top of page

帯広のカビと結露対策|十勝晴れの冬は加湿器の使いすぎ、蒸し暑い夏は閉め切りに注意

10月27日
読了時間: 26分

更新日:1 日前

こんにちは、カビバスターズ北海道です。北海道全域でカビの調査・除去を行っている当社には、帯広市や十勝管内の戸建て住宅にお住まいの方から「冬は空気がカラカラなので加湿器を毎日つけているのに、窓の下の壁紙に黒い点が出てきた」「夏に部屋を閉め切って冷房を使っていたら、押し入れの中がかび臭くなった」といったご相談が寄せられます。十勝といえば、冬でも青空が広がる「十勝晴れ」を思い浮かべる方が多いと思います。晴れて放射冷却が効いた朝は厳しく冷え込み、室内は暖房で乾きやすくなります。ところが夏になると一転して湿度が高く、蒸し暑い日が続きます。一年のうちで「乾きすぎる季節」と「湿りすぎる季節」が両方あることが、この地域の住まいの湿気管理を難しくしています。本記事では、気象庁の平年値で帯広の季節ごとの特徴を確かめたうえで、冬の加湿器の使いすぎによる過加湿と窓・壁の結露、夏の閉め切りと冷房が生む湿気のこもり、季節の変わり目の注意点、ご家庭でできる対策と専門調査の使い分けまでを、現場目線で順に整理します。帯広市内だけでなく、音更町や芽室町、幕別町など周辺のまちで暮らす方にも共通する内容ですので、ご自宅の季節ごとの様子を思い浮かべながら読み進めていただければ幸いです。

この記事の結論 帯広・十勝は冬に晴天が多く冷え込み、夏は湿度が高い地域です。気象庁の平年値をもとに、冬の加湿器の使いすぎによる窓・壁の結露とカビ、夏の閉め切りと冷房による湿気のこもり、季節の切り替え方をわかりやすく解説します。

第1章|帯広・十勝の気候を平年値で見る|冬の十勝晴れと夏の高湿度

結論から言うと、帯広の気候は「冬は晴れて冷え込み、夏は湿度が高い」という季節ごとの差がはっきりしています。カビ対策を考えるときは、年間の平均値だけで判断せず、季節ごとにまったく違う湿気の問題が起きると考えるのが出発点です。ここでは、気象庁が公表している帯広の平年値(統計期間1991〜2020年)から、住まいの湿気に関係する数字を抜き出して確認していきます。

まず日照時間です。気象庁の平年値では、帯広の日照時間は1月が188.2時間、2月が191.5時間、3月が217.9時間となっています。一方で7月は121.9時間、8月は125.2時間で、冬から春先のほうが夏よりも日照が多いことがわかります。年間の日照時間は2020.1時間です。これがいわゆる「十勝晴れ」の数字上の裏付けで、冬の十勝は雪が降り続くというより、晴れた日が多い地域だと言えます。

次に気温です。帯広の日最低気温の平年値は1月がマイナス13.0℃、2月がマイナス12.0℃です。晴れた夜は地面の熱が空へ逃げていく「放射冷却」が起きやすく、朝方に強く冷え込みます。放射冷却とは、雲というふたがないために、地表の熱がそのまま上空へ抜けていく現象のことです。これに対して夏は、8月の日最高気温の平年値が25.4℃、平均気温が20.3℃で、冬との差が非常に大きいのが特徴です。同じ家で暮らしながら、真冬と真夏ではまったく違う空気の中で過ごしていることになります。

そして湿度です。気象庁の平年値では、帯広の平均湿度は1月が69%、2月が67%、3月と4月が65%です。数字だけを見ると「冬もそれほど乾燥していないのでは」と感じるかもしれません。しかし、この値は屋外の相対湿度です。相対湿度とは、その温度の空気が含むことのできる水蒸気の量に対して、実際にどれだけ含んでいるかの割合のことです。氷点下の空気はもともと水蒸気をわずかしか含めないため、その空気を室内に取り込んで暖房で暖めると、割合としての湿度は大きく下がります。冬の室内が乾燥するのは、この仕組みによるものです。

反対に夏は、平均湿度の平年値が6月79%、7月82%、8月82%、9月80%と高い値が続きます。降水量も8月が141.3ミリ、9月が140.2ミリと、一年のなかで多い時期にあたります。気温が上がって空気が多くの水蒸気を含める季節に、湿度そのものも高いということは、室内に入ってくる水蒸気の量が冬とは比べものにならないほど多いということです。

項目(気象庁 帯広の平年値 1991〜2020年)

冬(1月・2月)

夏(7月・8月)

日照時間

1月188.2時間/2月191.5時間

7月121.9時間/8月125.2時間

平均湿度

1月69%/2月67%

7月82%/8月82%

気温の目安

日最低気温 1月−13.0℃/2月−12.0℃

8月 日最高気温25.4℃/平均気温20.3℃

住まいで起きやすいこと

暖房で室内が乾き、加湿しすぎて窓や壁が結露しやすい

湿った外気が入り、閉め切った部屋や収納に湿気がこもりやすい

もうひとつ押さえておきたいのが雪の量です。気象庁の平年値では、帯広の年間の降雪量は198センチ、年最深積雪は71センチとなっています。道内の日本海側の豪雪地帯ほどではないものの、冬の間は窓の外に雪が積もり、吹きだまりができる日もあります。晴れの日が多いとはいえ、寒さと雪で窓を開けて換気する機会は減りやすく、室内の空気が入れ替わりにくい季節であることに変わりはありません。十勝の冬は「日差しは明るいのに、窓は開けられない」という、少し独特な条件の組み合わせになっています。この点が、次章で扱う冬の加湿の問題にもつながっていきます。

このように、帯広・十勝の住まいは「冬は乾燥対策、夏は除湿対策」と、季節によって逆方向の対策が必要になります。当社の現場での傾向としても、冬の相談は窓まわりや外壁側の壁、夏から秋の相談は収納や北側の部屋、床下に関するものが多くなります(当社の現場での傾向であり統計ではありません)。次章からは、それぞれの季節に住まいの中で何が起きているのかを、具体的な場所や暮らし方と結びつけながら詳しく見ていきます。数字はあくまで屋外の平年値ですが、ご自宅の室内の様子と照らし合わせる目安として役立ててください。

第2章|冬の「乾燥」は室内でつくられる|長い暖房期間と加湿器の使いすぎ

冬の帯広で「のどが痛い」「肌がかさつく」「静電気がひどい」と感じて加湿器を使うのは、ごく自然なことです。問題は加湿そのものではなく、加湿の量と場所が住まいの条件に合っていないことにあります。結論として、冬の室内の乾燥は外の空気が乾いているからというより、冷たい外気を暖房で暖めることで生まれています。そして、その乾燥を補おうとして水蒸気を足しすぎると、今度は家の中で最も冷たい場所に水が集まり、結露とカビの原因になります。

北海道の住宅では、暖房期間が概ね10月から4月までと長く、十勝でも一年の半分近くは暖房に頼って暮らしています。暖房が長く続くほど、室内の空気は乾いた状態が続き、加湿器を使う期間も長くなります。当社の現場でよく目にするのが、晩秋に加湿器を出したまま、春先まで同じ設定で運転し続けているご家庭です。外の気温や日差しは日々変わるのに、加湿の量だけが一定のままになっていると、晴れて暖かい日には室内の湿度が上がりすぎることがあります。

ここで大切なのが、室内外の温度差です。帯広の1月の日最低気温は平年値でマイナス13.0℃ですから、暖房の効いた室内と屋外との差は、夜間から朝方にかけて非常に大きくなります。その差を受け止めているのが、窓ガラスやサッシ、外壁に面した壁、天井の隅といった「外に近い面」です。これらの面は室内の空気よりも温度が低くなりやすく、室内の水蒸気が冷やされて水滴になる「結露」が起こります。結露とは、空気が冷やされて含みきれなくなった水蒸気が、水になって表面に現れる現象のことです。

さらに冬の十勝では、窓を開けて空気を入れ替える機会が減りがちです。雪が積もった日や吹きだまりができた日、冷え込みが厳しい朝は、窓を開けること自体をためらう方がほとんどでしょう。24時間換気の吸気口を「寒いから」と閉じてしまうケースも、当社の現場では少なくありません。換気が減った状態で加湿を続ければ、加湿器から出た水蒸気は外へ逃げず、室内にたまっていきます。

冬の室内で起きていること

住まいへの影響

見直しのポイント

冷たい外気を暖房で暖める

割合としての湿度が下がり、乾燥を感じやすい

乾燥を感じる部屋と時間帯を把握する

加湿器を一定の設定で運転し続ける

暖かい日や人が集まる時間に湿度が上がりすぎる

湿度計を見て、運転の強さや時間を調整する

寒さで窓を開けず、吸気口も閉じる

水蒸気の逃げ場がなくなり、室内にたまる

吸気口は開けたままにし、換気設備を止めない

窓や外壁側の壁が冷え込む

その面で結露が起き、水分がたまる

結露が出る場所を朝に確認し、記録しておく

加湿器の置き場所も見落とされがちなポイントです。窓際や外壁に面した壁のすぐそばに加湿器を置くと、吹き出した水蒸気がそのまま冷たい面にぶつかり、局所的に結露が起こります。寝室で一晩中加湿器を運転し、朝起きると窓ガラスがびっしょり濡れていて、カーテンの裾が湿っているという相談は、当社の現場で冬によくあるものです。加湿器は部屋の中央寄りで、壁や窓、家具から離して使うほうが、結露のリスクを抑えやすくなります。寝室では就寝中の運転を弱めにするなど、時間帯に合わせた使い方も考えてみてください。

また、加湿器の種類によっても注意点が変わります。水を加熱して蒸気を出すタイプ、水を含ませたフィルターに風を当てるタイプ、超音波で水を細かい粒にするタイプなど、方式はさまざまです。いずれの方式でも、タンクやフィルターの手入れが不十分だと、内部で雑菌やカビが増えることがあります。取扱説明書に沿って定期的に清掃し、シーズン終わりには十分に乾かしてから保管することが大切です。

乾燥対策は、体調や暮らしやすさのために必要なものです。一方で、健康面の不安がある場合は自己判断で加湿を強めるのではなく、医療機関に相談したうえで室内環境を整えていただくことをおすすめします。住まいの側から見ると、大切なのは「乾燥を感じたら足す」だけでなく、「窓や壁が濡れてきたら減らす」という判断を並行して行うことです。十勝晴れの冬は、日中の日差しで室温が上がりやすく、夜と朝に一気に冷え込むため、同じ一日のなかでも湿度と結露の条件が大きく揺れ動きます。その揺れに合わせて加湿を調整することが、冬のカビ対策の第一歩になります。まずは湿度計を一つ用意し、朝と夜の数字を見比べるところから始めてみてください。

第3章|過加湿が招く窓・壁の結露とカビ|帯広の住宅で起きやすい場所

加湿のしすぎ、つまり「過加湿」の状態が続くと、結露は窓ガラスだけにとどまりません。結論から言うと、冬のカビは「家の中でいちばん冷たく、空気が動きにくい場所」から始まります。窓まわりはわかりやすい例ですが、実際には外壁に面した壁の下のほう、部屋の角、家具の裏、天井と壁の境目など、普段は目に入りにくい場所で進んでいることが多いのです。

窓まわりでは、ガラスの下のほうやサッシのレール、窓枠の木部に水がたまります。朝に拭き取らずにいると、水分が窓枠やゴムパッキン、カーテンに移り、そこに黒い点状のカビが出てきます。とくに日中は十勝晴れで日差しが入り、夜から朝にかけて冷え込むという帯広の冬の条件では、「濡れる」と「少し乾く」を毎日繰り返すことになり、窓枠やカーテンの裾が常に湿り気を帯びた状態になりがちです。

壁のカビで多いのは、外壁に面した壁の下半分と、部屋の四隅です。室内の空気は暖房で温められると上にたまり、床に近いほど、また部屋の角ほど温度が低くなります。そのうえ、ベッドやタンス、本棚などの大きな家具を外壁側の壁にぴったりつけて置いていると、家具の裏には暖かい空気が回りません。当社の現場では、家具を動かしたら壁紙一面に黒いカビが広がっていた、というケースを冬から春にかけて何度も目にしています(当社の現場での傾向であり統計ではありません)。

場所

結露・カビが起きやすい理由

日常でできる確認

窓ガラス・サッシ・窓枠

家の中で最も冷えやすく、水滴が直接たまる

朝に水滴の量を確認し、その日のうちに拭き取る

カーテンの裾・ロールスクリーン

窓の水分を吸い、乾きにくい

裏側や裾に黒い点がないか見る

外壁側の壁の下半分・部屋の角

暖かい空気が届きにくく、表面が冷える

手で触れて冷たさや湿り気を確かめる

家具の裏・ベッドの頭側

空気が動かず、温度が下がる

壁から少し離し、ときどき裏側を確認する

押し入れ・クローゼットの外壁側

閉め切りで空気が動かず、冷えやすい

扉を開けて空気を入れ替え、壁際に物を詰め込まない

住まいの築年数や造りによっても、結露の出方は変わります。断熱や気密の性能が高い比較的新しい住宅では、窓や壁の表面温度が下がりにくい一方で、水蒸気が外へ逃げにくいため、換気が止まると室内全体の湿度が上がりやすくなります。反対に、築年数の経った住宅では、窓や外壁側の壁そのものが冷えやすく、少しの加湿でも表面に水滴が出やすい傾向があります。同じ帯広市内でも、家によって「どこまで加湿してよいか」の加減は異なると考えてください。ご自宅の窓や壁の様子を見ながら、少しずつ調整していくことが大切です。

見えている結露の裏側で、もうひとつ気をつけたいのが「内部結露」です。内部結露とは、室内の水蒸気が壁の中や天井裏に入り込み、断熱材の外側など冷たい部分で水滴になる現象のことです。室内の湿度が高すぎる状態が続くと、壁紙の継ぎ目やコンセントまわり、天井の点検口などのすき間から水蒸気が入りやすくなります。表面にカビが見えていなくても、壁の中で湿気がたまっていることがあり、かび臭さやクロスの浮き、はがれが手がかりになる場合があります。

カビが生えた場所を見つけたとき、すぐに市販の薬剤で強くこすったり、漂白したりする方も多いと思います。表面の黒ずみが薄くなっても、壁紙の裏や石こうボードの内部に根を張ったカビが残っていると、翌年の冬に同じ場所に戻ってくることがあります。また、塩素系の薬剤と酸性の洗剤をまぜると有害なガスが発生するおそれがあるため、製品の使用上の注意をよく読んでお守りください。広い範囲に広がっている場合や、何度も同じ場所に出る場合は、表面の処理だけで済ませず、原因の湿気がどこから来ているのかを確かめることが大切です。

冬の結露とカビへの基本的な向き合い方は、「湿度を上げすぎない」「冷たい面に空気を当てる」「水分が出たらすぐ取る」の三つです。加湿器の設定を見直し、家具を壁から少し離し、窓の水滴を朝のうちに拭き取るだけでも、状況が変わることは珍しくありません。それでも毎年同じ場所に結露やカビが出る場合は、断熱の欠けや換気の不足など、住まいの側に原因があることも考えられます。そうしたときは専門の調査で、見えない部分の状態を確かめる方法があります。これについては第6章で詳しく紹介します。

第4章|夏の十勝は一転して蒸し暑い|閉め切り・冷房と湿気のこもり

「北海道の夏は涼しくてカラッとしている」というイメージを持つ方は多いのですが、十勝の夏は必ずしもそうではありません。第1章で見たとおり、気象庁の平年値では帯広の平均湿度は7月と8月がともに82%、9月も80%と高く、8月の日最高気温は25.4℃です。結論として、帯広の夏は「気温がそれほど高くない日でも湿度が高く、家の中に湿気が入り込みやすい季節」であり、冬とは反対に、水蒸気を外へ出したり取り除いたりする工夫が必要になります。

夏のカビの相談で当社がよく耳にするのが、「暑い日が続いたので部屋を閉め切って冷房をつけていた」「留守にする間は窓を閉めたままだった」というお話です。冷房には空気中の水分を取り除く働きもありますが、つけたり消したりを繰り返したり、冷房の効いていない部屋を閉め切ったりすると、湿った空気が行き場を失ってこもります。とくに、冷房の効いた部屋と効いていない部屋の境目、押し入れやクローゼット、北側の部屋、使っていない和室などに湿気がたまりやすくなります。

夏ならではの結露にも注意が必要です。冷房で冷やされた部屋の壁や家具、エアコンの吹き出し口のまわりに、湿った空気が触れると水滴がつくことがあります。これは冬の窓の結露とは向きが逆で、「冷たい面」が室内側にできることで起こる現象です。また、冷房を長時間使った部屋の床下や、地面に近い1階の収納では、ひんやりとした空気がたまり、そこへ湿った外気が入ることで、じめじめとした状態が続くことがあります。

比較項目

冬の住まい

夏の住まい

湿気の主な出どころ

加湿器、室内干し、調理、人の呼吸など室内

湿った外気が主で、室内の生活で加わる水蒸気も重なる

冷たい面の位置

窓・外壁側の壁など外に近い面

冷房で冷えた壁・家具・床下など室内側

起きやすいトラブル

窓・壁の結露、窓枠やカーテンのカビ

収納・北側の部屋・床下のかび臭さ、家具や衣類のカビ

対策の方向

加湿を控えめにし、換気を止めない

除湿と空気の循環を意識し、閉め切りを避ける

エアコン本体の内部も、夏から秋にかけてカビが増えやすい場所です。冷房運転中のエアコン内部では、熱交換器と呼ばれる部品に水滴がつき、ほこりと水分がそろうことでカビが育ちやすくなります。熱交換器とは、空気を冷やしたり温めたりするために、冷媒の熱を空気に伝える金属の部品のことです。冷房を止めた直後に内部が濡れたままになっていると、次に運転したときにかび臭いにおいが出ることがあります。機種に送風や内部乾燥の機能がある場合は、冷房のあとに使うことも一つの方法です。

夏の湿気対策で大切なのは、家全体の空気を動かすことです。24時間換気は夏も止めずに運転し、吸気口や排気口のフィルターにほこりがたまっていないか確認します。冷房を使う部屋と使わない部屋がある場合は、扉を少し開けたり、サーキュレーターで空気を回したりして、湿気が一か所にとどまらないようにします。窓を開けて換気するなら、外の空気が比較的乾いている時間帯を選ぶのも一つの工夫です。除湿機を使う場合は、収納や北側の部屋など湿気のたまりやすい場所を優先すると効果を感じやすくなります。

夏に見落とされやすいのが、しまい込んだ冬物です。冬の間に使ったコートや布団、革製品、スキー用品などを、十分に乾かさないまま押し入れやクローゼットに詰め込むと、夏の湿気を吸って表面に白いカビやかび臭さが出ることがあります。帰省や旅行で数日間家を空け、閉め切ったまま戻ったら部屋全体がむっとしていた、という相談も当社の現場ではよくあります。長く留守にする前は、収納の扉を少し開けておき、換気設備を止めずに出かけるといった準備だけでも、湿気のこもり方は変わります。

もうひとつ、夏の雨にも目を向けてください。気象庁の平年値では、帯広の降水量は8月が141.3ミリ、9月が140.2ミリで、一年のなかで多い時期にあたります。雨が続くと洗濯物を室内に干す日が増え、窓も開けにくくなります。湿度の高い外気と室内で発生する水蒸気が重なるため、夏から初秋にかけては「冬とは別の理由で家が湿る季節」だと考え、収納の中や家具の裏をときどき確認していただくことをおすすめします。夏の間に一度でも収納の中を点検しておくと、秋に暖房を入れる前の準備もぐっと楽になります。

第5章|寒暖差の大きい一年をどう乗り切るか|加湿と除湿の切り替えカレンダー

ここまで見てきたように、帯広・十勝の住まいには「冬の乾燥と過加湿」「夏の高湿度と閉め切り」という、向きの違う二つの課題があります。結論として、この地域でカビを防ぐうえで最も大切なのは、季節に合わせて加湿と除湿を切り替えるタイミングを意識することです。一年中同じ設定、同じ習慣のままでいると、どこかの季節で無理が出やすくなります。帯広の住まいでは、季節の変わり目こそ暮らし方を見直す合図だと考えていただくとわかりやすいでしょう。

気象庁の平年値で帯広の平均湿度を月ごとに並べると、3月と4月の65%を底に、5月69%、6月79%、7月と8月82%、9月80%と上がっていき、10月74%、11月68%、12月68%と下がっていきます。つまり、春から夏にかけて湿度が上がり、秋から冬にかけて下がるという、はっきりとした一年の波があります。この波に、暖房の季節と冷房の季節が重なることで、室内の湿気の条件が決まっていきます。

時期

帯広の平均湿度(気象庁の平年値)

住まいの湿気管理の目安

12月〜2月

12月68%/1月69%/2月67%

暖房で室内が乾く時期。加湿は控えめに調整し、窓の結露を毎朝確認する

3月〜4月

3月65%/4月65%

日差しが強まり室温が上がりやすい。加湿器の運転を減らし、シーズン終わりの手入れを行う

5月〜6月

5月69%/6月79%

湿度が上がり始める時期。冬物を乾かしてからしまい、除湿機やエアコンの点検をしておく

7月〜9月

7月82%/8月82%/9月80%

一年で最も湿度が高い時期。閉め切りを避け、除湿と空気の循環を意識する

10月〜11月

10月74%/11月68%

暖房が始まる時期。夏にたまった湿気を収納から出し、加湿器は清掃してから使い始める

春の切り替えで意識したいのは、加湿器をやめる時期です。気象庁の平年値では、帯広の3月の日照時間は217.9時間と一年のなかでも多く、日中は日差しで室温が上がりやすくなります。冬と同じ感覚で加湿を続けていると、暖かい日中に湿度が上がり、夜の冷え込みで窓が結露するということが起こりえます。3月から4月にかけては雪解けの時期でもあり、家のまわりの地面や基礎まわりが湿りやすくなるため、床下や1階の収納のにおいにも気を配ってください。

秋の切り替えで意識したいのは、夏の湿気を持ち越さないことです。夏から初秋にかけて収納や床下にたまった湿気が抜けきらないまま暖房シーズンに入ると、暖房で温められた収納の中で湿気が動き、外壁側の冷たい面で結露するという流れが生まれます。暖房を本格的に使い始める前に、押し入れやクローゼットの扉を開けて空気を入れ替え、布団や衣類を乾かしておくことが、冬のカビを防ぐ下準備になります。

加湿器を出す時期にも注意が必要です。前のシーズンにしまった加湿器は、タンクやフィルターに水分や汚れが残っていると、内部でカビが増えていることがあります。使い始める前に取扱説明書に沿って清掃し、においや汚れが気になる場合は部品の交換も検討してください。汚れた加湿器で水蒸気を部屋に送り出すことは、住まいにとっても好ましくありません。

季節の切り替えは、換気設備を見直すよい機会でもあります。24時間換気とは、窓を開けなくても家の空気が少しずつ入れ替わるように、給気と排気を機械や換気口で計画的に行う仕組みのことです。冬は寒さを理由に吸気口を閉じ、夏は冷房の効きを気にして止めてしまうと、どちらの季節でも湿気の逃げ道がなくなります。春と秋の切り替え時期に、吸気口や排気口、換気扇のフィルターにたまったほこりを取り除き、設備が止まっていないかを確認しておくと、次の季節を迎える準備が整います。

こうした切り替えを無理なく続けるために、当社がおすすめしているのは、湿度計を複数の部屋に置き、季節ごとの数字の変化を記録しておくことです。同じ家でも、リビング、寝室、北側の部屋、収納の近くでは湿度が違います。数字を見る習慣がつくと、「今年は加湿しすぎている」「この部屋だけ夏に湿気がこもる」といった傾向が、感覚ではなく目で見てわかるようになります。帯広市や周辺のまちのように季節の差が大きい地域ほど、この記録が役に立ちます。一年分の記録がそろうと、翌年の加湿や除湿の始めどき、やめどきも判断しやすくなります。

第6章|ご家庭でできる対策と専門調査の使い分け|同じ場所に繰り返すカビは原因から

季節ごとの湿気管理を続けても、結露やカビが毎年同じ場所に出る場合があります。結論から言うと、ご家庭でできる対策は「湿気を増やしすぎない」「冷たい面をつくらない」「出た水分をすぐ取る」の範囲までで、壁の中や床下など見えない場所に原因がある場合は、専門の調査で状態を確かめることが近道になります。表面をきれいにしても戻ってくるカビは、どこかに湿気の供給源が残っていることを示していると考えてください。

ご家庭でできる対策として、まず続けていただきたいのは、湿度計による確認、朝の結露の拭き取り、家具を壁から少し離す配置、換気設備を止めない運転、加湿器と除湿機の季節ごとの切り替えです。これらは特別な道具がなくても始められ、ご家族みんなで取り組みやすいうえに、帯広のように冬と夏で条件が大きく変わる地域では、とくに効果を感じやすい習慣です。小さな範囲の表面的なカビであれば、使用上の注意を守ったうえで市販の製品で対処できる場合もあります。

一方で、次のような状態が見られる場合は、専門の調査を検討していただくことをおすすめします。壁紙の同じ場所に毎年カビが出る、壁紙が浮いたりはがれたりしている、部屋や収納に拭き取っても消えないかび臭さがある、床がぶかぶかする、押し入れの外壁側の壁が冬に濡れている、といったサインです。これらは表面だけでなく、壁の中や床下で湿気がたまっている可能性を示すことがあります。

状態

ご家庭での対応

専門調査を検討する目安

窓ガラスの結露

加湿の調整、朝の拭き取り、換気の確認

窓枠や周囲の壁まで濡れ、毎年黒ずみが広がる

壁紙の小さな黒い点

原因の湿気を減らし、注意事項を守って表面を清掃

同じ場所に繰り返す、範囲が広がる、壁紙が浮く

収納のかび臭さ

扉を開けて換気し、中の物を乾かす

換気してもにおいが消えない、外壁側の壁が湿っている

床下・1階の湿っぽさ

床下換気口の前をふさがない

床がぶかぶかする、床下からにおいが上がる

当社の調査では、まず含水率計で壁や床の水分量を測り、どこに水分がたまっているのかを数値で確かめます。含水率とは、木材や建材がどれくらい水分を含んでいるかを示す割合のことです。そのうえで、必要に応じて付着菌検査や浮遊菌検査(有料オプション)でカビの状態を確認し、壁の中や床下はファイバースコープで内部を目視します。ファイバースコープとは、細いカメラを小さな穴から差し込み、壁の中や床下の様子を画面で確認できる機器のことです。原因を確かめてから除去と環境改善の計画を立てることで、表面だけの対処で終わらせない施工につなげます。換気設備の働きに不安がある場合は、給気と排気のバランスを確認することもあります。

当社が採用しているMIST工法®は、素材を傷めにくいことに配慮したカビ除去の方法です。木材や壁材など、住まいの素材に合わせて施工内容を検討します。効果の出方は建物の状態や湿気の原因によって異なるため、施工前の調査と、施工後の暮らし方の見直しを組み合わせることが大切だと考えています。費用は現地の状況により異なりますので、調査のうえでご説明しています。

ご相談の前に準備しておいていただけると役立つのが、結露やカビが出た場所と時期の記録です。スマートフォンで写真を撮り、撮影した日付、そのときの室内の湿度計の数字、加湿器や暖房・冷房の使い方を簡単にメモしておくだけで十分です。「冬の朝に寝室の窓の下だけ濡れる」「夏の終わりに北側の押し入れだけにおう」といった情報があると、調査の際にどこから確かめるべきかを絞り込みやすくなります。帯広のように季節の差が大きい地域では、冬と夏の両方の記録があると、原因の見当をつける大きな手がかりになります。記録は完璧でなくてもかまいませんので、気づいたときに残しておいてください。

調査や検査の内容をもう少し詳しく知りたい方は、以下のシリーズ記事もあわせてご覧ください。冬の加湿器の使い方そのものについては、室内の水蒸気の発生源を扱った記事で整理しています。

関連記事:加湿器・観葉植物・ペットとカビ|見落とされがちな室内の水蒸気発生源

まとめ|帯広のカビ対策は「冬は加湿しすぎない、夏は閉め切らない」から

帯広・十勝の住まいは、冬と夏で湿気の条件が大きく入れ替わる地域にあります。気象庁の平年値(1991〜2020年)では、帯広の日照時間は1月188.2時間、2月191.5時間と冬に多く、日最低気温は1月にマイナス13.0℃まで下がります。一方で夏の平均湿度は7月・8月ともに82%と高く、8月の降水量は141.3ミリです。冬は晴れて冷え込み、暖房で室内が乾く。夏は湿った空気が入り込み、閉め切った部屋や収納に湿気がこもる。この寒暖差と湿度の差の大きさこそが、十勝の住まいのカビ対策を考えるうえでの出発点です。

冬の対策の中心は、加湿の量と場所を住まいに合わせることです。暖房期間が概ね10月から4月と長く、雪や冷え込みで窓を開けにくい北海道の冬は、加湿器を長く使うことになります。乾燥を感じたら加湿を足すのと同じように、窓や外壁側の壁が濡れてきたら減らすという判断を並行して行い、加湿器は窓や壁から離して使ってください。家具を壁から少し離し、窓の水滴を朝のうちに拭き取り、24時間換気を止めないことも、冬の結露とカビを抑える基本です。

夏の対策の中心は、閉め切りを避けて家全体の空気を動かすことです。冷房を使う部屋と使わない部屋の間に空気の流れをつくり、収納や北側の部屋、床下のにおいに気を配ります。冬物は乾かしてからしまい、長く留守にする前は収納の扉を少し開けておくと安心です。エアコン内部の手入れや、冷房後の送風・内部乾燥の活用も、夏から秋にかけてのかび臭さを防ぐ手立てになります。

そして一年を通して意識していただきたいのが、加湿と除湿の切り替えのタイミングです。春は日差しが強まるころに加湿器の運転を減らし、秋は暖房を本格的に使う前に夏の湿気を収納から出しておく。湿度計を複数の部屋に置き、季節ごとの数字を記録しておくと、ご自宅ならではの傾向が見えてきます。それでも毎年同じ場所に結露やカビが出る場合は、見えない場所に原因があるかもしれません。壁の中や床下で湿気がたまっている場合、表面の掃除や薬剤だけでは同じことが繰り返されやすくなります。気になるサインを見つけたら、写真と日付、室内の湿度の記録を残したうえで、早めに状態を確かめることをおすすめします。季節の差が大きい地域だからこそ、冬と夏の両方の様子を知っておくことが、住まいを長く大切に使うことにつながります。

ここで、帯広・十勝のお客様からよくいただくご質問にお答えします。

Q. 冬は加湿器を使わないほうがよいのでしょうか?

A. 加湿器を使うこと自体が悪いわけではありません。乾燥がつらいときに加湿するのは自然なことです。大切なのは、湿度計で室内の様子を確かめながら運転の強さや時間を調整し、窓や壁が濡れてきたら加湿を控えめにすることです。体調面での不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

Q. 夏に冷房をつけていれば、除湿機は必要ありませんか?

A. 冷房には空気中の水分を取り除く働きがありますが、冷房の効いていない部屋や収納、床下などには湿気が残ることがあります。家の中で湿気がこもりやすい場所がある場合は、除湿機やサーキュレーターを組み合わせ、空気を動かすことを意識してください。どの方法が合うかは住まいの造りや暮らし方によって異なります。

カビバスターズ北海道では、含水率測定や各種の菌検査、ファイバースコープによる内部の確認などの調査から、MIST工法®によるカビ除去、カビが生えにくい環境づくりのご提案までをワンストップで行っています。原因を確かめたうえで、住まいの素材や状態に合わせた施工内容をご提案し、施工後の湿気管理についてもアドバイスいたします。費用は現地の状況により異なりますので、調査のうえで丁寧にご説明します。帯広市や十勝管内をはじめ、札幌・旭川・函館・釧路・北見など北海道全域に対応しております。冬の窓や壁の結露、夏の収納のかび臭さ、毎年同じ場所に戻ってくる黒い点など、季節ごとの気になる症状がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。※菌検査は施工前に行う有料オプションです。


あわせて読みたい


カビバスターズ北海道(MPソリューション株式会社)

所在地:〒064-0807 北海道札幌市中央区南7条西1丁目6-2

受付時間:平日9:00〜18:00(土日祝休み)

対応エリア:札幌市(中央区・北区・東区・白石区・豊平区・南区・西区・厚別区・手稲区・清田区)をはじめ、石狩・小樽・千歳・苫小牧・旭川・函館など北海道全域。地域ごとの対応は対応エリアをご覧ください。

料金の目安は料金ページ、札幌市内のご依頼は札幌市のカビ取りをご覧ください。帯広市のご依頼は帯広市のカビ取りもご覧ください。

コメント


bottom of page
電話090-8957-8975 LINE相談写真1枚でOK メール24時間受付