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24時間換気のフィルター掃除と給気口の手入れ|札幌の冬に換気を止めない実務

10月11日
読了時間: 12分

更新日:15 時間前

寒くなってくると、壁の給気口から冷たい風が入ってくるのが気になり、閉じてしまったり、テープでふさいでしまったりする家があります。札幌のように冬の外気が氷点下になる地域では、その気持ちはよくわかります。ただ、給気口を閉じたまま冬を過ごすと、窓や北側の部屋の結露が増え、カビの相談につながることが少なくありません。

この記事では、24時間換気が何のためにあるのかを国の基準から確かめたうえで、冬に換気を止めないための実務として、フィルター掃除の手順、外側の給気口や排気口の点検、寒さを和らげる工夫を順に整理します。戸建て住宅でもマンションでも、住まいの換気の仕組みを知って手入れをするための手引きとしてお使いください。

換気設備の分解や部品の交換は、機種によって方法が異なります。作業の前に必ず取扱説明書を確認し、わからない場合は販売店やメーカー、管理会社に相談してください。

この記事の結論 24時間換気は、2003年の改正建築基準法で設置が原則義務付けられた設備で、住宅の居室では1時間に部屋の空気の半分が入れ替わる換気回数0.5回/h以上が求められています。札幌の冬の外気は室内より水蒸気がずっと少ないため、換気は室内の余分な湿気を外へ出す大切な役割を担っています。

24時間換気は何のためにあるのか

2003年7月に施行された改正建築基準法により、シックハウス対策として、住宅を含む居室のある建築物には原則として機械換気設備の設置が義務付けられました。住宅の居室では換気回数0.5回/h以上の機械換気設備が必要とされており、これは1時間あたりに部屋の空気の半分が入れ替わることを意味します。いわゆる24時間換気システムです。

出典:国土交通省「建築基準法に基づくシックハウス対策について」、国土交通省パンフレット「シックハウス対策のための規制導入 改正建築基準法」

もともとの目的は、建材や家具から出る化学物質を室内にためないことですが、換気には湿気を外へ出す働きもあります。人の呼吸、調理、入浴、洗濯物の室内干しなどで、住まいの中では毎日多くの水蒸気が生まれます。気密性の高い住宅ほど、機械換気が止まると水蒸気の逃げ道が少なくなり、窓や外壁の冷えた面に結露として現れます。

住まいの換気方式には、給気と排気の両方を機械で行う第1種換気、排気だけを機械で行い、給気は壁の給気口から自然に取り入れる第3種換気などがあります。札幌の戸建て住宅やマンションでは、壁に丸い給気口があり、浴室やトイレ、洗面所の換気扇で排気する第3種換気がよく見られます。第1種換気では、排気の熱を給気に移す熱交換型の機器が使われることもあります。

換気方式

給気

排気

主に手入れする場所

第1種換気

機械(給気ファン)

機械(排気ファン)

本体のフィルター、熱交換素子、室内の吹出口と吸込口

第3種換気

壁の給気口から自然に

機械(換気扇)

給気口のフィルター、浴室・トイレ等の換気扇

共通

外壁の給気フード

外壁の排気フード

雪・霜・虫の巣・ほこりによる詰まり

冬に給気口を閉じると何が起こるか

冬の換気で押さえる3点

第3種換気の住宅で給気口を閉じると、換気扇は回っていても外気の入り口が減るため、計画した量の換気ができなくなります。空気は玄関ドアのすき間や、レンジフードを回した時に別の経路から無理に入ってくるようになり、ドアが重くなる、排水口からにおいが上がるといった症状が出ることもあります。

湿気の面では、換気量が減ると室内の水蒸気が外へ出にくくなります。冬の札幌の外気は、水蒸気の量で見ると室内よりずっと少ないため、換気は室内の湿気を捨てる役割を担っています。下のグラフは、気象庁の平年値から外気1m³に含まれる水蒸気の量を計算し、室温20℃・湿度50%の室内と比べたものです。

札幌の外気1m³に含まれる水蒸気量と室内(20℃・50%)の比較

図:札幌の外気1m³に含まれる水蒸気量と室内(20℃・50%)の比較。11月から4月は、外気に含まれる水蒸気が室内(20℃・50%)より少なくなります。この時期の換気は、室内の余分な湿気を外へ出す働きをします。 出典:気象庁「過去の気象データ検索」札幌 平年値(1991〜2020年)の平均蒸気圧・平均気温から算出した計算値(容積絶対湿度=216.7×蒸気圧÷絶対温度)。室内はMagnus式による計算値

出典:気象庁「過去の気象データ検索」札幌 平年値(1991〜2020年)をもとにした計算値

1月の外気に含まれる水蒸気は1m³あたり約2.7gで、20℃・50%の室内(約8.6g)の3分の1ほどです。たとえば延べ床面積100m²、天井高2.4mの住まい(容積240m³)で換気回数0.5回/hの換気が行われると、1時間に120m³の空気が入れ替わります。室内を20℃・50%に保っていると仮定すると、計算上は1時間に約0.7kgの水蒸気を外へ出していることになります。給気口を閉じると、この湿気の逃げ道が細くなり、行き場をなくした水蒸気が窓や外壁側の冷えた面で結露します。

出典:計算値(容積240m³、換気回数0.5回/h、室内20℃・50%、外気は1月の平年値からの計算値を仮定。実際の住まいでは条件により異なります)

給気口フィルターの掃除手順(第3種換気)

壁の給気口には、ほこりや虫の侵入を防ぐフィルターが入っています。フィルターが目詰まりすると空気が通りにくくなり、給気口を開けていても換気量が落ちます。掃除の頻度は機種や住まいの周りの環境によりますが、取扱説明書の目安に従い、少なくとも季節の変わり目ごとに一度は確認することをおすすめします。札幌では、暖房を本格的に使い始める前の10月ごろが点検によい時期です。

  1. 給気口のカバーを取扱説明書に従って外す(回す・引くなど機種で異なる)

  2. フィルターを取り出し、色と汚れの具合を確認する

  3. 乾いたフィルターの表面のほこりを掃除機で吸い取る

  4. 水洗いできる物は表示に従って洗い、陰干しでよく乾かす

  5. 給気口の内側とカバーのほこりを拭き取る

  6. 乾いたフィルターを戻し、カバーを取り付けて開いた状態にする

フィルターが黒ずんで洗っても落ちない、形が崩れている、破れているといった場合は、交換の時期です。交換用のフィルターは給気口のメーカーと型番に合う物を選びます。マンションでは共用部分の設備と一体になっている場合もあるため、型番がわからない時は管理会社に確認してください。

掃除のついでに、給気口のまわりの壁紙も見ておきましょう。給気口は冬の冷たい外気の入り口なので、まわりの壁が冷えやすく、室内の湿気が触れると結露することがあります。黒い点やシミがあれば、写真を撮って日付を残し、次の点検の時に広がっていないかを比べると変化がわかります。

浴室やトイレ、洗面所の換気扇にほこりがたまっていると、排気の量も落ちます。換気扇のカバーや羽根の掃除も、給気口の掃除とあわせて行うと、換気の流れ全体が整います。作業の前には、換気扇の電源を切ってから始めてください。

第1種換気(熱交換型)の手入れ

第1種換気の住まいでは、天井裏や収納の中に換気の本体があり、その中に給気と排気のフィルターが入っています。給気側のフィルターは外気のほこりや花粉、排気側は室内のほこりを受け止めるため、どちらも時間とともに汚れます。フィルターの点検口の位置や外し方は機種によって違うので、取扱説明書で確認してから作業します。

熱交換型の機器には、排気の熱を給気に移す熱交換素子という部品があります。手入れの方法は、掃除機で表面のほこりを吸うだけでよい物、水洗いできない物など、機種によって異なります。取扱説明書に書かれていない方法で洗うと、部品を傷めることがあるため注意してください。本体の内部に結露やカビが見られる場合は、自分で分解せず、メーカーや設置した会社に点検を依頼するのが安全です。

室内の天井や壁にある吹出口と吸込口も、ほこりがたまりやすい場所です。吹出口のまわりの天井が黒ずんでいる場合、室内のほこりが気流で付いていることが多いのですが、長く続く場合は点検の際に相談してみてください。

換気が働いているかを家庭で確かめる方法

フィルターを掃除したら、換気がきちんと働いているかも確かめておきましょう。専門的な測定をしなくても、家庭でわかる手がかりはいくつかあります。第3種換気の住まいであれば、換気扇を回した状態で、給気口の前に薄いティッシュペーパーを近づけてみてください。ティッシュが給気口の側から室内へふわりとなびけば、外気が入ってきています。まったく動かない場合は、フィルターや外側のフードの詰まり、換気扇の停止などが考えられます。

ほかにも、玄関ドアや窓がいつもより重く感じる、レンジフードを回すと排水口からにおいが上がる、浴室の鏡の曇りがなかなか取れない、といった変化は、換気の流れが滞っている合図になることがあります。こうした変化に気づいたら、まず換気扇が回っているか、給気口が開いているかを確かめ、それでも変わらなければ、住宅の施工会社や管理会社に相談してください。

温湿度計の数字も手がかりになります。冬の朝、寝室の窓がいつもより結露している、部屋の湿度が60%を超える日が続く、といった場合は、換気量が足りていない可能性があります。給気口とフィルターの点検の前後で数字を記録しておくと、手入れの効果を確かめることができます。

  • 給気口の前でティッシュがなびくかを見る

  • 換気扇のスイッチが入っているか、止まっていないかを確かめる

  • ドアの重さや排水口のにおいの変化に注意する

  • 冬の朝の窓の結露と室内の湿度を記録する

札幌の冬特有の点検|外側の給気・排気フード

室内の給気口やフィルターがきれいでも、外壁側の給気口や排気口のフードがふさがっていると、換気は十分に働きません。札幌の冬は、積雪や屋根からの落雪で低い位置のフードが埋まる、吹き付けた雪が中に入る、排気の湿気がフードのまわりで凍って霜や氷になる、といったことが起こります。

時期

外側で起こりやすいこと

確認と対応

10〜11月

夏の間の虫の巣、落ち葉、ほこり

外から見える範囲で詰まりを確認する

12〜2月

積雪・落雪で低い位置のフードが埋まる

除雪の際にフードのまわりの雪をよける

12〜2月

排気の湿気で霜や氷が付く

氷が厚い時は無理に割らず、施工会社へ相談

3〜4月

雪解け水の跳ね返り、泥汚れ

フードのまわりを確認し、汚れを落とす

高い位置のフードやベランダの外側など、手の届かない場所の作業は、転落の危険があるため行わないでください。マンションの外壁の設備は共用部分であることが多く、管理会社を通して点検を依頼するのが基本です。

除雪の際は、家のまわりの外壁を一周して、給気・排気のフードの位置を覚えておくと安心です。雪山を外壁際に積み上げると、フードをふさいだり、外壁の下部を長く湿らせたりすることがあります。雪の置き場所を外壁から少し離すだけでも、換気と外壁の両方を守ることにつながります。

寒さを和らげながら換気を続ける工夫

給気口から入る風が冷たいのは、冬の外気がそのまま入ってくるためです。換気を止めずに寒さを和らげるには、空気の入り方と、入った空気が暖まる経路を工夫します。給気口の前に背の高い家具を置いてふさがない、ソファやベッドを給気口の真下や真正面に置かない、といった配置の見直しだけでも、冷たい風が体に当たる感じは変わります。

  • 給気口の前をふさがず、座る場所や寝る場所を給気口の正面から外す

  • 給気口に風向きを変えられるルーバーがあれば、天井方向に向ける

  • 寒冷地向けの給気口やフィルターへの交換を、販売店や施工会社に相談する

  • 暖房の暖かい空気が給気口付近にも届くよう、家具の配置を見直す

  • どうしても寒い時は開度を小さくする機種もあるが、閉じたままにしない

給気口を閉じていた部屋で結露やカビがすでに出ている場合は、給気口を開けると同時に、窓や壁のカビの状態を確かめてください。拭いても繰り返す、壁紙の裏まで広がっているように見える、押入れや北側の部屋がカビ臭いといった場合は、見えない場所で湿気がたまっていることがあります。当社では含水率測定や浮遊菌検査(有料オプション)で状況を確かめ、必要な場合は、素材を削ったり強くこすったりせず、素材に合わせて調整した専用剤でカビを分解・除去し、仕上げに除菌を行うMIST工法®で対応しています。

よくある質問

Q. 24時間換気は電気代がかかるので、冬の間だけ止めてもよいですか。

A. 24時間換気は建築基準法にもとづいて設置されている設備で、止めると化学物質や湿気が室内にたまりやすくなります。冬の札幌では、湿気の逃げ道がなくなることで結露やカビにつながりやすいため、止めずに運転を続けることをおすすめします。

Q. 給気口のフィルターは、どのくらいの頻度で掃除すればよいですか。

A. 機種や住まいの周りの環境によって異なるため、取扱説明書の目安に従ってください。目安がわからない場合は、季節の変わり目ごとに一度フィルターを取り出して汚れを確かめ、汚れの具合に合わせて頻度を調整するとよいでしょう。

Q. 給気口のまわりの壁紙が黒くなっています。カビでしょうか。

A. 外気のほこりが気流で付いた汚れの場合と、冷えた給気口のまわりで結露してカビが出ている場合があります。拭き取って落ちるか、湿っていないか、においがあるかを確かめ、繰り返す場合は点検をご相談ください。

まとめ

24時間換気は、2003年の改正建築基準法で設置が原則義務付けられた設備で、住宅の居室では1時間に部屋の空気の半分が入れ替わる換気回数0.5回/h以上が求められています。札幌の冬の外気は室内より水蒸気がずっと少ないため、換気は室内の余分な湿気を外へ出す大切な役割を担っています。

給気口は閉じずに開けておき、フィルターを定期的に掃除し、外側のフードが雪や霜でふさがっていないかを確かめる。寒さは家具の配置や給気口の向き、寒冷地向けの部品への交換で和らげる。この3つを押さえることで、冬の結露とカビを減らしながら、換気を止めずに過ごすことができます。

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