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札幌のタワーマンション結露とカビ対策|高層住宅で冬に注意したい場所と暮らし方

10月19日
読了時間: 13分

更新日:17 時間前

札幌駅周辺や大通、創成川イーストなど中央区・北区を中心に、20階を超えるタワーマンションや高層マンションが年々増えています。眺望や利便性、セキュリティの高さに惹かれて住み替えた方から、「最初の冬に窓がびっしょり濡れた」「北側の寝室のクローゼットで衣類にカビが出た」という相談をいただくことがあります。

高層マンションは鉄筋コンクリート造で気密性が高く、一般的な木造住宅とは湿気のこもり方や結露が出る場所が違います。さらに高層階は風が強く、窓を大きく開けにくい、バルコニーに洗濯物を干せないといった暮らし方の制約もあり、室内の水蒸気が逃げにくくなりがちです。

この記事では、札幌中心部の高層住宅に住む方と、購入・入居を検討している方に向けて、タワーマンション特有の結露とカビの出方、冬の暮らし方で気をつけたい点、管理組合や管理会社に相談すべきケースを整理します。

この記事の結論 札幌中心部のタワーマンションや高層マンションは、気密性の高さ、大開口の窓、窓開け換気のしにくさ、室内干しの増加といった条件が重なり、冬に結露やカビが出やすい面があります。特に、外壁側の柱・梁まわり、外壁に面したクローゼット、北側や角部屋の寝室は、定期的に確認しておきたい場所です。

タワーマンション・高層マンションで結露が起きやすい理由

結露は、空気中の水蒸気が冷たい面に触れて水滴になる現象です。室内の空気が暖かく湿っているほど、そして窓や壁の表面が冷たいほど結露は起きやすくなります。札幌の冬は外気が氷点下になる日が多いため、外気に接する窓ガラスやサッシ、外壁に面した壁の室内側は温度が下がり、結露の条件がそろいやすくなります。

高層マンションには、結露を起こしやすくする特徴がいくつか重なっています。まず気密性が高いこと。すき間風が少ないので暖房効率は良い反面、料理・入浴・洗濯・人の呼吸で発生した水蒸気が外に抜けにくく、換気設備が十分に働かないと室内の湿度が上がります。

次に、窓が大きいことです。タワーマンションは眺望を重視して床から天井近くまでの大開口ガラスを採用する例が多く、冷える面の面積そのものが大きくなります。ガラスの性能が高くても、サッシの枠部分や、ガラスの下端は温度が下がりやすく、ここから水滴が垂れて窓台や床に水が溜まることがあります。

さらに、高層階は風圧が大きいため、窓の開き方が制限されていたり、そもそも開閉できないFIX窓(はめ殺し窓)が多かったりします。窓開け換気がしにくく、換気は24時間換気システムに頼る割合が大きくなります。

  • 気密性が高く、室内で発生した水蒸気が抜けにくい

  • 大開口の窓・サッシが冷えて結露面が広い

  • 高層階は強風で窓開け換気がしにくい

  • 洗濯物の外干し禁止などで室内干しが増えやすい

  • 柱・梁など外気側のコンクリートが冷えて局所的に結露しやすい

住戸の中で結露・カビが出やすい場所

同じタワーマンションでも、住戸の位置や間取りによって結露の出やすい場所は変わります。当社が札幌市内の高層住宅で相談を受ける際に、まず確認するのは次のような場所です。

場所

起きやすいこと

確認のポイント

大開口の窓・サッシ下枠

ガラス下端と枠に水滴、窓台や床の濡れ

朝の水滴量、パッキンの黒い点

外壁側の柱・梁の出っ張り

角の部分だけ壁紙が黒ずむ

家具の裏、天井との取り合い

外壁に面したクローゼット

衣類・バッグの白いカビ、カビ臭

壁との距離、扉を閉め切っていないか

北側・角部屋の寝室

夜間の暖房停止で壁が冷え結露

ベッドの頭側、カーテンの裏

内廊下側の水回り

窓がなく湿気がこもる

浴室換気扇の運転時間、給気の有無

床置きの家具・収納ケース

床との間に湿気が溜まる

底面のカビ、床材の変色

特に注意したいのが、外壁側にある柱や梁のまわりです。鉄筋コンクリートは断熱材に比べて熱を伝えやすく、外気で冷やされた柱・梁の部分だけ室内側の表面温度が下がることがあります。この現象は「熱橋(ねっきょう、ヒートブリッジ)」と呼ばれ、壁紙の角だけが黒ずむ、天井と壁の境目に点々とカビが出るといった形で現れます。

外壁に面したウォークインクローゼットも要注意です。扉を閉めたままの収納は暖房の熱が届きにくく、外壁側の壁が冷えたまま湿気だけが入り込みます。衣類をぎっしり詰めて壁に密着させていると、壁の結露と衣類の湿気が重なり、カビが出やすくなります。

一方、内廊下型のマンションでは、玄関側の部屋や水回りに窓がないことが多く、浴室やトイレ、洗面所の湿気は換気扇だけが頼りです。換気扇のフィルターが目詰まりしていると排気量が落ち、湿気が室内に残りやすくなります。

要点整理:高層住宅の結露対策の考え方

高層住宅の結露対策は、「水蒸気を出しすぎない」「こもらせない」「冷たい面をつくらない」の三つに分けて考えると整理しやすくなります。どれか一つだけではなく、暮らし方と設備の使い方を組み合わせることが大切です。

高層住宅の結露対策3つの視点

たとえば、加湿器を強めに使いながら24時間換気を止めてしまうと、水蒸気は増え、逃げ場もなくなります。逆に、換気を回していても家具が外壁にぴったり付いていれば、その裏側は冷えたままです。自宅の状況に合わせて、三つの視点のどこが弱いかを見直してみてください。

室温と湿度から見る「結露が始まる温度」

結露が起きるかどうかは、室内の空気の「露点温度」と、窓や壁の表面温度の関係で決まります。露点温度とは、その空気を冷やしていったときに水滴ができ始める温度のことです。表面温度が露点温度を下回った場所で結露が起きます。

下のグラフは、室温20℃・22℃・24℃のときに、相対湿度ごとの露点温度を計算したものです。高層マンションは暖房が効きやすく、冬でも室温22〜24℃程度で過ごすご家庭が少なくありません。室温が高いと同じ湿度でも空気中の水蒸気量が多くなるため、露点温度も高くなります。

室温別・相対湿度と露点温度の関係

図:室温別・相対湿度と露点温度の関係。表面温度がこの露点温度を下回ると結露します。室温が高いほど、同じ湿度でも結露し始める温度は高くなります。 出典:計算値(Magnus式による近似。係数 a=17.62、b=243.12℃)

出典:計算値(Magnus式による近似。係数 a=17.62、b=243.12℃)

計算上、室温22℃・湿度50%の空気の露点温度は約11℃、湿度60%では約14℃になります。札幌の真冬の朝、外気に接するサッシ枠や窓ガラスの下端、外壁側の柱まわりの表面が10℃台前半まで下がることは珍しくないため、湿度が60%前後まで上がると結露が出やすいと考えられます。

ここで大事なのは、「湿度を下げればよい」と単純に考えるのではなく、室温とセットで見ることです。室温を上げすぎると相対湿度は下がって見えますが、水蒸気の量自体は変わらないため、冷たい窓際ではやはり結露します。温湿度計はリビングの中央だけでなく、窓際や北側の部屋にも置き、実際に結露する場所の近くの数字を確認するのがおすすめです。

室温

湿度40%

湿度50%

湿度60%

20℃

約6℃

約9℃

約12℃

22℃

約8℃

約11℃

約14℃

24℃

約10℃

約13℃

約16℃

出典:計算値(Magnus式による近似、小数点以下四捨五入)

札幌の冬に高層住宅で実践したい暮らし方

タワーマンションは設備が充実している分、使い方しだいで結露の出方が大きく変わります。ここでは、札幌の冬に今日からできる具体的な対策をまとめます。

24時間換気は止めない・給気口は閉じない

2003年7月に施行された建築基準法のシックハウス対策により、それ以降に建てられた住宅には原則として24時間換気設備の設置が義務づけられています。冬は給気口から冷たい空気が入るため閉じたくなりますが、給気口を閉じると排気がうまく働かず、湿気がこもる原因になります。寒さが気になる場合は、給気口の向きを調整したり、家具の配置を工夫したりして、止めずに使う方法を考えましょう。

出典:国土交通省「建築基準法に基づくシックハウス対策について」(2003年7月施行)

室内干しは場所と時間を決める

高層マンションでは管理規約でバルコニーへの洗濯物干しを禁止している例が多く、冬は室内干しが中心になります。洗濯物からは大量の水分が出るため、浴室乾燥機を使う、除湿機とサーキュレーターを組み合わせる、干す部屋のドアを閉めて換気扇を回すなど、湿気を住戸全体に広げない工夫が有効です。寝室やクローゼットの近くで干すのは避けましょう。

窓・サッシの水滴は朝のうちに拭く

窓に水滴が出たら、朝のうちに吸水性のよいクロスや結露取りワイパーで拭き取ります。サッシの下枠やレールに溜まった水を放置すると、パッキンやコーキングに黒カビが出やすくなります。窓際に厚手のカーテンを床まで垂らしていると、ガラスとカーテンの間に冷気と湿気が溜まるので、就寝中も少しすき間を開ける、カーテンの裾を床から浮かせるといった工夫も効果的です。

外壁側の家具・収納は壁から離す

外壁に面した壁に家具を置く場合は、壁から5cm以上離して空気が通るようにします。クローゼットは衣類を詰め込みすぎず、ときどき扉を開けて空気を入れ替えましょう。床置きの収納ケースは、すのこや脚付きの台の上に置くと底面の湿気がこもりにくくなります。

  • 温湿度計を窓際・北側の部屋にも置く

  • 加湿器は湿度計を見ながら使い、強運転を続けない

  • 浴室・キッチンの換気扇は使用後もしばらく回す

  • 換気扇・給気口のフィルターを定期的に掃除する

  • 就寝前に寝室の湿度を確認する

カビを見つけたときの対処と、やってはいけないこと

窓のパッキンや壁紙の表面に小さなカビを見つけた場合、範囲が限られていれば市販のカビ取り剤で対処できることもあります。その際は必ず製品の表示に従い、換気をしながら手袋やマスクを着用してください。塩素系の製品と酸性の製品を混ぜたり、続けて使ったりすると有毒なガスが発生するおそれがあるため、避けてください。

一方で、次のような場合は、表面だけを拭いても再び出てくることが多く、原因の確認が必要です。壁紙を強くこすったり、カッターで削ったりすると、素材を傷めて凹凸が増え、かえってカビが付きやすくなることもあります。

状態

考えられること

おすすめの対応

壁紙の同じ角だけ毎年黒ずむ

熱橋による局所的な結露

原因の確認と管理会社への相談

クローゼット全体がカビ臭い

収納内の湿気・外壁側の結露

中身を出して乾燥、状態を記録

床材の継ぎ目が黒い・浮いている

窓からの水だれ、漏水の可能性

早めに管理会社・専門業者へ

天井にシミ・カビ

上階からの漏水の可能性

管理組合・管理会社に報告

カビの範囲が広い場合や、においはするのに見える場所にカビがない場合は、壁の内部や家具の裏、床下地などで進んでいることがあります。当社では、含水率測定で壁や床の湿り具合を確認したり、付着菌検査や浮遊菌検査(有料オプション)で室内のカビの状況を把握したりしたうえで、対処方法をご提案しています。

実際の除カビでは、素材を削ったり強くこすったりせず、素材に合わせて調整した専用剤でカビを分解・除去し、仕上げに除菌を行うMIST工法®で対応しています。壁紙や木部、家具など、傷めたくない素材が多い高層住宅の室内でも、素材の状態を確認しながら作業を進めます。

管理組合・管理会社に相談すべきケース

マンションでは、住戸の内側(専有部分)と、外壁・窓ガラス・サッシ・躯体などの共用部分とで管理の責任が分かれています。一般的に、窓ガラスやサッシは共用部分とされ、区分所有者が勝手に交換できないことが多いため、結露の原因が窓や外壁側にある場合は、個人で判断せず管理組合や管理会社に相談することが大切です。具体的な扱いは各マンションの管理規約で確認してください。

次のようなケースは、住まい方だけでなく建物側の要因が関係している可能性があります。写真や日付、温湿度計の数字を記録したうえで、管理会社に報告しましょう。

  1. 同じ場所の結露やカビが、暮らし方を見直しても毎冬繰り返す

  2. サッシの枠から水が室内側へ流れ出て、床や壁が濡れる

  3. 天井や壁に水のシミが広がっている

  4. 換気扇・給気口が作動していない、異音がする

  5. 上下左右の住戸でも同じような症状が出ている

複数の住戸で同じ症状が出ている場合は、建物全体の問題として管理組合で検討することになります。個人の住戸だけで対処を続けるよりも、早めに情報を共有したほうが、結果的に原因の特定や対策が進みやすくなります。

よくある質問

Q. 新築のタワーマンションに入居したばかりですが、最初の冬から結露がひどいです。

A. 鉄筋コンクリート造の建物は、完成後しばらくの間、コンクリートに含まれる水分が少しずつ室内側へ出てくることがあります。入居直後の冬は、換気と除湿を意識して湿度を上げすぎないようにしてください。窓以外の壁や床に水のシミが出る場合は、施工会社やアフターサービス窓口に早めに相談しましょう。

Q. 高層階と低層階で結露のしやすさは違いますか。

A. 高層階は風が強く外気で冷やされやすい一方、日射が当たりやすいなど条件はさまざまで、一概には言えません。住戸の向き、角部屋かどうか、窓の大きさ、暮らし方の影響のほうが大きいことが多いため、実際の住戸で温湿度と結露の出方を確認するのが確実です。

Q. 結露対策として窓に断熱シートを貼ってもよいですか。

A. 窓ガラスやサッシは共用部分にあたることが多く、ガラスの種類によってはシートの貼付で熱割れの原因になることもあります。貼る前に管理規約とガラスの種類を確認し、管理会社に相談してから行いましょう。

Q. 壁紙のカビは自分で拭いても大丈夫ですか。

A. 小さな範囲であれば、製品表示に従ってカビ取り剤を使う方法もあります。ただし、同じ場所に繰り返し出る、範囲が広い、においが強いといった場合は、壁の内部や下地に原因があることも考えられます。無理にこすらず、専門業者に状況を確認してもらうことをおすすめします。

まとめ

札幌中心部のタワーマンションや高層マンションは、気密性の高さ、大開口の窓、窓開け換気のしにくさ、室内干しの増加といった条件が重なり、冬に結露やカビが出やすい面があります。特に、外壁側の柱・梁まわり、外壁に面したクローゼット、北側や角部屋の寝室は、定期的に確認しておきたい場所です。

対策の基本は、水蒸気を出しすぎない、こもらせない、冷たい面をつくらないの三つです。24時間換気を止めない、室内干しの場所を決める、窓の水滴を朝のうちに拭く、外壁側の家具を壁から離すといった積み重ねが、カビを防ぐ近道になります。

暮らし方を工夫しても同じ場所に毎年カビが出る、壁や床にシミが広がるといった場合は、建物側の要因が関係していることもあります。記録を残して管理会社に相談しつつ、室内のカビの状態を確かめたいときは、検査から対応できる専門業者に相談してみてください。

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