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札幌の冬の室内湿度の目安は?温湿度計の置き方と読み方で結露とカビを防ぐ

9月27日
読了時間: 12分

更新日:1 日前

札幌の冬は、暖房をつけた室内で「喉が渇く」「静電気がひどい」と感じる一方、朝になると窓がびっしょり結露している、という一見矛盾した状況がよく起きます。乾燥が気になって加湿器を強くすると結露が増え、結露が気になって加湿を控えると乾燥する。多くのご家庭がこの間で悩んでいます。

この悩みを整理するには、まず「湿度を正しく測る」ことが出発点です。温湿度計の置き場所が適切でないと、実際より高い値や低い値を見て判断してしまいます。そのうえで、ご自宅の窓や壁が結露し始める湿度を知り、乾燥しすぎず結露もしない範囲を探していくのが現実的な方法です。

この記事では、気象庁の平年値をもとに札幌の冬の室内が乾燥しやすい理由を数字で確認し、湿度の目安の考え方、温湿度計の選び方と置き方、部屋ごとの測り比べ、日々の記録の付け方までを具体的に解説します。

この記事の結論 札幌の冬の外気は水蒸気が非常に少なく、暖めると相対湿度が大きく下がるため、室内は乾燥しやすくなります。一方で、加湿しすぎると窓や外壁側の冷たい面で結露し、カビの原因になります。湿度の目安は一つの数字ではなく、「乾燥しすぎない下限」と「結露しない上限」の間の幅で考えることが大切です。

札幌の冬の室内が乾燥しやすい理由

空気に含まれる水蒸気の量は、蒸気圧という値で表せます。気象庁の平年値では、札幌の平均蒸気圧は8月の20.2hPaに対して、1月は3.4hPa、2月は3.5hPaしかありません。冬の外気は冷たいだけでなく、含んでいる水蒸気の量そのものが夏の6分の1ほどに減っています。

この外気を換気で取り入れて室温20℃まで暖めると、水蒸気の量は変わらないまま空気が抱えられる上限だけが大きく増えるため、相対湿度は大きく下がります。Magnus式で計算すると、1月・2月の平均的な外気を20℃に暖めた場合の相対湿度は約15%です。12月でも約18%、3月でも約19%にとどまります。

札幌の外気を20℃に暖めたときの相対湿度(10〜4月)

図:札幌の外気を20℃に暖めたときの相対湿度(10〜4月)。冬の外気をそのまま20℃に暖めると、1〜2月は相対湿度が15%前後になる計算です。室内の湿度は生活で出る水蒸気で補われています。 出典:気象庁「過去の気象データ検索」札幌 平年値(1991〜2020年)の月平均蒸気圧をもとに、Magnus式で20℃の飽和水蒸気圧に対する割合を算出した計算値

実際の室内の湿度がこれより高いのは、人の呼吸や汗、調理、入浴、洗濯物の室内干し、観葉植物などから水蒸気が出ているためです。つまり札幌の冬の室内湿度は、外気ではなく「家の中で出る水蒸気」と「換気で出ていく量」のバランスで決まります。暮らし方によって家ごとの差が大きくなるのはこのためです。

出典:気象庁「過去の気象データ検索」札幌 平年値(1991〜2020年)(平均蒸気圧)。20℃換算の相対湿度はMagnus式による計算値

このバランスを見ずに「乾燥しているから加湿」「結露しているから除湿」と場当たり的に対応すると、部屋によって乾燥と結露が同時に起きることもあります。まずは家の中のどこで、どの時間帯に湿度が上がり下がりしているのかを把握することが大切です。

冬の湿度管理の3ステップ

冬の室内湿度の目安をどう考えるか

湿度の目安としてよく参照されるのが、事務所などの特定建築物に適用される厚生労働省の建築物環境衛生管理基準です。ここでは空気環境の基準として、相対湿度40%以上70%以下、温度18℃以上28℃以下が定められています。住宅に直接適用されるものではありませんが、室内環境を考える一つの物差しになります。

出典:厚生労働省「建築物環境衛生管理基準について」(空気環境の調整:相対湿度40%以上70%以下、温度18℃以上28℃以下〈2022年4月1日以降〉)

ただし札幌の冬の住宅では、上限の70%に近い湿度を保つと、窓や外壁の角、家具の裏などの冷たい面で結露が起きやすくなります。結露するかどうかは湿度だけでなく、室温と家の中で最も冷たい面の温度で決まるため、断熱性能の違いによって「結露しない上限」は家ごとに異なります。

そこで、下限は乾燥しすぎを避ける目安として40%前後を意識しつつ、上限は「自宅の窓や壁が結露し始める湿度」を実際に確かめて決めるのがおすすめです。朝の窓の状態と、前夜から朝にかけての湿度の記録を見比べると、どのあたりから結露が始まるのかがわかってきます。

湿度の状態

起きやすいこと

見直すポイント

低すぎる状態が続く

喉や肌の乾燥感、静電気

加湿器の使用、室内干しを取り入れる

40%前後〜結露しない範囲

乾燥と結露のバランスが取れている

この範囲を保つよう記録を続ける

窓に水滴が出始める

窓枠・カーテンの下部が濡れる

加湿を弱め、換気と送風を見直す

壁や収納の中まで湿る

外壁の角や押入れの奥にカビ

湿気の発生源と換気経路を点検する

温湿度計の選び方

湿度管理に使う温湿度計は、数字で読めるデジタル式が扱いやすく、最高値・最低値を記録できるタイプなら、夜間や明け方の変化も確認できます。スマートフォンに記録を送れるデータロガー型は、何台かを別々の部屋に置いて比べたいときに便利です。

購入時には、製品の仕様に書かれている湿度の精度(誤差の範囲)を確認しましょう。安価なものの中には誤差が大きい製品もあります。複数台を使う場合は、使い始めに同じ場所に並べて数時間置き、表示の差を把握しておくと、部屋ごとの比較がしやすくなります。

温湿度計は長く使ううちに湿度の表示がずれてくることがあります。数年使っているものは、新しい温湿度計と並べて比べてみてください。大きな差がある場合は買い替えを検討しましょう。数字を根拠に判断するのですから、測る道具の状態にも気を配ることが大切です。

湿度表示のずれを確かめる簡単な方法

湿度計の表示が正しいかを家庭で確かめる方法として、飽和食塩水を使うやり方が知られています。食塩を溶けきらないくらい入れて少量の水で湿らせたものを小皿に入れ、湿度計と一緒に密閉できる袋や容器に入れて、室温の安定した場所に半日ほど置きます。飽和食塩水の上の空気は、室温付近で相対湿度約75%に落ち着くことが知られており、表示がそこから大きく離れていれば、ずれていると判断できます。

この方法はあくまで目安で、容器の密閉具合や温度の変化によっても値は揺れます。厳密な校正が必要な場合は、メーカーの校正サービスなどを利用してください。家庭での湿度管理なら、表示のずれの大きさと方向(高めに出るか低めに出るか)を知っておくだけでも、判断の精度は上がります。

出典:Greenspan, L.(1977)Humidity Fixed Points of Binary Saturated Aqueous Solutions, Journal of Research of the National Bureau of Standards 81A

温湿度計の正しい置き方

温湿度計は、部屋の空気の平均的な状態を測れる場所に置くのが基本です。建築物環境衛生管理の測定では、居室の中央部の床上75cm以上150cm以下の位置で測ることとされています。ご家庭でも、この考え方を参考に、部屋の中央寄りで腰から胸くらいの高さに置くとよいでしょう。

避けたいのは、暖房器具やエアコンの風が直接当たる場所、窓際や外壁際、直射日光が当たる場所、加湿器のすぐそば、キッチンのコンロ付近などです。こうした場所では、部屋全体とは違う局所的な値が出てしまい、判断を誤る原因になります。

置き場所

表示の傾向

おすすめ度

部屋の中央・床上1m前後

部屋全体の平均に近い

基本の置き場所

加湿器の近く

湿度が実際より高く出る

避ける

暖房器具・エアコンの風が当たる所

温度が高く湿度が低く出る

避ける

窓際・外壁際

温度が低く湿度が高く出る

結露の確認用に別の1台を置くなら可

床の上・天井付近

上下の温度差の影響を受ける

避ける

一方、結露やカビが気になる場所の状態を知りたい場合は、あえて窓際や収納の中にもう1台置くのも有効です。部屋の中央の値と比べると、冷たい場所ほど湿度が高く出ることがよくわかります。目的に応じて「部屋の代表値を測る1台」と「気になる場所を測る1台」を使い分けましょう。

出典:厚生労働省「建築物環境衛生管理基準について」および建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則(空気環境の測定方法)

部屋ごとに測り比べるとわかること

同じ家でも、部屋によって湿度はかなり違います。リビングは暖房がよく効いて室温が高いため湿度計の数字は低めに出やすく、北側の寝室や使っていない部屋は室温が低いため、同じ水蒸気量でも湿度の数字が高めに出ます。リビングだけを測って「乾燥している」と判断し、家全体を加湿すると、寒い部屋で結露が進むことがあります。

寝室は、夜間の呼吸で水蒸気が増え、明け方に外気が最も冷え込むため、結露とカビの出やすい部屋です。就寝前と起床時の湿度を比べると、一晩でどれだけ湿度が上がるかがわかります。上がり幅が大きい場合は、寝室の扉を少し開けておく、換気口を開けておくなどの工夫が役立ちます。

住まいの形によっても傾向は違います。札幌のマンションは上下左右を住戸に囲まれて暖かい一方、気密性が高く湿気がこもりやすいため、北側の居室や窓際、玄関まわりで湿度が高くなりがちです。戸建て住宅では、暖房していない2階の部屋や廊下、階段まわりが冷えやすく、1階で発生した湿気が上がってきて結露することがあります。住まいの形に合わせて、温湿度計を置く場所を選びましょう。

脱衣所や洗面所は入浴後に湿度が急に上がり、その湿気が廊下や隣の部屋に流れていきます。玄関や廊下など暖房の弱い場所は、流れてきた湿気が冷たい壁に触れて結露しやすいため、冬の間に一度は測ってみることをおすすめします。

加湿と換気のバランスを取る

乾燥が気になるときは、加湿器を使う前に、まず換気の状態と室内干しの量を確認しましょう。洗濯物の室内干しは、それだけでかなりの水蒸気を部屋に出します。加湿器と室内干しを同じ部屋で同時に行うと、湿度が上がりすぎて結露につながることがあります。

加湿器を使う場合は、部屋の中央寄りに置き、窓や壁に蒸気が直接当たらないようにします。タンクやフィルターのお手入れは、製品の取扱説明書に従ってこまめに行ってください。湿度の設定ができる機種なら、記録で確かめた「結露しない上限」より少し低めに設定すると安心です。

24時間換気の給気口や換気扇は、寒いからといって止めたり閉じたりしないことが大切です。冬の外気は水蒸気が少ないため、換気は室内の余分な湿気を外に出す役割を果たしています。寒さが気になる場合は、給気口の近くに家具を置かない、暖房の位置を工夫するなどの対策で対応しましょう。

反対に、窓の結露が多いときは、まず湿気の出どころを減らすことから始めます。調理中と調理後しばらくはレンジフードを回す、入浴後は浴室の扉を閉めたまま換気扇を回す、室内干しは除湿機を使う部屋にまとめる、といった工夫だけでも、家全体の湿度は変わってきます。そのうえで、サーキュレーターで窓際や部屋の隅に空気を送り、冷たい面に湿気がとどまらないようにしましょう。

記録の付け方と注意したいサイン

温湿度計の数字は、毎日同じ時間に記録すると変化がつかみやすくなります。最低限、朝起きたときと夜寝る前の2回を記録し、あわせて窓の結露の有無や外の天気もメモしておくと、どんな日に結露が増えるのかが見えてきます。

記録するタイミング

確認すること

判断の手がかり

起床時

寝室の湿度、窓の結露の有無

結露が出た日の前夜の湿度を確認

日中

リビングの温度と湿度

乾燥しすぎていないか確認

入浴・調理の後

脱衣所・キッチンの湿度の戻り方

換気扇を回す時間の目安にする

就寝前

寝室の温度と湿度

加湿器の設定や扉の開け方を調整

記録を続けるなかで、窓だけでなく壁の角や押入れの奥が湿っている、壁紙に黒い点やしみが出てきた、部屋にカビ臭さがあるといった変化に気づいたら、湿気が壁の中や収納の奥にたまっている可能性があります。当社では含水率測定や浮遊菌検査(有料オプション)などで、目に見えない部分の状態を確認し、原因に合わせた対策をご提案しています。

よくある質問

Q. 札幌の冬は何%の湿度を目指せばよいですか。

A. 乾燥しすぎを避ける下限として40%前後を意識し、上限はご自宅の窓や壁が結露し始める湿度を記録で確かめて決めるのがおすすめです。断熱性能によって結露しない上限は家ごとに異なります。

Q. 湿度計の数字が部屋によって大きく違うのはなぜですか。

A. 相対湿度は温度によって変わるためです。同じ水蒸気量でも、室温が低い部屋ほど数字は高く出ます。暖房の弱い部屋は結露しやすいので、部屋ごとに測って比べることが大切です。

Q. 加湿器を使うと必ず結露しますか。

A. 必ずではありません。加湿の量と換気、窓や壁の温度のバランスで決まります。窓の結露が増えるようなら、設定を下げる、置き場所を変える、室内干しと同時に使わないといった調整をしてみてください。

Q. 喉の乾燥がつらいのですが、湿度を上げてもよいですか。

A. 結露が出ない範囲での加湿は問題ありません。寝室の窓や壁の状態を確認しながら調整してください。体調面で気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。

まとめ

札幌の冬の外気は水蒸気が非常に少なく、暖めると相対湿度が大きく下がるため、室内は乾燥しやすくなります。一方で、加湿しすぎると窓や外壁側の冷たい面で結露し、カビの原因になります。湿度の目安は一つの数字ではなく、「乾燥しすぎない下限」と「結露しない上限」の間の幅で考えることが大切です。

そのためには、温湿度計を部屋の中央・床上1m前後に置いて正しく測り、部屋ごとに測り比べ、朝晩の記録を続けることが近道です。数字で状況をつかめば、加湿器や換気の使い方を自信を持って調整できるようになります。拭いても繰り返す結露やカビが気になるときは、専門業者による調査も検討してみてください。

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