北見・網走のカビは水道凍結から|凍結・漏水が床下と壁内のカビを招く理由と春の点検
更新日:1 日前
こんにちは、カビバスターズ北海道です。冬のあいだは何ともなかったのに、雪どけが進む3月から4月にかけて「床下からカビ臭がする」「洗面所の床がふかふかする」「押入れの下の壁紙に黒い点が出てきた」というご相談をいただくことがあります。現場で床下点検口を開けてみると、給水管や給湯管の継手から水がにじんだ跡があり、断熱材や土台のまわりにカビが広がっていた、というケースを当社では何度も目にしてきました。北見や網走をはじめとするオホーツク地方は、晴れの日が多く雨や雪の量も比較的少ない一方で、真冬の冷え込みが非常に厳しい地域です。そのため「湿気が多いからカビる」という一般的なイメージとは少し違い、「水道管が凍る→わずかに破損する→見えない場所で漏水が続く→春に気づく」という流れでカビが進むことがあります。本記事では、気象庁の平年値で確認できる数字をもとに冷え込みの実態を整理し、凍結防止ヒーターや水抜き栓まわりの弱点、漏水が床下・壁内のカビにつながる仕組み、基礎断熱と床断熱の違い、そして春の融解期に発覚しやすいパターンまで、凍結と漏水に絞って現場目線で解説します。大雨や浸水によるカビとは原因も点検の順番も異なりますので、冬を越したお住まいの点検にお役立てください。
この記事の結論 北見・網走など晴れが多く真冬の冷え込みが厳しいオホーツク地方では、水道管の凍結破損による漏水が床下・壁内のカビにつながることがあります。凍結防止ヒーターの弱点、基礎断熱と床断熱の違い、春の点検手順を解説します。
第1章|北見・網走の冬は「乾いて晴れて、とても冷える」|気象庁の平年値で見る凍結リスク
まず、この地域の冬がどのような気候なのかを数字で確認しておきます。気象庁の平年値(1991〜2020年)では、年間の降水量は北見で774.8mm、網走で844.2mmです。オホーツク海側は全国的に見ても降水量の少ない地域として知られており、年間の日照時間も北見で1724.3時間、網走で1850.0時間と、晴れ間の多さがうかがえます。「空気が乾いていて晴れが多いなら、カビとは無縁では」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ところが、冬の最低気温に目を向けると印象が大きく変わります。同じ気象庁の平年値で、日最低気温の月平均は北見で1月がマイナス14.2℃、2月がマイナス14.0℃、3月でもマイナス7.6℃です。網走は海に近いこともあって北見よりはやや穏やかですが、1月がマイナス8.9℃、2月がマイナス9.6℃となっています。これはあくまで「平均」の数字ですので、放射冷却がよく効いた晴れた朝には、これを大きく下回る日も珍しくありません。放射冷却とは、雲のない夜に地面の熱が空へ逃げていき、明け方に気温が一段と下がる現象のことです。
水道管の凍結については、北見市の公式サイトでも気温がマイナス4℃以下になると凍結のおそれが高まる目安が示されています。つまり、真冬の北見では平均的な朝の気温が、この目安を10℃前後も下回っていることになります。網走市の公式サイトでも、12月から3月下旬までが特に凍結に注意が必要な時期として案内されています。晴れて乾いた日が多いことと、水道管が凍りやすいことは、この地域では同時に成り立っているのです。
さらに、厳しい冷え込みは一晩だけで終わらず、何日も続くことがあります。凍結防止の仕組みが一度でも止まると、その影響が数日かけて配管全体に広がりやすい点も、この地域ならではの注意点です。加えて、雪が少なめの年ほど地面が深くまで冷えやすいといわれ、積雪が断熱材のように地面を覆ってくれない分、地中や基礎まわりの配管が冷え込みの影響を受けやすくなることがあります。晴れて雪の少ない冬だからこそ油断できない、というのもこの地域の特徴です。
項目(気象庁の平年値 1991〜2020年) | 北見 | 網走 |
年降水量 | 774.8mm | 844.2mm |
年間日照時間 | 1724.3時間 | 1850.0時間 |
日最低気温(1月の平均) | マイナス14.2℃ | マイナス8.9℃ |
日最低気温(2月の平均) | マイナス14.0℃ | マイナス9.6℃ |
年平均湿度 | 観測なし(アメダス地点のため) | 74% |
ここで大切なのは、「乾燥した地域だから湿気の問題は起きない」という思い込みを外すことです。確かに外気の水分量は冬に少なくなりますが、カビに必要なのは空気中の湿気だけではありません。床下の木材や断熱材が水を吸い、その水分が逃げ場を失えば、周囲の空気が乾いていてもカビは育ちます。そして、その水分の出どころとして、この地域で見過ごされやすいのが凍結による水道管の破損と、そこから始まる漏水です。
当社の現場での傾向として(統計ではありません)、オホーツク地方では窓の結露や部屋干しによるカビのご相談に加えて、「冬を越したら床下が濡れていた」「給湯器まわりの壁の中が傷んでいた」という、配管トラブルが出発点になったご相談が目立ちます。冷え込みが厳しい地域ほど配管の凍結対策は住まいの標準装備になっていますが、その対策が働かなかったときの影響は、壁の中や床下という目の届かない場所に出やすいのが特徴です。
また、晴れの日が多いことは、日中と夜間の温度差が大きくなりやすいことも意味します。昼間は日差しで室内も配管まわりもある程度温まりますが、夜から明け方にかけて一気に冷え込むと、配管の中の水は凍っては溶けるという状態を繰り返します。水は凍ると体積が増えるため、この繰り返しが継手や蛇口のパッキンに少しずつ負担をかけていきます。一度に大きく破裂するのではなく、小さなひびからじわじわと水が漏れ出すケースほど発見が遅れ、カビの原因として厄介になります。
この章のポイントは、オホーツク地方の冬は「湿気が多い冬」ではなく「冷え込みが厳しい冬」であり、カビのリスクもその性格に合わせて考える必要があるということです。次の章では、実際に水道管がどこで凍りやすいのか、凍結防止ヒーターや水抜き栓まわりにどのような弱点があるのかを、北海道の暖房事情と合わせて見ていきます。
第2章|水道管はどこで凍るのか|凍結防止ヒーター・水抜き栓まわりの弱点
北海道の住宅では、水道管の凍結を防ぐために大きく二つの仕組みが使われています。一つは「水抜き栓」で、就寝前や外出前に配管の中の水を抜いておき、凍る水そのものをなくしてしまう方法です。もう一つは「凍結防止ヒーター」で、配管に電熱線を巻き付け、気温が下がると自動的に温めて凍結を防ぐ装置です。どちらもこの地域のような寒冷地では欠かせない設備ですが、現場ではそれぞれに特有の弱点があることがわかってきます。
水抜き栓の弱点は、「抜いたつもり」が起こりやすいことです。網走市の公式サイトでは、水抜き栓を閉めたあとにすべての蛇口を開き、10分ほどそのままにして管に残った水を出し切る手順が案内されています。ところが実際には、キッチンだけ開けて洗面所や2階のトイレの蛇口を開け忘れる、シャワーの切り替えを忘れて一部の配管に水が残る、といったことが起こりがちです。北見市の公式サイトでも、トイレは水抜栓のハンドルをしっかり動かしてタンクの中を空にすることや、排水管のトラップ(臭いを防ぐために水をためている曲がった部分)に不凍液を入れておくと効果的であることが案内されています。
凍結防止ヒーターの弱点は、「付いているから安心」と思われやすいことです。ヒーターは長年使ううちに電熱線が劣化したり、保温材の中で断線したりすることがあります。また、節電のためにコンセントを抜いてしまっていた、ブレーカーが落ちていた、サーモスタット(温度を感じて自動でオン・オフする部品)の位置がずれて冷えた場所を感知できていなかった、というケースもあります。ヒーターが巻かれていない継手やバルブの部分だけが凍る、という「部分的な弱点」も現場ではよく見かけます。
凍結しやすい場所 | 凍りやすい理由 | 現場で見かける弱点 |
床下の給水・給湯管 | 外気に近く、暖房の熱が届きにくい | 換気口の閉め忘れ、保温材のずれ |
北側の外壁内の配管 | 日が当たらず、壁の中が冷えやすい | 断熱材の欠け、配管の貫通部のすき間 |
給湯器まわり | 屋外や外壁沿いに露出している | ヒーターの劣化、電源の抜け |
水抜き栓・継手・バルブ | 形が複雑でヒーターや保温材が巻きにくい | 部分的な保温不足、操作の不徹底 |
屋外散水栓 | 直接外気にさらされている | 秋の水抜き忘れ |
ここに北海道ならではの住まい方が重なります。道内の多くの地域では、暖房を使う期間が概ね10月から4月までと長く、半年以上にわたって室内は暖かく、屋外は氷点下という状態が続きます。室内と屋外の温度差が大きいほど、その境目にある床下や外壁の中では温度の変化が激しくなり、配管の一部だけが極端に冷えるという状況が生まれます。冷え込みの厳しい地域では、同じ家の中でも日当たりのよい南側と北側の壁の中とで、配管の冷え方に大きな差が出ることがあります。
さらに、豪雪期には窓を開けて換気することが難しくなります。室内で発生した水蒸気は、窓からではなく、壁の中や床下のすき間を通って逃げ場を探すことになります。配管の貫通部(配管が床や壁を通り抜けている部分)のすき間から暖かく湿った空気が床下や壁内に入り込むと、冷えた配管の表面で結露し、配管まわりの断熱材が少しずつ湿っていきます。これは凍結とは別の現象ですが、断熱材が湿ると保温の力が落ち、配管がさらに凍りやすくなるという悪循環につながります。
北見市の公式サイトでは、床下の換気口をしっかり閉めることも凍結防止策の一つとして挙げられています。床下の換気口は夏場の湿気を逃がすためのものですが、冬に開けたままにしておくと、冷たい外気が直接床下に入り込み、配管を冷やしてしまいます。一方で、春になっても閉めたままにしておくと、今度は床下の湿気がこもる原因になります。季節に合わせて開け閉めを切り替えることが、配管とカビの両方を守るうえで大切です。
札幌や旭川など道内のほかの地域でも凍結防止の考え方は共通していますが、晴れて冷え込む朝が多いオホーツク地方では、特に明け方の急な冷え込みに備えることが重要です。凍結防止の設備は「あるかどうか」よりも「きちんと働いているかどうか」が大切です。秋のうちにヒーターの電源が入っているか、保温材が破れていないか、水抜き栓のハンドルが固くなっていないかを一度確かめておくだけでも、冬のトラブルを減らすことにつながります。次の章では、こうした凍結が実際に配管を傷めたとき、どのような流れで床下や壁の中にカビが広がっていくのかを詳しく見ていきます。
第3章|凍結破損から漏水、そしてカビへ|床下・壁内で進む「見えない流れ」
水道管が凍ったからといって、すぐにカビが生えるわけではありません。問題になるのは、凍結によって配管や継手が傷み、そこから水が漏れ続けることです。水は凍ると体積が約1割増えるといわれており、配管の中で凍った水は内側から管や継手を押し広げます。大きく破裂すれば水が噴き出してすぐに気づきますが、現場で多いのは、継手のわずかなゆるみやパッキンの傷みから、少しずつ水がにじみ出すケースです。
厄介なのは、凍っている間は漏水が起きにくいという点です。配管の中の水が氷になっていれば、ひびがあっても水は流れ出ません。気温が上がって氷が溶け、水が流れ始めたときにはじめて、傷んだ部分から水が漏れ出します。つまり、凍結の被害は凍った瞬間ではなく、溶けたあとに表に出てくるのです。しかも、その場所が床下や壁の中であれば、住んでいる方が異変に気づくまでに時間がかかります。寒さが緩んだ日中に溶け、夜にまた凍るという日が続くと、傷んだ部分は凍るたびに少しずつ広がり、漏れる量も増えていきます。冬の後半から春先にかけて被害が大きくなりやすいのは、このためです。
漏れ出した水は、まず配管のまわりの断熱材に吸い込まれます。グラスウールなどの繊維系の断熱材は、一度水を含むと乾きにくく、重くなって垂れ下がったり、形が崩れたりします。次に、その水分が土台や大引(床を支える太い木材)、合板などの木材へと移っていきます。木材は水を吸うと含水率(木材の中に含まれる水分の割合)が上がり、カビや腐朽菌が育ちやすい状態になります。
段階 | 床下・壁内で起きていること | 住まいの表面に出るサイン |
1.凍結 | 配管内の水が凍り、継手やパッキンに負担がかかる | 蛇口から水が出ない、出が悪い |
2.融解・漏水開始 | 氷が溶け、傷んだ部分から水がにじみ出す | ほとんど気づかない、水道の使用量が増える |
3.吸水・滞留 | 断熱材や木材が水を吸い、乾かずに湿った状態が続く | 床下からの湿った臭い、床の冷たさ |
4.カビの発生 | 湿った木材や断熱材の表面でカビが育ち始める | カビ臭、壁紙の浮きやシミ |
5.広がり | カビが周囲の木材や壁の内側に広がる | 黒い点、床のきしみ、ふかふかした感触 |
ここで、この地域の気候が意外な形で影響してきます。冬のオホーツク地方は外気が冷たく乾いているため、「漏れた水もすぐに乾くのでは」と思われがちです。しかし、床下や壁の中は外気が直接入らない閉じた空間であり、しかも冬の間は冷え切っています。冷えた空間では水が蒸発しにくく、漏れた水はなかなか乾きません。さらに、暖房の熱で室内側だけが温まると、壁の中や床下に温度の差が生まれ、湿気が冷たい側に集まるという動きが起こります。
北海道の住宅は暖房期間が長く、窓を開けにくい豪雪期には室内の換気も限られます。室内外の温度差が大きい状態が何か月も続くことで、床下や壁の中の湿気は逃げ場を失い、漏水による水分と重なってカビが育ちやすい環境がつくられます。こうした状態は外から見えないため、住んでいる方が異変に気づくのは、床の感触が変わったり、カビ臭が室内に漏れてきたりしてからになりがちです。
網走市の公式サイトでは、使用水量が多いなど「おかしい」と感じたときに漏水を疑うよう案内されています。水道の検針票に記載された使用水量が、生活スタイルは変わっていないのに増えている場合は、見えない場所で漏水が起きている可能性があります。当社の現場での傾向として(統計ではありません)、カビのご相談で伺った際に「そういえば冬の水道の使用量が多かった」と後から思い当たる方は少なくありません。
なお、カビが生えた床下や壁の中の空気は、すき間を通って室内に入り込むことがあります。カビ臭が気になる、室内にいると体調が優れないと感じる場合は、原因を住まいだけに決めつけず、医療機関にご相談ください。特に小さなお子さまやご高齢の方がいるご家庭では早めの相談をおすすめします。住まいの側では、漏水を止めて水分の出どころを断つことが、カビ対策の出発点になります。漏水は火災や停電のように目立つトラブルではないため、つい後回しにされがちですが、早く気づくほど乾燥や修理の範囲は小さく済む傾向があります。次の章では、床下の状態を実際に確かめるための床下点検口の見方と、断熱方式による違いを解説します。
第4章|床下点検口で見るべきポイント|基礎断熱と床断熱の違い
床下で漏水やカビが起きていないかを確かめるには、床下点検口からのぞいてみるのが最初の一歩です。床下点検口は、多くの住宅でキッチンの床下収納や洗面所、廊下の一角などに設けられている、床下に入るための開口部です。床下収納がある場合は、収納ボックスを持ち上げると、その下が床下点検口になっていることがよくあります。ただし、狭い床下にご自身で潜り込むのは、けがや配管の破損のおそれがあるため無理をしないでください。
点検口から見るときに知っておきたいのが、お住まいの断熱方式です。北海道の住宅には大きく分けて「床断熱」と「基礎断熱」という二つの方式があり、床下の環境がまったく異なります。床断熱とは、床のすぐ下に断熱材を入れ、床下の空間は外と同じ扱いにする方式です。基礎断熱とは、建物の基礎のコンクリートの内側や外側に断熱材を入れ、床下の空間も室内と同じように扱う方式です。
比較項目 | 床断熱 | 基礎断熱 |
断熱材の位置 | 床のすぐ下(大引・根太の間) | 基礎コンクリートの内側や外側 |
床下の空間の扱い | 屋外に近い(冬は冷える) | 室内に近い(冬も比較的暖かい) |
床下換気口 | あることが多い | 設けないことが多い |
配管の凍結リスク | 床下の配管が冷えやすく、保温やヒーターが重要 | 床下は凍りにくいが、基礎まわりの配管は注意 |
漏水したときの乾きやすさ | 換気口から少しずつ乾くが、冬は乾きにくい | 空気が動きにくく、湿気がこもりやすい |
点検で見るポイント | 断熱材の垂れ下がり、配管の保温材の状態 | 基礎の内側の断熱材の濡れ、土間のコンクリートの湿り |
床断熱の住宅では、床下は冬に外気に近い温度まで冷え込みます。そのため、床下を通る配管は凍結しやすく、保温材や凍結防止ヒーターの状態が特に重要になります。点検口からのぞいたときに、配管に巻かれた保温材がずれていないか、断熱材が垂れ下がっていないか、床下の地面や束(床を支える短い柱)のまわりに水がたまった跡がないかを確認してください。断熱材が垂れ下がっている場合は、水を吸って重くなっている可能性があります。
基礎断熱の住宅では、床下が室内に近い温度に保たれるため、床下の配管そのものは凍りにくい傾向があります。ただし、基礎を貫通して外から入ってくる部分の配管や、給湯器につながる屋外側の配管は凍結の対象になります。そして、基礎断熱の床下は空気の出入りが少ない分、一度漏水が起きると湿気がこもりやすいという特徴があります。点検口を開けたときにむっとした湿った空気を感じる、基礎の内側の断熱材が濡れて色が変わっている、という場合は注意が必要です。
点検口から見える範囲はごく一部ですので、「見える範囲に異常がない」ことは「床下全体に異常がない」ことを意味しません。当社では、点検口から見える範囲の確認に加えて、含水率計で木材の水分を測定したり、ファイバースコープ(細いカメラ)で見えにくい場所を確認したりして、目に見えない水分やカビの広がりを把握するようにしています。含水率計とは、木材などに当てて中に含まれる水分の割合を数値で示す機器のことです。
ご自身で点検口をのぞく場合のコツとしては、懐中電灯で配管の継手のまわりを照らし、白い粉のような跡(水が乾いたあとに残るミネラル分)や、黒っぽいシミがないかを見ることです。また、点検口を開けた瞬間の臭いも大切な手がかりになります。カビ臭や土っぽい臭い、湿った木の臭いがする場合は、床下のどこかで水分が滞っている可能性があります。
断熱方式は、新築時の図面や仕様書で確認できることが多いほか、床下に換気口があるかどうかでもおおよその見当がつきます。お住まいがどちらの方式かを知っておくと、冬の凍結対策と春の点検のポイントを絞り込みやすくなります。一般に、築年数の古い住宅では床断熱が多く、比較的新しい高断熱住宅では基礎断熱が採用されることも増えていますが、同じ地域・同じ年代でも施工会社によって方式は異なります。リフォームで床下の断熱をやり直している場合もありますので、思い込みで判断せず、図面や施工記録を確かめておくと安心です。また、点検口のふた自体にも目を向けてください。ふたの裏側や枠のまわりに結露の跡やカビがある場合は、床下の湿った空気が点検口を通って室内側に上がってきているサインと考えられます。
第5章|春の融解期に発覚するパターン|雪どけとともに見えてくる冬のダメージ
凍結と漏水によるカビは、真冬ではなく春に見つかることが多いのが特徴です。気象庁の平年値では、北見の日最低気温の月平均は3月でもマイナス7.6℃と、まだ凍結の目安を下回っています。それでも日中は日差しが強まり、気温がプラスになる日が増えていきます。凍っていた配管が溶け、床下や壁の中の温度も少しずつ上がることで、冬の間に蓄えられた水分とカビの活動が一気に表に出てくるのです。
当社の現場での傾向として(統計ではありません)、春先のご相談にはいくつかの典型的なパターンがあります。一つ目は、「暖かくなってきたら床下からカビ臭がするようになった」というものです。冬の間は床下が冷えていてカビの活動も穏やかだったものが、気温の上昇とともに活発になり、臭いとして感じられるようになります。二つ目は、「洗面所やキッチンの床が柔らかくなった」「床がきしむようになった」というものです。長い間湿った状態が続いた床の合板や根太が、水分を吸って傷んでいる可能性があります。
三つ目は、「壁紙の下のほうにシミや黒い点が出てきた」というものです。壁の中の配管から漏れた水が、壁の内側を伝って下に降り、床に近い部分の石膏ボードや壁紙の裏に広がっているケースです。四つ目は、「床下収納の中の物がカビていた」というもので、床下収納の下が床下点検口になっている住宅では、床下の湿気がそのまま収納の中に上がってくることがあります。保存食品や段ボール箱に白や緑の綿のようなものが付いていたら、床下の状態も合わせて確認しておきたいところです。
春に見られるサイン | 考えられる原因 | 確認したいこと |
床下からのカビ臭 | 冬の漏水で床下の木材や断熱材が湿っている | 床下点検口からの目視、臭いの強さ |
床の柔らかさ・きしみ | 合板や根太が水を吸って傷んでいる | 該当箇所の下の配管、木材の含水率 |
壁の下部のシミ・黒い点 | 壁内の配管から漏れた水が下に伝っている | 壁の中を通る配管の位置、壁紙の浮き |
床下収納の物のカビ | 床下の湿気が収納内に上がっている | 収納ボックスの下の状態 |
水道の使用量の増加 | 見えない場所で漏水が続いている | 検針票の使用水量、蛇口を閉めたときのメーターの動き |
もう一つ、この地域で気をつけたいのが雪どけ水との区別です。春になると屋根や敷地の雪が溶け、基礎のまわりに水がたまることがあります。これは大雨や浸水とは別に、融雪によって床下が湿るケースですが、配管の漏水と重なると原因の見極めが難しくなります。床下の地面がどこも同じように湿っているのか、それとも配管の近くだけが濡れているのかを確かめることで、雪どけ水によるものか、配管からの漏水によるものかをある程度見分けることができます。
北海道の住宅は、暖房期間が概ね10月から4月までと長いため、春になってもしばらくは暖房を使い続けるご家庭が多いと思います。暖房で室内が暖かく保たれている間は、床下や壁の中との温度差が続き、湿気が冷たい側に集まりやすい状態が続きます。窓を開けて換気しやすくなるのは雪が落ち着いてからですので、それまでの間は床下や壁の中に湿気がこもりやすいことを意識しておく必要があります。
春先の点検でおすすめしているのは、雪どけが進んで床下の温度が上がり始めた頃に、一度床下点検口を開けて臭いと見た目を確認することです。冬の間に水道が凍ったことがある、凍結防止ヒーターの不具合があった、水抜きを忘れた日があった、という心当たりがある場合は、特に丁寧に確認してください。異常に気づいたら、次の章でご紹介する順番で対応を進めることが大切です。
見落とされやすいのが、年末年始の帰省や冬の旅行で家を空けたあとのケースです。北見市や網走市の公式サイトでも、長く家を空けるときは水抜きを行うよう呼びかけられています。留守中は暖房を弱めることが多く、室内の温度も下がるため、普段は凍らない室内側の配管まで凍ることがあります。帰宅後に水が出れば安心してしまいがちですが、凍って溶けた配管のどこかが傷んでいれば、そこから春まで少しずつ漏水が続くこともあります。冬に長く家を空けた年は、春の点検をいつもより丁寧に行うことをおすすめします。
第6章|凍結・漏水が起きたあとの対応の順番|修理・乾燥・調査・カビ処理
水道管の凍結や漏水が起きてしまったとき、カビを広げないためには対応の順番がとても大切です。当社が現場でおすすめしているのは、「止める」「直す」「乾かす」「調べる」「処理する」という順番です。カビが目に見えているとすぐに拭き取りたくなりますが、水分の出どころが残ったままでは、表面をきれいにしても再び同じ場所にカビが戻ってきてしまいます。
まず「止める」です。漏水に気づいたら、止水栓を閉めて水の流れを止めます。網走市の公式サイトでは、配管が破損している場合は止水栓を閉めて、指定給水装置工事事業者に修理を依頼するよう案内されています(修理は有料です)。北見市の公式サイトでも、凍結が自分で解消できない場合は市の指定工事事業者に有料で依頼するよう案内されています。止水栓の場所がわからない場合は、賃貸住宅なら管理会社や大家さんに、持ち家なら新築時の資料などで事前に確認しておくと安心です。
凍ってしまった配管を自分で溶かす場合は、急に熱いお湯をかけたり、直接火を当てたりしないでください。北見市・網走市の公式サイトでも、急な熱湯や直火は管や蛇口の破損につながるおそれがあるとして、タオルを巻いてぬるめのお湯をゆっくりかける方法が案内されています。無理に溶かそうとして配管を傷めてしまうと、その部分が春以降の漏水の原因になることがあります。
次に「直す」です。漏水している配管や継手を、指定の事業者に修理してもらいます。修理の際には、配管のまわりの断熱材や床材を一部外すことになる場合がありますので、そのときに床下や壁の中の濡れ具合やカビの有無を一緒に確認してもらうと、その後の対応がスムーズになります。また、修理の前後に漏水箇所や濡れた範囲を写真に残しておくことをおすすめします。いつ、どこから、どのくらい漏れていたのかという記録は、後から床下や壁の中のカビの広がりを調べる際の大切な手がかりになりますし、賃貸住宅であれば管理会社や大家さんとのやり取りにも役立ちます。
対応の順番 | 内容 | 依頼先の目安 |
1.止める | 止水栓を閉めて漏水を止める | ご自身(場所は事前に確認) |
2.直す | 破損した配管・継手を修理する | 各市の指定給水装置工事事業者 |
3.乾かす | 濡れた断熱材を取り除き、床下・壁内を乾燥させる | 修理業者・リフォーム会社など |
4.調べる | 含水率やカビの広がりを確認する | カビの調査に対応する専門業者 |
5.処理する | カビの除去と再発を防ぐ処理を行う | カビの除去に対応する専門業者 |
三つ目の「乾かす」は、見落とされやすい工程です。水を吸ったグラスウールなどの断熱材は、乾かしても元の性能に戻りにくいことがあるため、交換を検討することが多くなります。床下や壁の中の木材は、送風や除湿によって時間をかけて乾かします。この地域の冬は外気が乾いていますが、冷えた床下では乾燥に時間がかかりますので、焦らずに状態を確かめながら進めることが大切です。
四つ目の「調べる」では、木材がどのくらい水分を含んでいるか、カビがどこまで広がっているかを確認します。表面が乾いて見えても、木材の内部に水分が残っていることは珍しくありません。含水率を測って数値で確かめることで、カビが再び育ちやすい状態かどうかを判断しやすくなります。必要に応じて、付着しているカビの種類を調べる検査を行うこともあります。
最後の「処理する」では、カビの除去と、再発を防ぐための処理を行います。当社のMIST工法®は、素材を傷めにくい方法でカビの除去を行う施工で、床下の木材や壁の内側のように削ったり強くこすったりしにくい場所にも対応しやすいのが特徴です。ただし、効果の程度は現場の状態によって異なりますので、事前の調査で状況を確かめたうえでご提案しています。
処理が終わったあとは、同じ冬を繰り返さないための備えも欠かせません。漏水のあった配管まわりは、保温材を巻き直し、劣化した凍結防止ヒーターは交換を検討します。床下の断熱材を入れ替えた場合は、配管の貫通部のすき間がふさがれているかも確認しておくと、室内の湿った空気が床下に入り込みにくくなります。修理とカビ処理を別々の業者に依頼する場合でも、どこで漏水があったかという情報を共有しておくことで、再発予防の精度が上がります。
関連記事:ファイバースコープ調査とは?壁を壊さず壁内・床下のカビを調べる方法
まとめ|北見・網走のカビ対策は「冬の凍結対策」と「春の床下点検」をセットで
ここまで、オホーツク地方の気候の特徴から、水道管の凍結と漏水が床下・壁内のカビにつながる流れ、床下点検口の見方と断熱方式の違い、春の融解期に発覚しやすいパターン、そして漏水が起きたあとの対応の順番までを見てきました。気象庁の平年値で見ると、この地域は降水量が少なく日照時間の多い、晴れの多い土地柄です。その一方で、真冬の冷え込みは非常に厳しく、水道管の凍結は毎年のように身近なリスクになります。
この地域のカビ対策で大切なのは、「湿気の多さ」だけに目を向けるのではなく、「冬に配管から漏れた水が、見えない場所に残っていないか」という視点を持つことです。凍結による配管の傷みは、凍った瞬間ではなく溶けたあとに漏水として表に出てきます。そして、その漏水が床下や壁の中で続くと、冷えて乾きにくい空間に水分がたまり、春の気温上昇とともにカビが目立ち始めます。
時期 | やっておきたいこと | ポイント |
秋(暖房開始前) | 凍結防止ヒーターの通電確認、屋外散水栓の水抜き、止水栓の場所の確認 | ヒーターの電源が入っているか、保温材がずれていないか |
冬(厳寒期) | 冷え込む夜や外出時の水抜き、床下換気口を閉める | すべての蛇口を開けて水を出し切る |
冬(長期不在時) | 水抜きの徹底、帰宅後の水の出方の確認 | 水が出ても配管が傷んでいないか気にかける |
春(融解期) | 床下点検口からの臭いと見た目の確認、検針票の使用水量の確認 | カビ臭、断熱材の垂れ下がり、配管まわりの濡れ |
春以降 | 床下換気口を開ける(床断熱の場合)、気になる点があれば調査を依頼 | 表面だけの拭き取りで済ませない |
振り返ると、ポイントは三つにまとめられます。一つ目は、冬の前に凍結防止ヒーターや水抜き栓、保温材の状態を確かめ、凍結そのものを起こしにくくすることです。二つ目は、凍結が起きてしまったら、無理に溶かさず、傷んだ配管は指定の事業者に早めに修理してもらうことです。三つ目は、春の融解期に床下点検口を開け、冬の間に見えない場所で漏水が続いていなかったかを確かめることです。この三つを一年のサイクルとして習慣にしておくと、床下や壁の中のカビを早い段階で見つけやすくなります。
Q. 冬に水道が一度凍ったけれど、溶けたあとは普通に使えています。それでも点検は必要ですか?
A. 普通に使えていても、凍結によって継手やパッキンが傷み、見えない場所でわずかな漏水が続いていることがあります。春になって気温が上がった頃に床下点検口から臭いや濡れの有無を確認し、水道の使用量に変化がないかも見ておくと安心です。気になる点があれば、配管は指定の事業者に、カビの状態は専門業者に相談することをおすすめします。
Q. 基礎断熱の家なら、床下の凍結やカビの心配はありませんか?
A. 基礎断熱の住宅は床下が室内に近い温度に保たれるため、床下の配管は凍りにくい傾向があります。ただし、基礎を貫通する部分や屋外の配管は凍結の対象になりますし、床下の空気が動きにくい分、一度漏水が起きると湿気がこもりやすい面もあります。断熱方式にかかわらず、春の点検は行っておくと安心です。
カビが気になるからといって、市販の薬剤で表面だけを拭き取っても、床下や壁の中に水分が残っていれば、同じ場所に再びカビが戻ってくることがあります。まずは漏水を止めて修理し、しっかり乾かしてから、含水率やカビの広がりを確かめたうえで処理を進めることが、遠回りに見えて結果的に近道になります。カビ臭や室内での体調の変化が気になる場合は、住まいの点検とあわせて医療機関にもご相談ください。
カビバスターズ北海道では、含水率測定や付着菌検査などの各種調査から、MIST工法®による素材を傷めにくいカビの除去、カビが生えにくい環境づくりのご提案までをワンストップで行っています。床下や壁の中のように目に見えない場所のカビも、調査で状況を確かめたうえで、お住まいに合った方法をご提案します。費用は現地の状況により異なりますので、まずは現地調査で状態を確認させていただきます。札幌・旭川・函館・帯広・釧路・北見をはじめ、網走を含むオホーツク地方、北海道全域に対応しております。冬の凍結のあとに床下のカビ臭が気になる、春になって床や壁の様子が変わった、という方は、どうぞお気軽にご相談ください。※菌検査は施工前に行う有料オプションです。
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カビバスターズ北海道(MPソリューション株式会社)
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