は家の中の冷たい面の温度を測ります。便利なのが、赤外線で表面温度を測る非接触温度計(放射温度計)です。ホームセンターや家電量販店で手に入るもので十分です。測るときは、同じ部屋の温湿度計の値もメモしておきましょう。

  1. 部屋の中央付近で温湿度計の室温と湿度を読み取る

  2. 早見表で露点温度を確認する

  3. 窓ガラス、サッシ枠、外壁の角、床と壁の境目、家具の裏の壁を順に測る

  4. 露点温度より低い、または近い場所に印を付ける

  5. 朝の冷え込む時間帯にもう一度測り、差が大きい場所を記録する

札幌の冬は、12月の日最低気温の平年値が-4.0℃、1月は-6.4℃です。外気が冷え込む夜から明け方にかけて、窓や外壁側の表面温度は最も下がります。昼間に測って問題がなくても、明け方に測ると露点を下回っていることがあるため、時間帯を変えて確認するのがポイントです。

出典:気象庁「過去の気象データ検索」札幌 平年値(1991〜2020年)(日最低気温)

非接触温度計は、光沢のある金属やガラスでは実際より低めや高めに表示されることがあります。サッシの金属部分は、マスキングテープを貼ってその上から測ると値が安定しやすくなります。取扱説明書に放射率の説明がある場合は、それに従って使ってください。

測る場所

冷えやすい理由

確認のポイント

窓ガラス・サッシ枠

外気と薄い材料一枚で接している

下端とサッシの角を重点的に測る

外壁の出隅・入隅

断熱が途切れやすく熱が逃げやすい

天井際と床際の角を比べる

家具の裏の外壁

暖房の空気が届かず冷えたまま

家具を少し動かして壁面を測る

押入れ・クローゼットの奥

扉で仕切られ空気が動かない

扉を開けてすぐに奥の壁を測る

浴室・洗面所の天井

湿気が多く上部にたまりやすい

入浴後の湿度と合わせて確認

表計算ソフトで露点温度を求める方法

早見表にない室温や湿度の組み合わせでも、表計算ソフトを使えば露点温度を簡単に求められます。この記事で使っているMagnus式は、気象や建築の分野で広く使われている近似式で、室温t(℃)と相対湿度RH(%)から露点温度を計算します。

手順は二段階です。まず、その室温での飽和水蒸気圧を求め、湿度を掛けて実際の水蒸気圧を出します。次に、その水蒸気圧が飽和になる温度を逆算します。表計算ソフトでは、A1セルに室温、B1セルに湿度を入れ、C1セルに「=6.112*EXP(17.62*A1/(243.12+A1))*B1/100」、D1セルに「=243.12*LN(C1/6.112)/(17.62-LN(C1/6.112))」と入力すると、D1に露点温度が表示されます。

この計算シートを作っておくと、毎朝の温湿度計の値を入力するだけで、その日の露点温度を記録できます。窓や壁の表面温度もあわせて記録すれば、どの程度の湿度なら結露しないかという、ご自宅ならではの目安が見えてきます。数日分の記録があるだけでも、換気や加湿器の使い方を見直す根拠になります。

計算結果は近似値なので、小数点以下の違いにこだわる必要はありません。温湿度計自体にも誤差があるため、露点温度と表面温度の差が1〜2℃しかない場所は「結露しやすい場所」として扱い、余裕を持って対策するのが現実的です。

部屋ごとの早見表の使い方

早見表の読み方は同じでも、部屋によって注意すべきポイントは違います。寝室は、夜間に人の呼吸で水蒸気が増え、朝方に外気が最も冷え込むため、明け方の窓や外壁側の壁で結露が起きやすい部屋です。就寝前と起床時に温湿度計を読み、露点温度がどれだけ変わるかを確認してみましょう。

浴室や洗面所は、入浴直後に湿度が大きく上がるため、露点温度も一時的に高くなります。この時間帯は天井や窓が結露するのが普通なので、換気扇をしばらく回し続け、湿度が下がるまでの時間を確認することが大切です。扉を開けて湿気を廊下に逃がすと、今度は廊下や隣の部屋の冷たい面で結露することがあるので注意してください。

北側の部屋や使っていない部屋は、暖房を弱めているため室温が低く、湿度計の数字が高めに出やすい部屋です。早見表で見ると露点温度はそれほど高くなくても、壁や窓の表面温度も低いため結露しやすくなります。ときどき扉を開けて暖かい空気を入れ、表面温度を測って確認しましょう。

札幌の冬に結露を減らす三つの方向

早見表と表面温度の測定から見えてくる対策は、大きく分けて三つです。一つ目は湿度を下げて露点温度を下げること、二つ目は冷たい面の温度を上げること、三つ目は空気を動かして冷たい面に湿気がたまらないようにすることです。どれか一つではなく、組み合わせることで効果が安定します。

湿度を下げる方法としては、24時間換気を止めない、調理や入浴の後に換気扇を回す、室内干しの量や場所を見直す、加湿器の設定を必要以上に上げない、といったことが基本です。表面温度を上げる方法には、断熱性の高い窓への交換や内窓の設置などがありますが、住まい全体の改修になるため、まずは家具の配置やカーテンの使い方から見直してみましょう。

対策の方向

具体的な方法

注意点

湿度を下げる

換気扇・24時間換気の運転、室内干しの見直し

換気口を閉じると湿気が逃げなくなる

表面温度を上げる

家具を外壁から離す、暖房の風を窓際に回す

厚手カーテンの内側は冷えやすい

空気を動かす

サーキュレーターで部屋の隅や窓際に送風

押入れ・収納は定期的に扉を開ける

水分を早く取る

窓の水滴を朝のうちに拭き取る

放置すると窓枠や壁紙にしみ込む

換気で湿度が下がる理由も、露点温度で説明できます。気象庁の平年値では、札幌の1月の平均蒸気圧は3.4hPaで、これをMagnus式で露点温度に換算すると約-7.8℃です。冬の外気は冷たいだけでなく含む水蒸気の量がとても少ないため、この空気を取り入れて室内で暖めると、室内の露点温度を下げる方向に働きます。冬の換気は寒さとの兼ね合いになりますが、結露対策としては止めずに続けることが大切です。

出典:気象庁「過去の気象データ検索」札幌 平年値(1991〜2020年)(平均蒸気圧)をもとにMagnus式で換算した計算値

カーテンは断熱に役立つ一方で、窓とカーテンの間の空気が冷やされて結露が増えることがあります。朝はカーテンを開けて水滴を拭き取り、窓際の空気を入れ替える習慣をつけましょう。家具は外壁から数センチ離すだけでも、裏側の壁の温度が上がりやすくなります。

表面に水滴が見えない場所でも、露点温度に近い状態が長く続くと、壁紙の裏や石こうボードの表面で湿気がたまり、カビが育つことがあります。何度拭いても同じ場所が黒ずむ場合は、壁の内部が湿っている可能性もあります。当社では含水率測定やファイバースコープ調査で、壁の中の状態を確認することができます。

よくある質問

Q. 冬の湿度は何%にすれば結露しませんか。

A. 一律の数字は決められません。結露するかどうかは、湿度だけでなく室温と、家の中で最も冷たい面の温度で決まるためです。早見表で露点温度を確認し、測定した窓や壁の温度がそれより高くなる湿度を目安にしてください。

Q. 露点温度を自分で計算することはできますか。

A. できます。この記事ではMagnus式という近似式を使っています。表計算ソフトに式を入れれば、室温と湿度から露点温度を求められます。ただし近似式なので、小数点以下の差は目安として扱ってください。

Q. 温湿度計はどこに置けばよいですか。

A. 部屋の中央付近で、床から1メートル前後の高さ、暖房器具の風や直射日光が当たらない場所が基本です。窓際や外壁際に置くと、部屋全体の状態とは違う値になることがあります。

まとめ

結露は、室内の空気の露点温度よりも表面温度が低い場所で起きます。温湿度計で室温と湿度を読み、早見表で露点温度を確認し、非接触温度計で窓や壁の表面温度を測る。この三つの手順で、ご自宅のどこが結露しやすいのかを数字でつかむことができます。

札幌の冬は外気が長く氷点下になるため、窓や外壁側の表面温度は下がりやすくなります。湿度を下げる、表面を温める、空気を動かすという三つの方向を組み合わせ、結露を減らしてカビの出にくい住まいを目指しましょう。拭いても繰り返す黒ずみや、壁の中の湿りが気になるときは、専門業者による調査も選択肢の一つです。

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