札幌の玄関フード・玄関・靴箱のカビ対策|雪で濡れた靴と風除室の湿気
更新日:23 時間前
札幌の冬、玄関は家の中で最も水分が持ち込まれる場所のひとつです。雪の日に歩いた靴やスノーブーツ、傘、コートの肩に積もった雪は、玄関に入った瞬間から溶けはじめ、床や靴箱、玄関フードの中に水分を残していきます。
そのうえ玄関は、暖房の効いた居室から離れていて、外気の影響を強く受ける場所です。温度が低く換気も少ないため、持ち込まれた水分が乾きにくく、靴箱の奥や玄関フードの隅、土間のタイル目地などに、春先になってカビやにおいが目立つことがあります。
この記事では、北海道の住まいに多い玄関フード(風除室)を含め、玄関と靴箱にカビを出さないための具体的な習慣と、点検しておきたい場所を整理します。靴そのもののカビへの対処や、相談の目安についても触れます。
この記事の結論 札幌の玄関は、冬の間ずっと雪という形で水分が持ち込まれ、しかも温度が低く乾きにくい場所です。玄関フードや靴箱にカビが出るのは、持ち込まれた水分と結露による水分が、空気の動かない場所に溜まり続けることが原因です。
札幌の玄関にカビが出やすい理由
カビが育つには水分が欠かせません。札幌の玄関には、冬の間、雪という形で毎日のように水分が運び込まれます。気象庁の平年値では、札幌の降雪の深さの合計は12月が113cm、1月が137cm、2月が116cm、3月が74cmで、冬の4か月間はほぼ毎月1メートル前後の雪が降る計算になります。

図:札幌の月別降雪量(平年値)。札幌では12月から3月にかけて毎月まとまった雪が降ります。この4か月間は、靴や衣類が雪で濡れて玄関に水分が持ち込まれる期間と重なります。 出典:気象庁「過去の気象データ検索」札幌 平年値(統計期間1991〜2020年)降雪の深さ月合計
雪は玄関に入ると溶けて水になりますが、玄関は暖房の効きが弱く、室温が低いため、溶けた水がなかなか乾きません。さらに、靴箱は扉を閉めた箱の中で空気が動かず、濡れた靴をしまうと湿気がこもります。靴の中敷きや革、布地には汗や皮脂などの汚れも付いており、カビの栄養源になります。
また、玄関ドアや玄関フードのガラス、土間のタイルは、外気に冷やされて表面温度が低くなりやすい部分です。室内側から流れてきた暖かく湿った空気がふれると結露し、その水分が床や壁の下端に流れて溜まります。冬の玄関は、外から持ち込まれる水分と、結露による水分の両方を抱えているのです。
出典:気象庁「過去の気象データ検索」札幌 平年値(統計期間1991〜2020年)
玄関フード(風除室)の結露と湿気の特徴
玄関フードは、玄関ドアの外側をガラスやアルミサッシで囲った小さな空間で、北海道では雪や冷たい風が直接玄関に吹き込むのを防ぐために多くの戸建て住宅に設けられています。暖房は入っていないことが多く、屋外と室内の中間の温度になります。
玄関フードの中は、外から見るとただの通路ですが、冬は濡れた靴や傘、スコップ、スノーダンプ、灯油缶、子どものそりなどが置かれ、雪が溶けた水が床に溜まりやすい空間です。サッシのすき間や屋根との取り合いから雪が吹き込んだり、屋根の雪解け水が伝ってきたりすることもあります。
玄関ドアを開けるたびに室内の暖かく湿った空気がフードの中に流れ込み、冷えたガラスやサッシの枠で結露します。朝にはガラスが凍りつき、日中に溶けて枠の下に水が溜まる、ということを冬の間繰り返します。フードの床にマットや段ボールを敷いたままにしていると、その下が乾かず、春先に黒ずみやカビが見つかることがあります。
玄関フードでチェックしたい場所
サッシの下枠やレールに水や氷が溜まっていないか、黒ずみがないか
床に敷いたマットや段ボールの裏が湿っていないか
屋根や外壁との取り合いから水が染みたあと(シミ)がないか
置いている傘立てや長靴、スコップの下に水が溜まっていないか
玄関ドアの下枠やドア側面のパッキンに結露やカビがないか
雪で濡れた靴とブーツを乾かす手順
靴箱のカビを防ぐうえで最も大切なのは、濡れた靴をその日のうちに靴箱にしまわないことです。表面が乾いて見えても、靴の中や中敷きの下、縫い目には水分が残っています。靴箱に入れるのは、しっかり乾いたことを確認してからにしましょう。

玄関フードに入る前に、靴やブーツの雪を払い落とし、上着の雪も外で落とします。
玄関に入ったら、靴の表面の水気をタオルで拭き取ります。
中敷きが取り外せる場合は取り出し、靴とは別に乾かします。
靴の中に新聞紙などを丸めて詰め、湿気を吸わせます。湿ったら取り替えます。
暖房の効いた部屋に近い場所で、つま先を少し上げて立てかけるなど、風が通る置き方で乾かします。
早く乾かしたいからといって、ストーブの前やドライヤーの熱風を近くから当て続けると、革や接着部分が傷んだり変形したりすることがあります。靴の素材ごとの手入れ方法は、メーカーの表示や取扱説明に従ってください。靴用の乾燥機を使う場合も、対応する素材を確認してから使いましょう。
冬に毎日履く靴は、2足以上を交互に履くと、1足をしっかり乾かす時間がとれます。通勤や通学で毎日同じブーツを履いていると、乾ききらないまま翌朝また履くことになり、中敷きや内側のボア部分に湿気とにおいがたまりやすくなります。
靴箱(下駄箱)の湿気対策と収納のコツ
靴箱は扉を閉めた狭い空間に多くの靴を詰め込むため、湿気の逃げ場がありません。とくに作り付けの靴箱で、壁側が外壁に面している場合は、冬に背板の裏側が冷えて結露し、奥の靴だけカビが出るということも起こります。
靴箱の湿気対策の基本は、入れる靴の量を減らすことと、定期的に扉を開けて空気を入れ替えることです。シーズンオフの靴はしまう前に汚れを落として十分に乾かし、通気性のある袋や箱に入れておきます。靴箱の棚板には新聞紙などを敷き、湿ったりにおったりしたら取り替えると、湿り具合の目安にもなります。
靴箱の状態 | 起こりやすいこと | 対策 |
靴がぎっしり詰まっている | 空気が動かず湿気がこもる | オフシーズンの靴を別の場所へ移す |
濡れた靴をすぐしまう | 中敷きや内側にカビ・におい | 一晩以上乾かしてからしまう |
背板が外壁に面している | 冬に背板の裏が冷えて結露 | 背板から靴を少し離して置く |
扉をほとんど開けない | 湿気とにおいがこもる | 晴れた日に扉を開けて換気 |
除湿剤を置きっぱなし | 水が満杯になり効果が落ちる | 表示に従い定期的に交換 |
市販の除湿剤や脱臭剤は、補助としては役立ちますが、濡れた靴を毎日しまう状態では追いつかないことがあります。除湿剤の容器に水が溜まったら、製品の表示に従って交換してください。また、置き場所が靴の陰になっていると空気にふれにくくなるため、棚の手前や空いたスペースに置くのがおすすめです。
玄関・土間・靴箱の季節別チェック表
玄関まわりのカビは、冬に持ち込まれた水分が原因でも、目立ってくるのは雪解けから春にかけてということがよくあります。季節ごとに見ておきたいポイントを整理しておくと、早めに気づくことができます。
時期 | 玄関で起こりやすいこと | やっておきたいこと |
10〜11月 | 初雪前、秋雨で靴が濡れる | 靴箱の中身を整理し、冬靴を点検 |
12〜2月 | 雪の持ち込みと結露が最も多い | 濡れた靴を乾かす、フードの水を拭く |
3〜4月 | 雪解け水、フードの床の湿り | マットをはがして床と靴箱を点検 |
5〜6月 | 冬靴をしまう時期 | 汚れを落とし乾かしてから収納 |
7〜9月 | 湿度が高く靴箱にカビが出やすい | 扉を開けて換気、除湿剤を確認 |
特に3月から4月の雪解けの時期は、玄関フードの床や土間の目地、玄関マットの裏などに水分が残っていることが多く、見落としやすいタイミングです。冬の間に置いていたマットや段ボールは一度すべて取り除き、床をよく乾かしてから敷き直しましょう。
7月から9月にかけては札幌でも平均湿度が70%を超える月が続き、靴箱の中でカビが育ちやすい時期です。冬にしまい込んだブーツやオフシーズンの革靴に白い粉のようなカビが出ていないか、夏の終わりに一度確認しておくと安心です。
出典:気象庁「過去の気象データ検索」札幌 平年値(統計期間1991〜2020年)平均湿度
玄関の空気を動かし、湿気をためない工夫
靴や靴箱の手入れと合わせて見直したいのが、玄関そのものの空気の流れです。札幌の住宅では、玄関と廊下の間にドアがあり、冬は寒さを防ぐために閉め切っていることが多いと思います。暖かさを保つには有効ですが、玄関側は空気がほとんど動かず、室温も低いままになるため、持ち込まれた水分が乾かない原因にもなります。
帰宅後しばらくは、濡れた靴や上着を玄関に置いたまま閉め切るのではなく、暖かい部屋に近い場所へ移して乾かしましょう。雪で濡れたコートや手袋、帽子を玄関のフックに掛けたままにすると、玄関の湿度がさらに上がります。衣類は室内の風通しのよい場所で乾かし、玄関には水分の出るものをできるだけ残さないことが大切です。
玄関に24時間換気の給気口や小さな換気扇がある住宅では、冬に寒いからと閉じてしまうと、玄関の空気がこもりやすくなります。給気口は閉じずに使うことを基本とし、冷気が気になる場合は、住宅会社や設備の取扱説明書で調整の方法を確認してください。玄関に置いた温湿度計で、冬の間の湿度の変化を見ておくと、乾きやすい日と乾きにくい日の違いがわかりやすくなります。
玄関の湿気をためないための工夫
濡れたコートや手袋は玄関に掛けたままにせず、室内で乾かす
傘は玄関フードで水を切り、広げずに傘立ての水受けをこまめに空にする
玄関マットは週に一度は裏返して、床と一緒に乾かす
玄関の給気口を閉じっぱなしにしない
温湿度計を置いて、冬の玄関の湿度の変化を把握する
カビが出てしまった靴・靴箱の対処と相談の目安
靴にカビが出てしまった場合は、まず屋外やベランダなど風通しのよい場所で、マスクと手袋を着けて表面のカビを乾いた布や柔らかいブラシでそっと払い落とします。室内で払うと胞子が玄関や部屋に広がるおそれがあります。その後、素材に合ったクリーナーで手入れをし、陰干しで十分に乾かします。革製品の手入れは、メーカーや専門店の案内に従ってください。
カビが出た靴と同じ靴箱に入っていた靴も、念のため一足ずつ取り出して確認してください。見た目にカビがなくても、カビ臭さが移っていることがあります。においが強い靴は、よく乾かしてから別の場所で保管し、しばらく様子を見るとよいでしょう。
靴箱の内部にカビが出ている場合は、中の靴をすべて出し、棚板や内壁を固く絞った布で拭き、よく乾かします。拭き取りに使う薬剤は、靴箱の素材に使えるかどうかを製品の表示で確認してください。塩素系の製品は色落ちや素材の傷みにつながることがあり、酸性タイプの製品と混ざると有害なガスが発生する危険があります。
拭き取ってもすぐに再発する、靴箱の背板や玄関の壁紙の裏まで黒ずんでいる、玄関フードの屋根や壁との取り合いから水が染みているといった場合は、表面の掃除だけでは解決しないことがあります。カビバスターズ北海道では、含水率測定で壁や床の湿り具合を確認し、必要に応じて付着菌検査(有料オプション)やファイバースコープで壁の内側を確認したうえで、原因と対処方法をご説明しています。
よくある質問
Q. 玄関フードの中に灯油缶や除雪道具を置いていても大丈夫ですか。
A. 置くこと自体は問題ありませんが、道具についた雪が溶けて床に水が溜まりやすくなります。下にトレーやすのこを置いて水を受け、晴れた日には床の水を拭き取り、乾かす時間をつくると湿気がこもりにくくなります。
Q. 靴箱の扉を開けっぱなしにしておくのは効果がありますか。
A. 空気が入れ替わるため湿気はこもりにくくなります。ただし、冬の玄関は温度が低く、湿った空気が流れ込むと冷えた背板で結露することもあります。詰め込みを減らし、濡れた靴を入れないことと組み合わせるのが効果的です。
Q. 玄関フードのガラスが毎朝凍っています。問題ありませんか。
A. 室内の暖かく湿った空気がフードに流れ込み、冷えたガラスで結露・凍結している状態です。溶けた水がサッシの下枠や床に溜まるため、晴れた日に拭き取る習慣をつけましょう。枠や床に黒ずみが広がる場合は、早めに点検することをおすすめします。
Q. 子どものスノーブーツが毎日乾きません。どうすればよいですか。
A. 中敷きやインナーが外せるタイプなら、外して別々に乾かすと乾きが早くなります。靴の中に新聞紙を詰め、湿ったら寝る前に一度取り替えるのも効果的です。可能であれば予備の靴を用意し、1日おきに履き替えると、1足ごとに乾かす時間を確保できます。
まとめ
札幌の玄関は、冬の間ずっと雪という形で水分が持ち込まれ、しかも温度が低く乾きにくい場所です。玄関フードや靴箱にカビが出るのは、持ち込まれた水分と結露による水分が、空気の動かない場所に溜まり続けることが原因です。
雪は玄関フードに入る前に落とす、濡れた靴はその日のうちに靴箱へしまわない、靴箱の中を詰め込みすぎず定期的に風を通す、この三つを冬の習慣にすることで、春先にカビを見つけることは少なくなります。雪が降りはじめる前の今の時期に、靴箱の中身を整理し、玄関フードの床やサッシの状態を一度確認しておきましょう。
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