札幌のマンション部屋選びとカビ|北向き・角部屋・1階・最上階の結露リスクの違い
更新日:22 時間前
マンションやアパートの部屋を選ぶとき、間取りや駅からの距離、日当たりや眺望を重視する方は多いと思います。ところが、札幌のように冬の寒さが厳しい地域では、同じ建物の中でも部屋の位置によって、結露やカビの起きやすさが大きく変わることはあまり知られていません。
住み始めてから「角部屋を選んだら冬の結露がひどかった」「1階の押入れがかび臭い」「最上階の天井の隅が黒くなってきた」と気づくケースは少なくありません。部屋の位置による特徴を知っておけば、物件選びの判断材料になるだけでなく、住み始めてからの対策も立てやすくなります。
この記事では、札幌の住まいに占める共同住宅の割合を確認したうえで、北向き・南向き、角部屋・中住戸、1階・中間階・最上階の違いを、結露とカビの視点から整理します。内見のときに確認したいチェック表と、位置ごとの住まい方の工夫もまとめました。
この記事の結論 札幌では住まいの約3分の2が共同住宅で、多くの人がマンションやアパートの部屋選びを経験します。同じ建物でも、北向き・角部屋・1階・最上階など、外気に接する面の数や日当たりによって、結露とカビの起きやすさは変わります。
札幌の住まいの約3分の2は共同住宅
札幌市が公表している住宅・土地統計調査の結果によると、2023年10月時点で、居住世帯のある住宅は約96万7千戸で、そのうち共同住宅は約62万2千戸、割合にして64.3%を占めています。一戸建は33.8%で、札幌では住まいの約3分の2がマンションやアパートなどの共同住宅ということになります。

図:札幌市の住宅に占める共同住宅の割合の推移。札幌市では共同住宅の割合が40年間で上がり続け、2018年・2023年はいずれも64.3%です。市内の住まいの約3分の2がマンション・アパートなどの共同住宅です。 出典:札幌市まちづくり政策局「令和5年『住宅・土地統計調査』結果の概要」(総務省 住宅・土地統計調査、居住世帯のある住宅)
共同住宅の割合は1983年の51.0%から一貫して上がってきました。また、同じ調査では、住宅の所有関係を見ると借家が47.2%を占めています。住み替えの機会が多い賃貸住宅も含め、札幌では多くの人が「どの部屋を選ぶか」という判断をくり返していることがわかります。
出典:札幌市まちづくり政策局「令和5年『住宅・土地統計調査』結果の概要」(2024年10月)
共同住宅では、上下左右の住戸が暖房していることで、戸建てに比べて部屋の温度が保たれやすいという利点があります。一方で、外気に接する面の数や方角は住戸ごとに違うため、同じ建物でも結露の出方には差が生まれます。次の章から、位置ごとの特徴を見ていきましょう。
部屋の位置で結露のしやすさが変わる理由
結露は、室内の暖かく湿った空気が、露点より冷たい面に触れたときに起きます。冬の札幌では、外気に接している壁や窓、屋上の床板(スラブ)の下の天井などが冷えやすい面です。つまり、外気に接する面が多い部屋ほど、冷たい面が多く、結露が起きやすくなります。
両隣と上下を他の住戸に囲まれた中住戸の中間階は、外気に接するのが主にバルコニー側と廊下側の2面だけです。これに対して角部屋は側面の壁も外気に接し、最上階は天井が屋上に、1階は床が地面やピロティ(柱だけで壁のない1階部分)に接しています。これらの住戸では、冷える面が1〜2面増えることになります。
もう一つの要素が日当たりです。南向きの部屋は冬でも日中に日射で窓や壁が温まりますが、北向きの部屋は日射がほとんど入らず、壁や窓が冷えたままの時間が長くなります。北向きの角部屋の最上階のように、条件が重なるほど結露への注意が必要になります。

住戸の位置 | 冷えやすい面 | カビが出やすい場所 | 注意の目安 |
中間階の中住戸 | バルコニー側・廊下側 | 窓まわり、北側の部屋 | 比較的少ない |
角部屋 | 側面の外壁が加わる | 外壁側の部屋の隅、家具の裏 | やや多い |
1階 | 床(地面・ピロティ側) | 床の隅、押入れの下段、収納の床 | やや多い |
最上階 | 天井(屋上スラブ) | 天井と外壁の境目、押入れの天井 | やや多い |
北向きの部屋 | 日射のない外壁と窓 | 窓枠、カーテンの裏、壁の下部 | 条件が重なると多い |
北向き・南向き:日当たりと結露
南向きの部屋は、冬でも晴れた日には日差しが部屋の奥まで入り、窓や床、壁が温まります。日中に結露が乾きやすく、洗濯物も乾かしやすいため、湿気がたまりにくい傾向があります。ただし、日が落ちてからは南向きの窓も冷えるため、夜間から朝にかけての結露は方角に関係なく起こりえます。
北向きの部屋は、日射で温まる時間がほとんどなく、窓や外壁が一日中冷えた状態になりやすい部屋です。寝室や子ども部屋として使われることが多く、夜間の呼吸による湿気や、閉め切った状態が重なると、窓枠やカーテンの裏、ベッドや家具の裏の壁にカビが出やすくなります。
間取りを選ぶときは、北側の部屋をどう使うかを考えておくとよいでしょう。北側の部屋を物置のように閉め切って使うと、暖房が届かず冷え込みが強くなります。寝室にする場合は、暖房の届き方と換気のしかた、家具の配置をあらかじめ想定しておくと、住み始めてからのトラブルを減らせます。
角部屋と中住戸:外気に接する面の数
角部屋は窓が多く明るい、隣戸と接する面が少なく静か、といった理由で人気がありますが、結露とカビの面では中住戸より条件が厳しくなりがちです。側面の外壁が外気に接し、特に部屋の角は外壁が2面で交わるため熱が逃げやすく、局所的に冷えやすい場所です。
角部屋でカビが出やすいのは、外壁側の部屋の隅、外壁に沿って置いたタンスや本棚の裏、外壁側にある押入れやクローゼットの奥です。家具で覆われた壁は暖房の暖かさが届かず、室内の湿気だけが入り込んで結露します。側面の窓が増える分、窓まわりの結露の量も多くなる傾向があります。
中住戸は冷える面が少ない一方で、窓が少ない分だけ風が通りにくく、湿気がこもりやすい面もあります。浴室や洗面所が住戸の中央にあり窓がない場合は、換気扇の運転と24時間換気の維持がとくに重要です。どの位置の部屋にも、それぞれの弱点があると考えておきましょう。
なお、部屋の位置による差がどれくらい出るかは、建物全体の断熱のしかたにも左右されます。外壁の外側を断熱材で包んだマンションでは、角部屋や最上階でも壁や天井が冷えにくく、位置による差は小さくなる傾向があります。反対に、築年数が古く断熱が弱い建物では、位置による差が大きく出やすいため、物件選びでは建物の断熱についても管理会社や売主に確認しておくと参考になります。
1階・中間階・最上階:上下の位置と結露
1階の住戸は、床の下が地面や駐車場、ピロティになっていることがあり、床が冷えやすい位置です。床に近い押入れの下段や、床に直接置いた収納の底、ベッドの下などに湿気がたまりやすく、かび臭さの原因になることがあります。建物の周りに植栽や雪山があると、窓や外壁の周りの湿気が抜けにくいこともあります。
最上階の住戸は、天井の上が屋上になっており、冬は屋上のスラブを通して天井が冷やされます。天井と外壁が交わる部分は特に冷えやすく、帯状の黒ずみが出ることがあります。押入れやクローゼットの天井、北側の部屋の天井の隅も確認しておきたい場所です。夏は屋上からの熱で室温が上がりやすい点も特徴です。
中間階は上下の住戸にはさまれているため、床と天井からの冷えが少なく、結露の面では有利な位置です。ただし、上下の住戸が空室で暖房していない場合には、床や天井が冷えやすくなることがあります。どの階でも、外壁側の壁や窓まわりの結露には注意が必要です。
札幌ならではの確認ポイント:暖房と雪
札幌のマンションでは、窓の下にパネルヒーターを設置したセントラルヒーティングや、各住戸のFF式暖房など、建物によって暖房の方式が異なります。窓の下に暖房がある部屋は、窓から下りてくる冷気を暖めて窓まわりの結露を和らげる効果が期待できます。内見時には、暖房器具がどの部屋のどの位置にあるかも確認しておきましょう。
また、1階の住戸では、冬に建物の周りに積まれた雪山が窓をふさぎ、窓まわりが冷えたり換気がしにくくなったりすることがあります。バルコニーに雪が積もると、給気口や換気扇の外側の開口部がふさがれることもあるため、どの階でもバルコニーの雪の扱いは管理規約や管理会社の案内に従って確認しておくと安心です。
内見で確認したいカビ・結露のチェックポイント
部屋を選ぶときには、日当たりや間取りに加えて、結露やカビの跡を確認しておくと安心です。内見が夏や秋の場合は結露そのものは見られませんが、過去の結露の跡は窓枠や壁紙に残っていることがあります。次の表を参考に、気になる点は写真を撮って管理会社や売主に質問してみましょう。
確認する場所 | 見るポイント | 位置との関係 |
窓枠・サッシの下部 | 黒ずみ、木枠のしみや変色 | 北向き・角部屋で要注意 |
部屋の隅・天井と壁の境目 | 壁紙のしみ、張り替え跡 | 角部屋・最上階で要注意 |
押入れ・クローゼットの奥 | 壁や床のしみ、におい | 外壁側・1階の収納で要注意 |
浴室・洗面所 | 天井の黒い点、換気扇の動作 | 窓のない中住戸で要注意 |
給気口・換気扇 | 閉じたまま・汚れの有無 | すべての位置で確認 |
内見のときには、部屋に入った瞬間のにおいも手がかりになります。閉め切った空室は多少こもったにおいがあるものですが、押入れを開けたときや北側の部屋に入ったときに、はっきりとしたかび臭さを感じる場合は、その場所を重点的に確認しましょう。暖房の方式や、冬の結露について管理会社に質問しておくのもおすすめです。
住み始めてからできる位置別の工夫
どの位置の部屋を選んでも、住まい方の工夫で結露とカビはかなり減らすことができます。共通する基本は、外壁に家具をぴったりつけず5〜10cmほど離すこと、24時間換気の給気口を閉じないこと、室内の湿度を上げすぎないこと、結露した窓は朝のうちに拭き取ることです。
北向きの部屋:ドアを開けて暖気が届くようにし、カーテンは窓から少し離す
角部屋:外壁側に大きな家具を置かず、押入れにはすのこを敷いて壁との間をあける
1階:収納やベッドの下に空間をつくり、床に物を直接置きっぱなしにしない
最上階:天井の隅や押入れの天井を冬の間ときどき確認し、黒ずみがあれば早めに相談
窓のない水まわり:換気扇を入浴後もしばらく回し、扉を開けて乾かす
冬のあいだは、位置ごとの弱点になる場所を決めて、定期的に確認する習慣をつけておくと、カビを早い段階で見つけられます。下の表を点検の目安にしてください。
住戸の位置 | 冬に重点的に見る場所 | 確認の頻度の目安 |
北向き・角部屋 | 外壁側の家具の裏、窓枠、カーテンの裏 | 2週間に1回程度 |
1階 | 押入れの下段、ベッド下、床の隅 | 月に1回程度 |
最上階 | 天井と外壁の境目、押入れの天井 | 月に1回程度 |
中住戸 | 浴室・洗面所の天井、換気扇まわり | 月に1回程度 |
それでもカビがくり返し出る場合や、壁紙の裏まで湿っている疑いがある場合は、賃貸であれば早めに管理会社へ相談し、分譲であれば専門の調査を検討しましょう。当社では、含水率測定や付着菌検査(有料オプション)などで湿りとカビの範囲を確認したうえで、対処方法をご提案しています。MIST工法®は、素材を削ったり強くこすったりせず、素材に合わせて調整した専用剤でカビを分解・除去し、仕上げに除菌を行う方法です。
市販のカビ取り剤を使う場合は、製品の表示に従い、換気と手袋などの保護具を確保してください。塩素系と酸性の製品を混ぜたり続けて使ったりすると有毒なガスが発生するおそれがあります。賃貸住宅では、壁紙などを傷める前に管理会社に相談するのが安心です。
よくある質問
Q. 角部屋は必ず結露しますか?
A. 建物の断熱性能や住まい方によって大きく変わるため、一概にはいえません。外気に接する面が多い分、中住戸より結露しやすい条件にあると考えて、家具の配置や換気を工夫すると安心です。
Q. 1階と最上階ではどちらがカビに注意が必要ですか?
A. 1階は床まわりや収納の下段、最上階は天井と外壁の境目と、注意する場所が違います。どちらを選ぶ場合も、その位置の弱点を知って点検すれば、早めに対処できます。
Q. 内見が夏なので結露の様子がわかりません。どうすればいいですか?
A. 窓枠の黒ずみや壁紙の張り替え跡、押入れのにおいなど、過去の結露の跡を確認しましょう。前の入居者の時期の結露の状況を管理会社に質問してみるのも一つの方法です。
まとめ
札幌では住まいの約3分の2が共同住宅で、多くの人がマンションやアパートの部屋選びを経験します。同じ建物でも、北向き・角部屋・1階・最上階など、外気に接する面の数や日当たりによって、結露とカビの起きやすさは変わります。
部屋を選ぶときは、位置ごとの弱点を知ったうえで内見時に結露の跡を確認し、住み始めてからは家具の配置や換気でその弱点を補うことが大切です。気になるカビや結露が続くときは、早めに管理会社や専門業者に相談しましょう。
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