札幌のキッチン・シンク下のカビ対策|冷たい水道管の結露と小さな漏水の見つけ方
更新日:16 時間前
キッチンのシンク下の収納を開けたとき、むわっとしたカビ臭さを感じたり、底板に黒いシミや白っぽい粉のようなものを見つけたりしたことはないでしょうか。シンク下は、給水管・給湯管・排水管が集まり、扉を閉めて暗く、空気が動きにくい場所です。キッチンの中でもカビが最も育ちやすい場所のひとつです。
シンク下が湿る原因は、大きく分けて二つあります。ひとつは、冷たい水が通る給水管の表面に空気中の水蒸気が水滴となって付く「結露」、もうひとつは、配管の継ぎ目や排水ホースからのわずかな「漏水」です。どちらも少量ずつ長い期間続くため、気づいたときには底板の裏までカビが広がっていることがあります。
この記事では、札幌の水道水の温度と露点温度の関係から、シンク下で結露が起こる仕組みを説明し、結露と漏水の見分け方、収納の見直し方、調理中の換気の工夫までを、ご家庭で確認しやすい順にまとめます。
この記事の結論 シンク下のカビは、冷たい給水管の結露と、配管の継ぎ目や排水ホースからの小さな漏水が主な原因です。札幌の水道水は年平均でも11℃台と冷たく、湿度の高いキッチンでは給水管の表面が露点を下回りやすいため、結露は珍しいことではありません。
シンク下がカビやすいキッチンの環境
キッチンは、調理中の湯気、食器洗いのお湯、炊飯器や電気ケトルの蒸気など、家の中でも水蒸気が多く発生する場所です。その湿った空気は、扉のすき間からシンク下の収納にも入り込みます。収納の中は光が届かず、空気の入れ替えもほとんどないため、一度入り込んだ湿気が抜けにくい環境です。
さらにシンク下には、洗剤やスポンジのストック、ゴミ袋、米びつ、調味料、鍋などが詰め込まれがちです。紙製の箱や段ボールは湿気を吸いやすく、カビの栄養源にもなります。調味料の液だれや食品のくずも、カビにとっては栄養になります。
札幌の住宅では、冬に窓を閉め切り、暖房で室温を上げて過ごす時間が長くなります。キッチンで発生した水蒸気が外へ逃げにくく、夜間に室温が下がると、冷えた壁や配管の表面で結露が起こりやすくなります。キッチンが北側にある間取りや、シンクが外壁に面している間取りでは、シンク下の背板も冷えやすくなります。
冷たい給水管で起こる結露の仕組み
空気中の水蒸気は、ある温度より冷たいものにふれると水滴になります。この温度が露点温度です。シンク下の給水管には、水を使うたびに水道水が流れ、管の表面は水道水の温度に近づきます。管の表面温度がキッチンの空気の露点温度より低ければ、管の表面に水滴が付きます。
札幌市水道局が公表している令和6年度の白川浄水場給水栓水の水温は、5.1℃から19.9℃の範囲で、平均は11.4℃です。一方、室温20℃・湿度60%のキッチンの露点温度は、計算上約12℃になります。つまり、平均的な水温の水道水が流れるだけで、管の表面は露点を下回り、結露が起こり得る計算です。

図:キッチンの室温・湿度別の露点温度。給水管の表面温度がこの露点より低いと、管の表面に結露します。札幌の水道水は年平均11.4℃のため、湿度が高いキッチンでは多くの季節で結露が起こり得ます。 計算値(Magnus式による近似)。参考:札幌市水道局「水質検査結果」令和6年度 白川浄水場給水栓水の水温 5.1〜19.9℃(平均11.4℃)
調理中や食器洗いの後は、室温も湿度も上がります。室温24℃・湿度70%では露点温度は約18℃まで上がり、ほとんどの季節で水道水が露点より冷たい状態になり得ます。とくに冬は水道水の温度が下がるため、湿度が低めでも結露しやすくなります。ただし、水を使っていない時間は管の温度が室温に近づくので、結露は水を使った直後に集中するのが特徴です。
給水管の結露は、1回あたりは少量でも、毎日の炊事のたびに繰り返されます。水滴が管を伝って床に落ち、底板の同じ場所を湿らせ続けると、底板の合板の表面や裏側にカビが広がります。配管に保温材が巻かれていても、保温材の継ぎ目やすき間、途中で途切れた部分で結露が起こることもあります。
出典:札幌市水道局「水質検査結果」(令和6年度 白川浄水場給水栓水 水温)、露点温度は計算値(Magnus式による近似)
結露か漏水かを見分けるチェック方法
シンク下が湿っているとき、まず確かめたいのは、それが結露なのか、漏水なのかです。結露であれば、換気や収納の見直し、保温材の補修で改善が見込めますが、漏水であれば、修理をしない限り湿り続けます。対処の方向が大きく違うため、見分けることが大切です。

見分けるための簡単な方法は、シンク下の収納の中身をすべて出し、配管の継ぎ目や床に乾いたキッチンペーパーを敷いて、時間を置いて確認することです。水を使わない時間帯(例えば夜寝る前から翌朝まで)にペーパーが濡れていれば、漏水の可能性が高くなります。水を使った直後に管の表面だけが濡れ、しばらくすると乾く場合は、結露の可能性が高いと考えられます。
確認すること | 結露の場合 | 漏水の場合 |
湿るタイミング | 水を使った直後に集中 | 水を使わない時間も湿る |
水滴の場所 | 給水管の表面全体 | 継ぎ目・ナット・ホース接続部 |
水の量の変化 | 季節や湿度で増減 | 日によらずじわじわ続く |
お湯を使ったとき | 給湯管はほとんど濡れない | 給湯管の継ぎ目からも出ることがある |
水道メーター | 変化なし | 全ての蛇口を閉めてもパイロットが回る |
水道メーターのパイロット(小さな回転部分)は、家じゅうの蛇口を閉め、トイレや給湯器なども使っていない状態で確認します。パイロットが少しずつでも回っている場合は、どこかで水が漏れている可能性があります。シンク下以外の場所の漏水も含まれるため、心当たりがなければ水道工事店に相談しましょう。
シンク下で見ておきたい場所
給水管・給湯管と止水栓のナット部分に水滴やサビ、白い跡がないか
蛇口の根元(シンクの天板の裏側)から水が伝っていないか
排水トラップや排水ホースの差し込み口がずれていないか
食器洗い乾燥機や浄水器の接続部が濡れていないか
底板にふくらみ、変色、ぶかぶかした感触がないか
ビルトインの食器洗い乾燥機や、蛇口一体型・据え置き型の浄水器を後から取り付けたキッチンでは、分岐水栓やホースの接続部が増えるため、漏水の確認箇所も増えます。取り付けから年数がたっている場合は、接続部のパッキンやホースの劣化も確認しましょう。食器洗い乾燥機の運転中や運転直後に、シンク下や本体の下が湿っていないかを見るのも有効です。
排水ホースと排水口まわりの湿気とにおい
シンク下のカビ臭さの原因として見落としやすいのが、排水ホースと床下の排水管の接続部です。多くのキッチンでは、シンクからの排水ホースが床に開けた排水管に差し込まれ、その周りを防臭用のキャップやパッキンでふさいでいます。このすき間がずれていたり、パッキンが劣化していたりすると、床下の湿った空気や下水のにおいが上がってきます。
床下からの湿った空気がシンク下に入り込むと、収納の中の湿度が上がり、カビが育ちやすくなります。排水ホースの差し込み口の周りに黒いカビや汚れが集まっている場合は、このすき間を疑ってみてください。防臭キャップがずれている程度であれば元の位置に戻すことで改善することもありますが、ひび割れなどがある場合は部品の交換が必要です。
また、排水トラップ(シンクの下でS字やU字になった部分)に汚れがたまると、排水の流れが悪くなり、ホースの接続部から水がにじむ原因になります。排水口の掃除は製品の表示に従ったパイプクリーナーなどで定期的に行いましょう。塩素系のパイプクリーナーは、酸性タイプの洗浄剤と混ざると有害なガスが発生するため、続けて使わないよう注意が必要です。
シンク下の収納の見直しと日頃の手入れ
原因を確かめたうえで、シンク下の収納そのものも見直しましょう。ものを減らして空気が通るすき間をつくり、湿気を吸う段ボールや紙箱は使わないことが基本です。ストック品はプラスチックのケースにまとめ、底板との間にすのこや脚付きのラックを入れると、底板が乾きやすくなります。
見直すポイント | カビやすい状態 | おすすめの状態 |
置いているもの | 段ボール・紙箱・米袋 | プラスチックケースに移し替える |
置き方 | 底板にぎっしり直置き | すのこやラックで底板との間にすき間 |
配管まわり | 配管に物が触れている | 配管の周囲をあけて確認しやすく |
床の保護 | 敷いたシートを敷きっぱなし | 定期的にはがして底板を確認 |
扉 | いつも閉めたまま | 週に一度は扉を開けて換気 |
底板に防水シートやアルミシートを敷いているご家庭も多いと思いますが、シートの下に水が入り込むと、かえって乾きにくくなり、気づかないうちに底板がカビていることがあります。敷く場合も、月に一度はシートをはがして底板の状態を確認してください。
給水管の保温材が破れていたり、すき間ができていたりする場合は、ホームセンターなどで手に入る配管用の保温材で補修できることもあります。ただし、配管の種類や住宅の状況によって適した方法は異なるため、不安な場合は設備業者に相談しましょう。
調理中の換気で室内の湿度を上げすぎない
シンク下の結露を減らすには、キッチン全体の湿度を上げすぎないことも大切です。調理を始めるときにはレンジフード(換気扇)を回し、煮物や鍋料理、炊飯など湯気が多い調理の後もしばらく運転を続けましょう。レンジフードは油汚れでフィルターが詰まると吸い込みが弱くなるため、製品の取扱説明書に従って定期的に掃除します。
冬の札幌では、寒さのために換気を控えがちですが、レンジフードを回すと、その分だけ外の空気を取り込む必要があります。24時間換気の給気口を閉じていると、レンジフードの吸い込みが弱くなり、湯気が室内に残りやすくなります。給気口は閉じずに使い、必要に応じて調理中だけ窓を少し開けて空気の通り道をつくるとよいでしょう。
食器を洗った後の水切りかごや、濡れたふきんをシンクまわりに置いたままにしておくことも、キッチンの湿度を上げる原因になります。洗い終わった食器は早めに拭いて片づけ、ふきんは乾きやすい場所に干すようにしましょう。
専門業者に相談したほうがよいシンク下のカビ
底板の表面に少しカビが出ている程度であれば、中身を出して拭き取り、よく乾かしたうえで湿気の原因を取り除けば、落ち着くことも多くあります。拭き取りに薬剤を使う場合は、素材に使えるか製品の表示を確認してから使ってください。
一方、底板がふくらんでいる、底板の裏や背板の奥まで黒い、キッチンの床や隣の壁にまでシミが広がっている、下の階の天井にシミが出ている(マンションの場合)といった状態は、長い期間にわたって水が回っていた可能性があります。このような場合は、まず水道工事店や管理会社に漏水の点検と修理を依頼し、水の供給を止めることが先決です。
漏水の修理が終わった後も、床下や壁の内部に湿気が残っているとカビが広がり続けることがあります。カビバスターズ北海道では、含水率測定で床や壁の乾き具合を確かめ、必要に応じて付着菌検査(有料オプション)やファイバースコープで見えない部分の状況を確認したうえで、除カビの範囲と方法をご提案しています。MIST工法®では、素材を削ったり強くこすったりせず、素材に合わせて調整した専用剤でカビを分解・除去し、仕上げに除菌を行います。
よくある質問
Q. シンク下に除湿剤を置けば、結露は防げますか。
A. 除湿剤は収納内の湿気を減らす補助にはなりますが、給水管の表面温度が露点より低い限り、結露そのものは起こります。配管の保温材の補修や、キッチンの換気、収納のすき間づくりと組み合わせて使うことをおすすめします。
Q. 冬だけシンク下が濡れているのはなぜですか。
A. 冬は水道水の温度が下がるため、給水管の表面がより冷たくなり、結露が起こりやすくなります。暖房で室温が上がり、調理の湯気で湿度も上がっていると、結露の量が増えることがあります。水を使っていない時間にも濡れているなら、漏水も疑ってください。
Q. シンク下のにおいが気になりますが、カビは見当たりません。
A. 排水ホースの差し込み口のすき間から、床下の湿った空気や下水のにおいが上がっている可能性があります。防臭キャップのずれやパッキンの劣化を確認してください。底板の裏や背板の奥など、見えない場所にカビがある場合もあります。
Q. 賃貸住宅でシンク下が濡れているのに気づきました。自分で修理してもよいですか。
A. 賃貸住宅の設備は、まず管理会社や大家さんに連絡するのが基本です。濡れている場所や底板の状態を写真に撮り、いつ気づいたかを記録しておくと、状況を正確に伝えやすくなります。漏水が続いている場合は、止水栓を閉めて被害の拡大を防ぎましょう。
まとめ
シンク下のカビは、冷たい給水管の結露と、配管の継ぎ目や排水ホースからの小さな漏水が主な原因です。札幌の水道水は年平均でも11℃台と冷たく、湿度の高いキッチンでは給水管の表面が露点を下回りやすいため、結露は珍しいことではありません。
まずは収納の中身を出し、キッチンペーパーを使って結露か漏水かを見分けること、収納を詰め込まず底板との間にすき間をつくること、調理中の換気を続けることから始めてみてください。底板のふくらみや広い範囲の黒ずみがある場合は、漏水の修理を優先し、そのうえで内部の乾き具合やカビの広がりを確認することが大切です。
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