二重窓・内窓の結露はなぜ起きる?北海道の窓まわりのカビ対策
更新日:1 日前
こんにちは、カビバスターズ北海道です。「窓を二重窓にしたのに、冬の朝になると窓際がびっしょり濡れている」「内窓を付けたら室内側のガラスは曇らなくなったのに、窓と窓のあいだに水滴がたまる」といったご相談を、当社では毎年秋から冬にかけて数多くいただきます。北海道の住宅では二重窓や内窓、ペアガラスがごく当たり前の設備ですが、それだけで結露がなくなるわけではありません。むしろ二重構造だからこそ、結露が「見えにくい場所」で起き、気付いたときには窓枠や額縁、カーテン、さらには窓下の壁の内側までカビが広がっていたというケースを現場でよく目にします。本記事では、窓リフォームの話ではなく、カビ対策の専門業者の立場から、二重窓・内窓・ペアガラス特有の結露の仕組み、北海道の冬の暮らしとの関係、結露を放置した先に起きるカビの流れ、日常でできる対策、そしてカビが疑われるときの検査による「見える化」までを順を追って解説します。なお、窓ガラスの結露を毎日拭き取る方法や基本的な予防策については別の記事で詳しく触れていますので、ここでは「二重構造の窓だからこそ起きる結露」と、その先にあるカビのリスクに焦点を絞ってお話しします。窓際の結露を「毎年のこと」とあきらめている方にこそ、読んでいただきたい内容です。
この記事の結論 二重窓・内窓なのに結露するのはなぜ?内窓と外窓のあいだの結露、室内側ガラスの結露、ペアガラス内部の結露の違いと、北海道の冬に窓まわりのカビを防ぐ対策、含水率測定による検査までカビ専門業者が解説します。
第1章|二重窓・内窓なのに結露が起きる仕組み
結露とは、空気中に含まれている水蒸気が冷たい面に触れて冷やされ、水滴に変わる現象です。空気は温度が高いほど多くの水蒸気を含むことができ、冷えるとその許容量が小さくなります。水蒸気が水滴に変わり始める温度を「露点温度」と呼びます。露点温度とは、言い換えれば「その空気が結露を起こし始める境目の温度」のことです。たとえば室温20℃・相対湿度50%の空気の露点はおよそ9℃前後で、窓ガラスや窓枠の表面温度がそれを下回れば、その面に結露が生じます。
二重窓や内窓、ペアガラスは、ガラスとガラスのあいだに空気層をつくることで熱を伝えにくくし、室内側の表面温度を下げにくくする仕組みです。つまり結露を「起こりにくくする」設備ではあっても、「起こらなくする」設備ではありません。室内の湿度が高い、外気温が極端に低い、窓の一部に熱が逃げやすい部分がある、といった条件が重なれば、二重構造の窓でも結露は発生します。そして二重構造であるがゆえに、結露の起きる場所が一般的な単板ガラスの窓とは異なってくるのが大きな特徴です。
当社が現場で確認する二重窓・内窓の結露は、大きく三つに分けられます。一つ目は、室内側の窓ガラスや窓枠の表面に出る結露です。二つ目は、内窓と外窓のあいだ、つまり二つの窓に挟まれた空間で外窓の室内側に出る結露です。三つ目は、ペアガラスそのものの内側、二枚のガラスに挟まれた密閉空間に出る結露です。この三つは原因も対処法もまったく異なるため、まずは「どこに結露が出ているか」を見極めることが、対策の第一歩になります。
内窓と外窓のあいだの結露は、室内の暖かく湿った空気が内窓のすき間から二つの窓のあいだに入り込み、外気で冷やされた外窓に触れることで起こります。内窓の気密が十分でないと、室内の水蒸気が少しずつ中間の空間へ流れ込み、逃げ場がないまま外窓に水滴として付着します。二重窓は本来、室内側の窓の気密を高くし、外側の窓はそれよりもわずかに空気が抜けやすい状態にしておくと、中間の空間に湿気がたまりにくいと考えられています。建具の調整不良や戸車の摩耗、クレセント錠の締め忘れなどで内窓側の気密が落ちると、このバランスが崩れて結露が増えます。
室内側のガラスや窓枠に出る結露は、室内の湿度が高すぎる場合や、内窓自体の断熱性能が低い場合に起こります。古い二重窓で内側がアルミ枠・単板ガラスのままになっている住宅では、アルミ枠の表面温度が下がりやすく、枠だけが濡れるという状態がよく見られます。アルミは熱を伝えやすい金属で、外の冷たさが枠を通じて室内側まで伝わってしまうためです。また窓の下端やガラスの周囲は、中央部分よりも表面温度が低くなりやすく、結露が集中しやすい部分です。
三つ目のペアガラス内部の結露は、二枚のガラスを密閉している封止材が経年で劣化し、湿った空気が中空層に入り込むことで生じます。ペアガラスの中空層には通常、乾燥した空気や断熱性の高いガスが封入され、乾燥剤によって湿気が抑えられています。封止が劣化して湿気が入ると、ガラスの内側が曇ったり水滴が付いたりし、表面をいくら拭いても取れません。この状態は日常の手入れでは解消できず、ガラスユニットの交換を検討する段階と考えてよいでしょう。
結露の場所 | 主な原因 | 見分け方 | 基本的な対処の方向性 |
室内側のガラス・窓枠 | 室内の湿度過多、内窓の断熱性能不足、アルミ枠の冷え | 室内側から拭くと水滴が取れる | 湿度管理、窓まわりの空気の循環、内窓の性能見直し |
内窓と外窓のあいだ | 内窓のすき間から室内の湿気が流入し、外窓で冷やされる | 内窓を開けると外窓の内側が濡れている | 内窓の気密の確保、建具の調整、中間空間の点検 |
ペアガラスの内部 | 封止材の劣化で中空層に湿気が侵入 | 両面を拭いても曇り・水滴が消えない | ガラスユニットの交換を窓の専門業者に相談 |
このように、同じ「窓の結露」でも出ている場所によって意味合いが大きく変わります。室内側の結露は暮らし方の見直しで改善できる余地が大きく、中間の結露は建具の状態に、ガラス内部の結露は製品の寿命に原因があることが多いといえます。いずれの場合も、結露水が窓枠やレール、窓台に長く残るとカビの温床になる点は共通しています。次章では、そもそも北海道でなぜ二重窓・内窓がこれほど普及しているのか、その背景から見ていきます。
第2章|北海道で二重窓・内窓が標準的な理由
北海道では、古い住宅でも新しい住宅でも、窓が二重になっていることが珍しくありません。昭和期に建てられた住宅では外側に木製やアルミ製の窓、内側にもう一枚の窓を設けた二重サッシが広く使われ、その後はペアガラスや樹脂サッシ、さらに三層ガラスのトリプルガラスへと窓の断熱性能は高まってきました。近年は既存の窓の内側に後付けする内窓も普及し、本州で「断熱リフォーム」として紹介される設備が、北海道ではむしろ標準に近い存在になっています。
その最大の理由は、冬の寒さの厳しさと暖房期間の長さです。北海道の住宅では、地域や年によって差はあるものの、概ね10月から4月ごろまで暖房を使う家庭が多く、一年の半分以上を暖房とともに過ごします。住宅の熱が最も逃げやすいのは窓などの開口部だといわれ、窓の断熱性能は暖房費や室内の快適性を大きく左右します。旭川や帯広のように冬の冷え込みが特に厳しい内陸部では、窓の性能の差が朝の室温の差として実感しやすいでしょう。
一方で、この「室内外の温度差の大きさ」こそが、窓まわりの結露を生む根本的な条件でもあります。室内を20℃前後に暖めているとき、外気が氷点下の日が続けば、窓を挟んだ内外の温度差は数十度に達することもあります。二重窓で室内側の表面温度が下がりにくくなっているとはいえ、外窓や窓枠の一部、ガラスの周囲など、どこかにどうしても冷えやすい部分が生まれます。そこに室内の湿った空気が触れれば、結露は起こります。特に外窓が古いアルミサッシのままの住宅では、外窓の枠やガラスが外気とほぼ同じ温度まで冷え込み、中間の空間に入り込んだわずかな湿気でも水滴や霜に変わりやすくなります。
さらに北海道特有の事情として、豪雪期には窓を開けにくいという点が挙げられます。窓の外に雪が積もったり、落雪や吹雪の心配があったりすると、冬のあいだは窓をほとんど開けないという住宅も少なくありません。二重窓の場合は内窓と外窓の両方を開ける手間もあり、外窓が凍り付いて開かなくなることもあります。こうして窓を開けて空気を入れ替える機会が減ると、室内の水蒸気は24時間換気だけに頼って排出されることになり、換気が十分でなければ湿度が高い状態が続きます。
冬の北海道の住宅では、暖房で室温を上げると相対湿度は下がる傾向にあるため「冬は乾燥する」というイメージが強いかもしれません。しかし実際には、調理や入浴、洗濯物の室内干し、人の呼吸、加湿器の使用など、室内では常に水蒸気が生まれています。高気密な住宅ほどその水蒸気が外に逃げにくく、部屋全体の湿度は低めでも、窓際の冷えた空気の層では局所的に湿度が高くなり、結露が起こるという状態が生まれます。
北海道の冬の条件 | 窓まわりへの影響 | 結露・カビへのつながり |
暖房期間の長さ(概ね10月〜4月) | 窓の内外の温度差が長期間続く | 結露が繰り返される期間が長く、乾く暇がない |
厳しい冷え込み | 外窓や窓枠の表面温度が大きく下がる | 内窓と外窓のあいだで結露が起きやすい |
豪雪期に窓を開けにくい | 窓を開けた換気の機会が減る | 室内の水蒸気がたまりやすく、窓際で結露化する |
住宅の高気密化 | すき間からの自然な空気の出入りが少ない | 換気計画が不十分だと湿気の逃げ場がなくなる |
また、札幌や函館のような比較的温暖な沿岸部でも、真冬には氷点下の日が続き、窓の結露と無縁ではいられません。沿岸部では冬の外気温がやや穏やかな分、窓を開けて換気しやすいと思われがちですが、実際には風が強い日や雪の日が多く、窓の開閉が減るのは同じです。当社の現場での傾向としては(統計ではありませんが)、地域を問わず「築年数が経って窓の建具が傷んできた住宅」や「内窓を後付けしたものの換気が見直されていない住宅」で、窓まわりの結露とカビのご相談が多く寄せられています。
つまり北海道で二重窓・内窓が標準的なのは、寒さへの備えとして合理的な選択だからですが、その恩恵を受けるには、窓だけでなく換気や湿度管理を含めた「住まい全体のバランス」が欠かせません。窓の性能だけを上げても、室内の水蒸気の行き場が確保されていなければ、結露はより冷たい部分へ移動するだけです。次章では、実際に結露が起きやすい窓や部屋にどのような特徴があるのかを、方角や換気の状況などから整理していきます。
第3章|結露が起きやすい窓・部屋の特徴
同じ住宅の中でも、結露がひどい窓とほとんど出ない窓があります。その差を生むのは、窓の方角、部屋の使い方、換気の状況、窓まわりの空気の流れ、そして建具そのものの状態です。ここでは当社が現場で確認することの多い「結露が起きやすい窓・部屋」の特徴を整理します。ご自宅の窓を思い浮かべながら、当てはまるものがないか確認してみてください。
まず方角です。北側の窓は日射で温められる時間がほとんどなく、ガラスや枠の表面温度が一日を通して低いままになりがちです。東側の窓は朝方に最も冷え込む時間帯を迎えるため、起床時にびっしりと結露していることがよくあります。反対に南側の窓は日中の日射で乾きやすいものの、夜間に結露した水分が窓台やレールの溝に残り、乾き切らないまま翌日の夜を迎えることもあります。方角ごとの傾向を知っておくと、どの窓を優先して点検すべきかが見えてきます。また、部屋の角にある窓や、外壁に面した面が多い部屋の窓は、周囲の壁も冷えやすいため、窓枠の下端から壁との取り合い部分にかけて結露が広がりやすい傾向があります。
次に部屋の使い方です。寝室は就寝中に人の呼吸や汗から水蒸気が出続けるうえ、ドアを閉め切ることが多く、朝の窓の結露が目立ちやすい部屋です。浴室や脱衣所に近い部屋、キッチンに隣接した部屋、洗濯物を室内干ししている部屋も、水蒸気の発生量が多くなります。子ども部屋や来客用の部屋のように、ふだんあまり暖房しない部屋は室温そのものが低く、少しの湿気でも結露しやすいという点に注意が必要です。
換気の状況も大きく影響します。24時間換気の給気口が閉じられていたり、フィルターがほこりで目詰まりしていたりすると、計画どおりに空気が入れ替わらず、室内の水蒸気がたまっていきます。冬場に「寒いから」と給気口を閉じてしまうケースは、北海道の住宅で特によく見られます。換気扇が止まっている、あるいは運転していても風量が落ちているといった状態では、部屋全体の湿度が上がり、最も冷たい窓に結露が集中します。
窓まわりの空気の流れも見落とせません。厚手のカーテンを床まで下ろして窓を覆っていると、カーテンと窓のあいだに冷えた空気がこもり、室内の暖かい空気が窓面に届きにくくなります。その結果、窓の表面温度がさらに下がり、カーテンの内側で結露が進みます。窓の前に家具を置いている場合や、窓台に物を並べている場合も同様です。北海道の住宅では窓の下にパネルヒーターや温水暖房の放熱器が設けられていることが多いのですが、これが家具やカーテンでふさがれていると、窓面を温める効果が十分に発揮されません。
チェック項目 | 結露が起きやすい状態 | 確認のポイント |
窓の方角 | 北側・東側、日射が当たりにくい窓 | 朝の結露量を方角ごとに比べる |
部屋の用途 | 寝室、水回りに近い部屋、室内干しの部屋 | 水蒸気の発生源が近くにないか |
換気の状態 | 給気口が閉じている、フィルターが目詰まり | 給気口の開閉とフィルターの汚れ |
窓まわりの空気 | 厚手カーテンで密閉、窓下の暖房器をふさいでいる | カーテン・家具と窓の距離 |
建具の状態 | 戸車の摩耗、パッキンの劣化、クレセントの緩み | 内窓を閉めたときのすき間やガタつき |
建具の状態は、二重窓・内窓ならではのチェックポイントです。内窓のパッキンが硬くなっていたり、戸車がすり減って障子が下がっていたりすると、閉めたつもりでもすき間が生じ、そこから室内の湿った空気が内窓と外窓のあいだへ流れ込みます。第1章で触れたとおり、これが中間の空間での結露の主な原因になります。内窓を開けたときに外窓の内側だけがいつも濡れている、冬の朝に外窓の室内側に霜が付いているといった場合は、内窓の気密が落ちているサインかもしれません。
Q. 内窓を付けてから、外窓の内側に結露が出るようになりました。内窓の取り付けに問題があるのでしょうか?
A. 内窓を付けると外窓は室内の暖かさから切り離されるため、以前より冷えやすくなります。そこに内窓のすき間から湿気が入ると、外窓の内側に結露が出ることがあります。取り付け不良とは限りませんが、内窓の閉まり具合やパッキンの状態を確認し、気になる場合は施工した窓の業者に点検を依頼するとよいでしょう。
第4章|窓の結露を放置するとカビに発展する流れ
窓の結露そのものは、水滴がガラスに付いているだけであればすぐに大きな被害にはなりません。問題は、結露した水分が流れ落ち、窓枠やレール、窓台、周囲の壁や床に移動して、そこで乾かないまま残ることです。カビが生育するには、水分、栄養源、適した温度がそろう必要があります。窓まわりにはほこりや皮脂汚れ、カーテンの繊維くずなど栄養源となるものが多く、暖房で温められた室内はカビにとって過ごしやすい温度です。そこに毎朝の結露水が加わると、カビにとって条件がそろった環境が生まれます。
当社が現場で見てきた窓まわりのカビは、おおむね次のような段階を経て広がっていきます。最初はガラスの下端や窓枠のパッキン、レールの溝といった、結露水がたまりやすい細かな部分に黒い点が現れます。パッキンはゴムや樹脂でできており、表面の細かな凹凸に汚れと水分がとどまりやすいため、カビが根を張りやすい素材です。この段階では「汚れかな」と見過ごされることが多いのですが、拭いても黒ずみが残る場合は、カビが素材の内部にまで入り込み始めているおそれがあります。
次の段階では、窓台や額縁といった木製部分に結露水がしみ込み、変色やシミが生じます。額縁とは、窓の周囲を室内側で縁取っている枠材のことです。木材は水分を吸いやすく、一度しみ込んだ水分はなかなか抜けません。表面の塗装やシートが浮いてきたり、角の部分が黒ずんできたりした場合は、内部の含水率が高い状態が続いている可能性があります。含水率とは、材料にどれだけ水分が含まれているかを示す割合のことで、木材の場合はこの数値が高い状態が続くとカビや腐朽のリスクが高まるといわれています。
さらに進むと、窓下の壁紙や石膏ボード、床材にまで被害が及びます。窓台からあふれた結露水が壁を伝って流れ落ちると、壁紙の裏側で水分がとどまり、表面からは見えないままカビが広がることがあります。壁紙の継ぎ目が浮いてきた、窓の下だけ壁紙が波打っている、カーテンの裾に黒い斑点が出てきたといった症状は、壁の内側まで湿気が回っているサインかもしれません。二重窓の場合は、内窓と外窓のあいだにたまった結露水が外窓のレールからあふれ、室内側から見えない位置で窓台の下地材を濡らしていることもあります。
段階 | 主な症状 | 起きている可能性のあること |
初期 | パッキンやレールの溝に黒い点、拭いても残る黒ずみ | 結露水がたまる部分でカビが生育し始めている |
中期 | 窓台・額縁の変色やシミ、塗装やシートの浮き | 木製部分に水分がしみ込み、含水率が高い状態が続いている |
進行期 | 窓下の壁紙の浮き・波打ち、カーテンの裾の黒い斑点 | 壁紙の裏や下地材まで湿気が回っている |
拡大期 | 部屋のカビ臭さ、窓から離れた壁や家具裏にもカビ | 胞子が室内に広がり、別の場所でも生育している |
カビが広がると、見た目の問題だけでなく、室内の空気環境にも影響が出てきます。カビは胞子を空気中に放出して増えていくため、窓まわりで生育したカビの胞子が部屋の中を漂い、家具の裏やクローゼットの中など、別の湿りやすい場所に付着して新たなカビの発生源になることがあります。部屋に入ったときにかび臭さを感じるようになった場合は、目に見える範囲以上にカビが広がっている可能性を考えたほうがよいでしょう。なお、カビと健康との関係については個人差が大きく、ここで断定的なことはいえません。咳や鼻炎、皮膚のかゆみなど気になる症状がある場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
特に注意したいのが、ペアガラスの内部結露を長期間放置しているケースです。ガラスの内部そのものにカビが生えることはまれですが、封止が劣化した窓は断熱性能も落ちているため、ガラスの周囲や枠の室内側まで冷えやすくなり、室内側の結露も増えていきます。「中が曇っているだけだから」と放置しているあいだに、窓枠や窓台の結露が慢性化し、カビの原因になっていることがあるのです。
窓の結露からカビへの流れは、ある日突然起こるものではなく、毎年の冬に少しずつ積み重なって進んでいきます。北海道のように暖房期間が長く、結露と乾燥のサイクルが半年以上続く地域では、ひと冬ごとの蓄積が数年後に大きな被害として表面化することも珍しくありません。「毎年のことだから」と見過ごさず、早い段階で異変に気付くことが大切です。とりわけ内窓と外窓のあいだや、家具やカーテンの陰になった窓台は、ふだんの掃除で目が届きにくい場所です。年に何度かは内窓を開けて中間の空間をのぞき、外窓のレールや窓台に水がたまっていないか、黒ずみが出ていないかを確認してみてください。
第5章|二重窓の結露対策(換気・室内干しの工夫・カーテンの使い方)
二重窓・内窓の結露対策は、大きく分けて「室内の水蒸気を減らす」「窓まわりを冷やしすぎない」「湿気が窓のあいだに入り込まないようにする」という三つの方向から考えると整理しやすくなります。ガラス表面の結露を拭き取ることも大切ですが、それは起きてしまった結露への対処です。ここでは、二重構造の窓だからこそ意識したい、結露そのものを減らすための工夫を紹介します。
まず基本となるのが換気です。北海道の住宅では、冬のあいだ窓を開けて換気する機会が少なくなるため、24時間換気を正しく運転させることが何より重要です。給気口は寒くても閉じずに開けておき、フィルターは定期的に掃除します。換気扇や換気システムの電源を切っていないか、風量が極端に落ちていないかも確認しましょう。寒さが気になる場合は給気口を閉じるのではなく、給気口の近くに家具を置かないようにしたり、暖房の配置を工夫したりすることで対応するのが望ましいといえます。
次に室内の水蒸気の量をコントロールします。洗濯物の室内干しは冬の北海道では避けにくい習慣ですが、干す場所と時間に工夫の余地があります。窓のある部屋や寝室で干すのではなく、換気扇のある浴室や、換気の効いた部屋にまとめて干し、除湿機やサーキュレーターを併用すると、室内全体の湿度の上昇を抑えやすくなります。加湿器を使っている場合は、湿度計を置いて窓の結露の状態を見ながら運転を調整しましょう。冬の窓の結露が多い家庭では、加湿のしすぎが原因になっていることもあります。
カーテンの使い方も結露に大きく影響します。厚手のカーテンで窓を完全に覆うと、窓とカーテンのあいだに冷たい空気がこもり、窓の表面温度が下がります。カーテンは床まで垂らさず、窓下の暖房器の暖気が窓面に届くように丈や吊り方を調整するのが効果的です。日中はカーテンを開けて窓面を室内の空気に触れさせ、結露水が乾きやすい状態をつくりましょう。レースカーテンが結露で濡れている場合は、放置せずこまめに洗濯して乾かすことが、カビの予防につながります。
対策の方向 | 具体的な工夫 | 期待できる効果 |
室内の水蒸気を減らす | 24時間換気の常時運転、給気口を開ける、室内干しは換気の効く場所で | 部屋全体の湿度を下げ、窓際での結露を抑える |
窓まわりを冷やしすぎない | カーテンを床まで垂らさない、窓下の暖房器をふさがない | 窓の表面温度の低下を抑える |
窓のあいだに湿気を入れない | 内窓をきちんと閉める、パッキン・戸車・クレセントの点検 | 内窓と外窓のあいだの結露を減らす |
たまった水分を残さない | 外窓のレールや水抜き穴の清掃、窓台の水分の早めの拭き取り | 結露水が窓枠や壁にしみ込むのを防ぐ |
もう一つ意識したいのが、暖房の使い方です。夜間に暖房を大きく弱めたり止めたりすると、明け方に室温が下がって窓の表面温度も低くなり、室内の水蒸気が一気に結露しやすくなります。北海道の住宅では、夜間も一定の室温を保つように暖房を運転しておくほうが、窓の結露を抑えやすい場合があります。使っていない部屋の暖房を完全に切ってしまうと、その部屋の窓だけが冷え込み、家の中の湿気がそこへ集まって結露することもあるため、各部屋の温度差をなるべく小さく保つことを心がけましょう。
二重窓ならではの対策として、内窓の気密の確保があります。内窓はきちんと閉めてクレセント錠を掛けることで、障子が枠に引き寄せられ、すき間が小さくなります。パッキンが硬化したり欠けたりしている場合や、戸車の摩耗で障子の建て付けが悪くなっている場合は、窓の専門業者に調整や部品交換を相談しましょう。内窓の気密が保たれていれば、室内の湿気が中間の空間へ流れ込みにくくなり、外窓の結露を減らすことにつながります。
また、外窓のレールには結露水を屋外へ排出するための「水抜き穴」が設けられていることが多くあります。水抜き穴とは、サッシの下枠にたまった水を外へ逃がすための小さな穴のことです。ここがほこりや虫の死骸、凍った水でふさがると、中間の空間にたまった結露水が行き場を失い、レールからあふれて窓台を濡らす原因になります。雪や氷が落ち着いた時期に、内窓を開けて外窓のレールの溝と水抜き穴を掃除しておくと安心です。
ペアガラスの内部結露については、日常の対策で改善することはできません。ガラスの内側が曇っている場合は、窓の専門業者にガラスユニットの交換について相談することをおすすめします。そのうえで、窓枠や窓台にすでに黒ずみやシミが出ている場合は、結露対策と並行して、カビがどこまで広がっているかを確認することが大切です。次章では、窓まわりのカビが疑われるときに行う検査について解説します。
第6章|窓まわりのカビが疑われる場合の検査(含水率測定など)
窓枠や窓台に黒ずみが出てきた、窓下の壁紙が浮いてきた、部屋にかび臭さを感じるといった場合、表面を掃除するだけでは根本的な解決にならないことがあります。目に見えるカビを拭き取っても、窓台の木材や壁の下地に水分が残っていれば、次の冬にまた同じ場所にカビが出てくるおそれがあるためです。当社では、窓まわりのカビのご相談をいただいた際、まず「どこまで湿っているのか」「どこまでカビが広がっているのか」を検査で見える化することを重視しています。
最初に行うことが多いのが含水率測定です。含水率測定とは、専用の水分計を使って、窓台や額縁、窓下の壁や床などの材料にどれだけ水分が含まれているかを数値で確認する検査のことです。表面が乾いて見えても、内部の含水率が高い状態であれば、カビが再び生育しやすい環境が続いていると判断できます。窓の周囲を複数の点で測定し、数値の分布を比べることで、結露水がどの範囲まで広がっているのか、壁の内側にまで水分が回っていないかを推測する手がかりになります。
二重窓の場合、測定は内窓の室内側だけでなく、内窓と外窓のあいだの窓台や、外窓のレール周辺にも行うことがあります。中間の空間は日常的に目が届きにくく、結露水が長期間たまっていても気付かれにくい場所だからです。外窓側の窓台の含水率が室内側よりも高い場合は、中間の空間での結露が主な原因になっている可能性が考えられ、内窓の気密の見直しや水抜き穴の清掃といった対策の優先順位を判断する材料になります。
含水率測定に加えて、必要に応じてカビそのものを調べる検査も行います。窓枠や壁の表面の黒ずみが本当にカビなのか、どのような種類のカビが生えているのかを確認するために、表面から試料を採取して培養する付着菌検査(有料オプション)を行うことがあります。また、窓下の壁の内側など直接見ることができない部分については、小さな穴から内部を観察するファイバースコープ調査を検討する場合もあります。検査の組み合わせは、症状や建物の状況によって異なります。
検査・調査 | わかること | 窓まわりで行う場面の例 |
目視・触診による確認 | カビの見た目の範囲、材料の浮きや変色 | 窓枠・パッキン・窓台・壁紙の状態を一通り確認する |
含水率測定 | 材料に含まれる水分の多さを数値で把握 | 窓台・額縁・窓下の壁や床の湿り具合を調べる |
付着菌検査 | 表面に付着しているカビの有無や種類の傾向 | 黒ずみがカビかどうか確かめたいとき |
ファイバースコープ調査 | 壁の内側など見えない部分の状態 | 窓下の壁紙の浮きなど、壁内への湿気の回り込みが疑われるとき |
検査で得られた数値や結果は、カビの除去範囲や環境改善の方針を決める根拠になります。表面だけのカビであれば比較的限られた範囲の施工で対応できることもありますが、下地材まで水分やカビが及んでいる場合は、より広い範囲での対応が必要になることもあります。反対に、見た目ほど被害が広がっていないことが検査で確認できれば、必要以上の工事を避けることにもつながります。施工の内容や費用は現地の状況により異なりますので、まずは現状を正確に把握することが大切です。
ご自身で検査を依頼するかどうか迷う場合は、いくつかの目安があります。拭き取ってもすぐに同じ場所に黒ずみが戻る、窓台の木部を指で押すとやわらかく感じる、窓下の壁紙を触ると冷たく湿った感触がある、冬が終わっても窓まわりのかび臭さが消えない、といった状態が続くときは、表面の掃除だけでは対応しきれていない可能性があります。こうしたサインに気付いた段階でご相談いただくと、被害が広がる前に対策を検討しやすくなります。
また、測定した数値は、結露対策や換気の見直しを考えるときの判断材料になります。窓まわりのカビ対策は、カビを取り除くことと、結露の原因を減らすことの両方がそろって初めて再発を抑えやすくなります。検査はそのための「現状の見える化」と「対策範囲の判断」の両方の役割を担っています。
関連記事:北海道の住宅はなぜカビが生えやすい?高気密高断熱住宅と結露の関係
まとめ|窓の結露は「よくあること」で済ませない
ここまで、二重窓・内窓・ペアガラスに起きる結露の仕組みと、北海道の住宅事情との関係、結露がカビに発展する流れ、日常の対策、そして検査による見える化について解説してきました。北海道では二重窓や内窓があまりに身近な設備であるため、窓の結露も「冬になれば出るもの」と受け止められがちです。しかし、結露が出ている場所や量、そして結露した水分がどこへ流れているかに目を向けると、住まいが発しているサインを読み取ることができます。
改めて振り返ると、二重構造の窓の結露には、室内側のガラスや窓枠に出る結露、内窓と外窓のあいだに出る結露、ペアガラスの内部に出る結露という三つのタイプがありました。室内側の結露は湿度管理や窓まわりの空気の流れの見直しで改善しやすく、中間の結露は内窓の気密や建具の状態に、ガラス内部の結露は封止材の劣化という製品の寿命に原因があることが多いという違いがあります。まずは「どこに結露が出ているか」を確認することが、適切な対策を選ぶための出発点です。
北海道の住宅では、概ね10月から4月にわたる長い暖房期間、窓を開けにくい豪雪期、そして室内外の大きな温度差という条件が重なり、窓まわりは結露が繰り返されやすい環境に置かれています。窓の性能が高くても、換気が止まっていたり、室内干しや加湿で水蒸気が増えすぎていたりすれば、結露はより冷たい部分へと移っていきます。窓だけでなく、換気、湿度、カーテンや家具の配置まで含めて、住まい全体のバランスを見直すことが大切です。窓の結露は、住まいの湿気の状態を映し出す鏡のようなものだと考えると、日々の変化に気付きやすくなるでしょう。
そして、窓の結露を放置した先にあるのがカビのリスクです。パッキンやレールの小さな黒い点から始まり、窓台や額縁の変色、窓下の壁紙の浮き、さらには壁の内側や部屋全体への広がりへと、カビは冬を重ねるごとに少しずつ進行していきます。目に見えるカビを拭き取るだけでは、材料の内部に残った水分やカビまでは取り除けないことがあり、翌年も同じ場所で再発するという悪循環に陥りがちです。
日々の暮らしの中でできることとしては、冬のはじめと終わりに窓まわりを点検する習慣を持つことが挙げられます。暖房を使い始める秋には、24時間換気の給気口やフィルター、内窓の閉まり具合、外窓のレールと水抜き穴を確認しておきます。雪解けの春には、ひと冬のあいだに結露が繰り返された窓台や額縁、窓下の壁紙、カーテンの裾に変色や黒ずみが出ていないかを見ておきましょう。季節の変わり目に一度ずつ目を向けるだけでも、異変に早く気付きやすくなります。
だからこそ、窓まわりに気になる症状が出てきたときは、含水率測定などの検査で「どこまで湿っているのか」「どこまでカビが広がっているのか」を数値や結果で把握することをおすすめします。検査で現状を見える化すれば、必要な施工の範囲を適切に判断でき、その後の環境づくりのご提案にも役立ちます。結露対策とカビ対策を切り離さず、両方をセットで考えることが、再発を抑えるための近道です。
Q. ペアガラスの内側が曇っていますが、窓枠にカビは見当たりません。カビの検査は必要ですか?
A. ガラス内部の曇りは封止の劣化によるもので、まずは窓の専門業者にガラスの交換を相談するのが基本です。ただし、断熱性能が落ちた窓では枠や窓台の結露が増えやすいため、窓台の変色やかび臭さなど気になる点があれば、含水率測定などで材料の湿り具合を確認しておくと安心です。
カビバスターズ北海道では、独自のMIST工法®による素材を傷めにくいカビの除去、カビが生えにくい環境づくりのご提案と、含水率測定・付着菌検査をはじめとする各種調査をワンストップでご提供しています。二重窓・内窓まわりの結露やカビでお困りの方、窓台や窓下の壁の黒ずみ、部屋のかび臭さが気になる方は、症状が広がる前にぜひ一度ご相談ください。札幌・旭川・函館・帯広・釧路・北見をはじめ、北海道全域に対応しております。現地の状況を丁寧に確認したうえで、住まいに合った対策をご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。※菌検査は施工前に行う有料オプションです。
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対応エリア:札幌市(中央区・北区・東区・白石区・豊平区・南区・西区・厚別区・手稲区・清田区)をはじめ、石狩・小樽・千歳・苫小牧・旭川・函館など北海道全域。地域ごとの対応は対応エリアをご覧ください。




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