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ニセコ・倶知安の別荘とコンドミニアムのカビ対策|豪雪・閑散期の管理と秋の点検

10月31日
読了時間: 26分

更新日:19 時間前

こんにちは、カビバスターズ北海道です。「シーズン前に久しぶりにコンドミニアムを開けたら、クローゼットの中がかび臭かった」「夏のあいだ誰も使っていなかった別荘の北側の寝室で、壁紙に黒い点が広がっていた」「スタッフ寮の乾燥室の天井が毎年黒ずむ」といったご相談を、当社ではニセコ町や倶知安町のリゾートエリアから、夏の終わりから初冬にかけていただきます。ニセコ・倶知安は世界中からスキーヤーが集まる国際リゾートで、冬は宿泊施設もコンドミニアムも人で満ちる一方、夏から秋にかけては建物の多くが静かになり、オーナーが海外に住んでいて何か月も室内を誰も見ていない、ということが珍しくありません。この「冬の過密」と「夏〜秋の無人」の落差に、国内有数の豪雪と屋根雪、スキー用品を乾かす乾燥室やブーツ置き場の湿気が重なることで、この地域ならではのカビ問題が生まれます。本記事では、気象庁の倶知安の平年値で気候を確かめたうえで、コンドミニアム・別荘・民泊・スタッフ寮それぞれのカビの出方、オーナー不在期間の管理、繁忙期前の10〜11月に行いたい点検、そして海外オーナーや管理会社へ状況をどう説明すればよいかまでを、現場の目線で整理します。

この記事の結論 ニセコ町・倶知安町のコンドミニアム・別荘・民泊・スタッフ寮でカビが出やすい理由を、気象庁の倶知安の平年値をもとに解説。冬の繁忙期と夏〜秋の閑散期の差、屋根雪、乾燥室の湿気、10〜11月の点検まで整理します。

第1章|ニセコ・倶知安のコンドミニアム・別荘にカビが出やすい理由

ニセコ町と倶知安町にまたがるリゾートエリアには、一般の住宅地とは使われ方がまったく違う建物が集まっています。ホテルのように運営される大型コンドミニアム、個人が所有する戸建ての別荘、住宅宿泊事業として貸し出される民泊物件、そして冬のあいだリフトやレストラン、ホテルで働くスタッフが暮らす寮です。どれも「人が住む建物」ではありますが、一年を通じて同じ人が同じように暮らす住宅とは違い、使う人も使う量も季節によって大きく入れ替わります。カビの問題を考えるうえで、まずこの前提を押さえておくことが大切です。

一般の住宅であれば、住んでいる人が毎日窓を開け、においの変化に気づき、結露を拭くといった小さな手入れを続けています。ところがリゾートの建物では、繁忙期は短期滞在のゲストが入れ替わり立ち替わり使い、閑散期は誰も入らない、という極端な使われ方になりがちです。ゲストは建物の癖を知りませんし、閑散期には異変に気づく人自体がいません。現場でよく目にするのが、「毎年同じ場所にカビが出ているのに、誰もそれを記録していなかった」というケースです。担当者やスタッフがシーズンごとに替わるため、情報が引き継がれにくいのです。

もう一つの特徴は、所有者と使用者、管理者がそれぞれ別の立場にいることです。海外に住むオーナーが建物を所有し、国内の管理会社が清掃や貸し出しを担い、実際に泊まるのは世界各地から来るゲスト、という構図は珍しくありません。カビが見つかったとき、誰が判断し、誰が費用を負担し、誰が対応を手配するのかが決まっていないと、発見から対処までに時間がかかり、その間にカビが広がってしまいます。当社の現場での傾向であり統計ではありませんが、被害が大きくなっていた物件ほど「気づいてから連絡が届くまで」に時間がかかっていたように感じます。

建物の造りにも地域性があります。豪雪地帯のため屋根の形や軒の出、落雪の方向を考えた設計が多く、玄関まわりには大きな風除室やスキー用品を置く土間、乾燥室が設けられていることがよくあります。こうした「濡れたものを持ち込み、乾かす場所」は、リゾートの建物にとって欠かせない設備である一方、湿気が集中する場所でもあります。また、大きな窓で山の景色を楽しむ設計や、吹き抜け、薪ストーブといった別荘らしい造りは、冬の室内外の温度差を大きくし、窓まわりや上部の冷えやすい部分に結露を生じさせる要因にもなります。

下の表は、リゾートエリアの主な建物タイプごとに、使われ方の特徴とカビが出やすい場所をまとめたものです。同じエリアにあっても、建物のタイプによって注意すべき点は変わります。

建物タイプ

使われ方の特徴

カビが出やすい場所の例

大型コンドミニアム

冬は稼働が高く、夏〜秋は空室が増える。清掃は管理会社が担当

浴室まわり、玄関収納、乾燥室、各戸のクローゼット

戸建て別荘

オーナーが年に数週間だけ利用。長期の無人期間がある

北側の寝室、床下、押入れ・クローゼット、吹き抜け上部の窓

民泊物件

短期ゲストが入れ替わる。室内干しや浴室の使い方がばらつく

浴室・脱衣所、寝具収納、窓まわり、換気口まわり

スタッフ寮

冬は定員いっぱい、オフシーズンは空室。相部屋が多い

居室の窓下、共用の乾燥室、シャワー室、ブーツ置き場

表からもわかるように、どのタイプにも共通するのは「冬は水分が多く持ち込まれ、夏〜秋は人の目が届かない」という点です。スキーウェアやグローブ、ブーツには雪が付いたまま室内に入り、溶けた水分は乾燥室や玄関に集まります。宿泊者が多い時期は入浴やシャワーの回数も増え、室内で発生する水蒸気の量はふだんの住宅とは比べものにならないほど多くなります。水蒸気とは、目に見えない気体になった水のことで、冷たい面に触れると水滴に戻ります。

一方で、夏から秋にかけての閑散期は、建物が閉め切られ、暖房も換気も止まりがちです。この時期のリゾートエリアは湿度が高く、閉め切った室内にこもった湿気は抜ける先がありません。冬に持ち込まれた水分の名残が内装材や収納の奥に残り、そこへ夏の湿気が加わることで、誰も見ていないあいだにカビが育つ、という流れが生まれます。次の章では、この流れを気象庁の平年値で確かめていきます。

なお、本記事で扱うのは、宿泊施設の客室運営そのものではなく、「所有者が不在になりやすいリゾートの建物を、季節の落差の中でどう守るか」という視点です。札幌の住宅地で見られる空き家の問題とも異なり、この地域では、冬に建物が最大限に使われることが前提になっている点が大きな違いです。使うときの負荷と、使わないときの放置、その両方に備える必要があります。

第2章|気象庁の平年値で見る倶知安の豪雪と湿度

ニセコ・倶知安の気候を数字で確かめるために、気象庁が公表している倶知安の平年値を見てみます。平年値とは、30年間の観測値を平均した「その土地のふつうの気候」を表す値で、現在は1991〜2020年の観測をもとにしています。気象庁の平年値(1991〜2020年)では、倶知安の降雪の深さの年間合計は921cm、最深積雪の年間値は183cmとなっています。降雪の深さの合計とは、毎日新たに積もった雪の量を足し合わせたもので、ひと冬で9mを超える雪が降る計算になります。

月別に見ると、雪の降り方の特徴がよくわかります。気象庁の平年値では、倶知安の降雪の深さ合計は10月が2cm、11月が95cm、12月が253cm、1月が253cm、2月が187cm、3月が122cm、4月が17cmです。最深積雪の月別平年値は、12月が99cm、1月が155cm、2月が181cm、3月が170cm、4月でも101cmとなっており、春先まで屋根にも地面にも大量の雪が残ることがわかります。11月にはすでにまとまった雪が降り始めるため、繁忙期前の点検は雪が積もる前の10月から11月前半に済ませておくことが現実的です。

次に湿度です。気象庁の平年値では、倶知安の年平均の相対湿度は79%です。相対湿度とは、その温度の空気が含める最大の水蒸気量に対して、実際にどれだけ含んでいるかを割合で表したものです。月別では、7月が83%、8月が84%、9月が82%と、夏から初秋にかけて高い値が続きます。8月の平均気温の平年値は20.6℃で、暖かく湿った空気が長く続く時期です。この時期がちょうどリゾートの閑散期にあたり、閉め切られた建物の中に湿気がこもりやすくなります。

冬の冷え込みも見ておきましょう。気象庁の平年値では、倶知安の日最低気温の平均は1月が-9.6℃、2月が-9.4℃です。外がこれだけ冷えている中で、室内はゲストのために暖かく保たれますから、窓ガラスやサッシ、外壁に面した壁の室内側、天井の隅などが冷やされ、結露が起こりやすくなります。結露とは、暖かく湿った空気が冷たい面に触れて、空気中の水蒸気が水滴に変わる現象です。日照時間の平年値も12月は38.8時間、1月は47.0時間と短く、日差しで室内が乾く時間はあまり期待できません。

時期

気象庁の平年値(倶知安、1991〜2020年)

リゾートの建物で起きやすいこと

7〜9月

相対湿度 7月83%、8月84%、9月82%

閉め切った空室・別荘に湿気がこもり、収納や寝具にカビ

10〜11月

降雪の深さ合計 10月2cm、11月95cm

点検できる最後の時期。雪が積もると屋根・外回りの確認が難しくなる

12〜2月

降雪の深さ合計 12月253cm、1月253cm、2月187cm。日最低気温 1月-9.6℃

稼働が最大に。乾燥室・玄関・浴室の水分負荷が増え、窓や壁の結露が続く

3〜4月

最深積雪 3月170cm、4月101cm

屋根雪・融雪水の影響が続く。閉館後に換気が止まり湿気が残る

北海道の建物全般に言えることですが、暖房期間は概ね10月から4月と長く、このような豪雪地帯では窓を開けて換気しにくい期間がさらに長く感じられます。窓の外に雪が積もり、開けると冷気と雪が吹き込むため、ゲストも管理スタッフも窓を閉め切りがちです。その結果、室内で発生した水蒸気が外に出ていかず、室内外の温度差が大きい窓まわりや外壁の隅に集まって結露になります。札幌や旭川の住宅でも同じ構図は見られますが、リゾートの建物では宿泊者の人数が多く、水分の発生量がさらに大きくなる点が異なります。

もう一つ注意したいのが、季節ごとに「湿気の出どころ」が入れ替わることです。冬は建物の中から出る水蒸気、つまり入浴やシャワー、濡れたウェアや調理から発生する水分が主な原因になります。一方で夏から秋は、外の湿った空気そのものが原因になります。閑散期に窓を少しだけ開けておけばよい、と考えるのは自然ですが、外の湿度が高い日に長時間開けたままにすると、かえって湿った空気を取り込み、冷えやすい床下や北側の部屋で湿気がたまることもあります。換気は「いつ、どれくらい」行うかが大切です。

数字を並べると、この地域は「冬は雪と結露、夏は高い湿度」という、一年を通じて水分と縁が切れない土地であることがわかります。雪の多さは誰もが知っていますが、夏の湿度の高さは意外に見落とされがちです。当社にご相談いただく物件でも、冬のあいだは問題がなかったのに、夏を越してシーズン前に開けたらカビが出ていた、というケースが目立ちます。これは当社の現場での傾向であり統計ではありませんが、閑散期の管理がいかに大切かを示していると考えています。

第3章|冬の繁忙期と夏〜秋の閑散期、落差がカビを育てる仕組み

リゾートの建物でカビが問題になる背景には、季節による使われ方の落差があります。冬の繁忙期には、一つの住戸に定員いっぱいのゲストが泊まり、毎日のように入浴し、スキーウェアやグローブを室内で乾かし、料理もします。人の呼吸や汗からも水分は出ますから、人数が多いほど室内の水蒸気は増えます。一方で、外は厳しく冷え込み、窓の外には雪が積もっているため、窓を開けての換気はほとんど行われません。室内で生まれた水分の行き場は、24時間換気の設備と、冷たい窓や壁の表面しかない状態になります。

ここで問題になるのが、24時間換気が十分に働いていないケースです。24時間換気とは、窓を閉めたままでも室内の空気を少しずつ入れ替えるための換気設備のことです。寒さを嫌ったゲストが給気口を閉じてしまったり、フィルターが目詰まりしていたり、スイッチが切られていたりすると、換気量は大きく落ちます。短期滞在のゲストは建物の設備に詳しくありませんし、言語の違いから案内が十分に伝わらないこともあります。現場でよく目にするのが、給気口がテープでふさがれていたり、家具で隠れていたりする住戸です。

繁忙期のあいだは暖房が入り、室温が保たれているため、カビは目立ちにくいこともあります。しかし、窓の下枠や外壁側のクローゼットの奥、家具の裏などには結露が繰り返し起き、内装材が少しずつ湿気を吸い込んでいきます。石こうボードや木材、壁紙の裏の接着剤などは水分を含むと乾きにくく、繁忙期が終わる頃には、目に見えない部分にまで湿気が残っていることがあります。含水率とは、材料にどれだけ水分が含まれているかを示す割合のことで、この値が高い状態が続くとカビが育ちやすくなります。

そして春、スキーシーズンが終わると建物は一気に静かになります。清掃を済ませたあと暖房を止め、窓を閉め切り、次の冬まで最低限の見回りだけ、という管理になることが少なくありません。冬のあいだに内装材や収納の奥に残った湿気は、暖房が止まって室温が下がることで乾きにくくなります。さらに夏になると、第2章で見たように外の空気の湿度が高い時期が続きます。わずかなすき間や換気口から湿った空気が入り込み、冷えやすい床下や北側の部屋、閉め切った収納の中で湿度が高い状態が続くと、カビにとって好都合な環境になります。

時期

建物の状態

カビにつながる要因

管理のポイント

冬の繁忙期

満室に近い稼働、暖房常時運転、窓はほぼ閉め切り

入浴・乾燥・調理による水蒸気の増加、窓や壁の結露、給気口の閉鎖

換気設備の運転確認、給気口の開放、ゲスト向け案内の多言語化

春の閉館直後

清掃後に暖房停止、閉め切り

冬に内装材へたまった湿気が抜けきらない

閉館前に乾燥・換気の期間を設け、収納や寝具を開放する

夏〜秋の閑散期

無人、見回りは最低限

外気の高い湿度、閉め切った収納・床下の湿気

定期的な通風と除湿、湿度の記録、においの確認

繁忙期前

清掃と準備が集中

カビの発見が遅れると対応の時間がない

10〜11月の点検で早めに異常を洗い出す

表のように、カビの原因となる湿気は冬に「つくられ」、夏に「育てられる」と考えるとわかりやすいかもしれません。冬の結露でしみ込んだ水分と、夏の高い湿度が重なることで、繁忙期前に建物を開けたときに初めて被害が見つかる、という流れになります。カビの胞子とは、カビが増えるときに空気中に飛ばす、ごく小さな粒のことです。一度増えたカビは胞子を室内に広げるため、発見が遅れるほど対処の範囲が広くなりやすくなります。

この落差は、スタッフ寮でも同じように起こります。冬は定員いっぱいのスタッフが相部屋で暮らし、洗濯物を室内に干し、濡れたウェアやブーツを部屋に持ち込みます。オフシーズンには空室が増え、必要最低限の管理になります。寮の場合、居室ごとに暮らし方が違うため、同じ建物の中でもカビの出方に差が出やすいのが特徴です。窓の下や外壁に面した壁の角、ベッドと壁のすき間などは、冬のあいだに結露を繰り返しやすい場所です。

大切なのは、繁忙期と閑散期を別々に考えるのではなく、一年を一続きの流れとして管理することです。冬のあいだに換気設備を正しく動かし、閉館時にしっかり乾かし、夏のあいだに湿気をためず、秋に点検する。この流れのどこか一つが抜けると、次の冬の前にカビが見つかる可能性が高まります。季節ごとに担当者が替わる物件ほど、この流れを記録として残し、引き継ぐ仕組みが役に立ちます。

第4章|屋根雪・すがもりと、乾燥室・ブーツ置き場の湿気

豪雪地帯のこのエリアでは、屋根に積もる雪そのものが建物の湿気の原因になることがあります。倶知安町は、屋根からの落雪を自分の敷地内で処理できるような建物配置などを定めた「倶知安町建築物等に関する指導要綱」を2003年11月に施行しており、町として雪への備えを建物づくりの前提にしていることがうかがえます。屋根雪は重さや落雪の危険だけでなく、雪解け水が建物の中に入り込むことで、天井裏や壁の中の湿気、ひいてはカビにつながる場合がある点にも注意が必要です。

代表的なのが「すがもり」です。すがもりとは、屋根の上で雪が解けた水が、軒先で再び凍ってできた氷の堤にせき止められ、屋根材のすき間から建物の内部に入り込む現象です。室内の暖かさが屋根に伝わって雪の下の層が解け、冷たい軒先で凍る、ということを繰り返すと、氷の堤は大きくなっていきます。入り込んだ水は天井裏の断熱材や下地の木材を湿らせ、天井のしみやカビ、においとなって現れます。無人の別荘では、しみに気づくまでに時間がかかりやすい点が課題です。

屋根雪に関連してもう一つ気をつけたいのが、屋根や外壁まわりに雪が長く接している部分です。落雪が建物の壁際に積み上がると、外壁の下部や基礎まわりが長期間雪に覆われ、融雪期には水分が抜けにくくなります。外壁の下部の室内側や床下の周辺部は、こうした影響を受けやすい場所です。第2章で見たように、倶知安の最深積雪は4月の平年値でも101cmあり、雪が長く建物に接している期間があることがわかります。

建物の中で湿気が最も集中する場所の一つが、スキー用品の乾燥室です。乾燥室では、雪で濡れたウェアやグローブ、ブーツ、ヘルメットなどを温風や暖房で乾かします。乾かすということは、持ち込まれた水分を空気中に水蒸気として放つということでもあります。乾燥室の換気が弱いと、その水蒸気は室内にとどまり、天井や壁の隅、扉の周囲などの冷えやすい部分で結露します。現場でよく目にするのが、乾燥室の天井の角や、換気扇の周りが黒ずんでいるケースです。

ブーツ置き場や玄関の土間も同じです。ゲストが一斉に戻ってくる夕方には、濡れたブーツや板が並び、床には溶けた雪がたまります。ブーツの中は乾きにくく、翌朝まで湿ったままということも珍しくありません。ブーツラックの下や壁際、下駄箱の中、土間と床の段差まわりなどは、水分が残りやすくカビやにおいが出やすい場所です。玄関の扉が頻繁に開閉されることで冷気が入り、壁や床が冷えやすいことも結露を後押しします。

場所

湿気が生まれる理由

現れやすいサイン

確認したいこと

屋根・天井裏

すがもりによる雪解け水の浸入

天井のしみ、天井裏のにおい、断熱材の湿り

軒先の氷の堤、天井点検口からの目視、含水率

外壁下部・基礎まわり

落雪や積雪が長く接し、融雪水が抜けにくい

外壁側の巾木まわりの変色、床下の湿気

雪の積み上がり方、床下の湿り、換気口の状態

乾燥室

濡れた用品を乾かす際に大量の水蒸気が出る

天井・壁の隅の黒ずみ、換気扇周りのカビ

換気扇の運転と風量、扉の閉め切り方

ブーツ置き場・土間

溶けた雪がたまり、ブーツ内が乾きにくい

ラック下や壁際の黒ずみ、下駄箱のにおい

床の水たまり、ラックの素材、収納内の通気

乾燥室やブーツ置き場は、繁忙期には欠かせない設備ですが、閑散期に入るとそのまま閉め切られることが多い場所でもあります。冬のあいだに壁や天井にしみ込んだ湿気、ラックの裏に残った水分が、夏の湿った空気の中でゆっくりとカビを育てていきます。シーズンが終わったら、乾燥室の扉を開けて空気を動かし、ラックや棚を移動させて裏側まで乾かすことが大切です。濡れたままのマットや、置き忘れのグローブ、インナーブーツがないかも確認しておきましょう。

こうした場所のカビは、表面を拭き取っても、壁の中や下地の木材に湿気が残っていると再び現れることがあります。特にすがもりが疑われる天井や、長く雪が接していた外壁の下部は、見た目だけでは内部の状態がわかりません。当社では、目視に加えて含水率の測定などで、どこまで湿気が及んでいるかを確かめたうえで、対処の範囲を考えることをおすすめしています。

第5章|オーナー不在期間の管理と、繁忙期前(10〜11月)の点検

リゾートエリアの別荘やコンドミニアムでは、オーナーが一年のうち数週間しか滞在しない、あるいは海外に住んでいて何年も現地を訪れていない、ということも珍しくありません。オーナー不在の期間に建物を守るのは、管理会社や地元の管理人の役割になります。ただし、見回りの頻度や内容が契約で細かく決まっていないと、「鍵を開けて中を一周するだけ」「郵便物を回収するだけ」で終わってしまい、カビの前ぶれを見逃すことがあります。不在期間の管理では、何を見て、何を記録するかをあらかじめ決めておくことが大切です。

夏から秋の不在期間に特に意識したいのは、においと湿度です。カビは目に見える前に、かび臭さとして気づかれることがよくあります。建物に入った瞬間のにおい、クローゼットや押入れ、下駄箱を開けたときのにおいは、毎回同じ手順で確かめて記録しておくと変化に気づきやすくなります。あわせて、温湿度計やデータロガーで室内の湿度を記録しておくと、閉め切った期間にどのくらい湿度が上がっていたかを後から確かめられます。データロガーとは、温度や湿度を一定の間隔で自動的に記録してくれる小さな計測器のことです。

見回りの際の通風や除湿の方法も、あらかじめ決めておくとよいでしょう。外の湿度が高い日に窓を長時間開け放すより、比較的乾いた日に短時間しっかり空気を入れ替える方が効果的な場合があります。収納の扉を開けておく、寝具やマットレスを立てかけて空気に触れさせる、除湿機を運転するといった工夫も考えられます。ただし、除湿機を無人で長時間運転する場合は、排水の方法や電気設備の安全性を事前に確認しておく必要があります。どの方法をとるかは、建物の造りや管理体制によって変わります。

そして、繁忙期前の10月から11月は、カビ対策にとって最も大切な時期です。第2章で見たように、気象庁の平年値では倶知安の降雪の深さ合計は10月が2cm、11月が95cmで、11月にはまとまった雪が降り始めます。雪が積もってしまうと、屋根や軒先、外壁の下部、床下の換気口などの確認が難しくなります。また、12月に入れば繁忙期が始まり、ゲストが入った後では大がかりな対処はしにくくなります。点検と、必要な場合の対処を済ませておくには、10月から11月前半がひとつの目安になります。

点検の場所

確認する内容

異常があった場合の考え方

玄関・土間・ブーツ置き場

におい、ラック下や壁際の黒ずみ、下駄箱内の状態

表面の汚れか、下地まで湿っているかを確かめる

乾燥室

天井・壁の隅のカビ、換気扇の運転と風量

換気設備の修理や清掃と、カビの処理をあわせて行う

寝室・北側の部屋

窓下、外壁側の壁の角、家具の裏、クローゼットの奥

家具を動かして裏側まで確認し、範囲を記録する

浴室・脱衣所

目地やパッキン、天井、換気扇の状態

換気扇の動作不良があれば冬前に修理を検討する

天井・屋根まわり

前の冬のすがもりの跡、天井のしみ

しみがあれば天井裏の湿りや下地の状態を調べる

床下・外壁下部

床下の湿気、換気口の詰まり、基礎まわりの変色

点検口から目視し、必要に応じて含水率を測る

24時間換気・給気口

給気口の開閉、フィルターの目詰まり、スイッチの状態

清掃・交換を行い、ゲスト向けの案内も見直す

この表のように、点検では「見た目」だけでなく「なぜそこが湿ったのか」まで考えることが大切です。たとえば北側の寝室の壁の角にカビが出ていた場合、冬の結露が原因なのか、夏の湿気が原因なのか、あるいは外壁や屋根からの水の浸入が関わっているのかによって、とるべき対策は変わります。原因がわからないまま表面だけを掃除すると、次の冬や翌年の夏に再び同じ場所にカビが現れることがあります。

スタッフ寮の場合は、スタッフが入居する前の時期が点検のタイミングになります。前のシーズンの入居者が退去した後、居室の窓まわりや壁の角、シャワー室、共用の乾燥室などを確認し、必要な処理を済ませておくと、新しいスタッフが気持ちよく暮らし始められます。寮の住環境はスタッフの定着にもかかわりますから、管理者にとっても大切な取り組みです。

なお、カビが広い範囲に出ている場合や、室内のにおいが強い場合は、ご自身で無理に処理しようとせず、専門の業者に相談することをおすすめします。市販の薬剤を使う際にも、換気を十分に行い、塩素系と酸性の製品を混ぜないなど、表示に従った使い方を守ってください。体調に不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

第6章|海外オーナー・管理会社への説明と、調査の進め方

国際リゾートの物件では、カビを見つけた管理会社や管理人が、海外に住むオーナーに状況を伝え、対応の判断をあおぐ場面がよくあります。オーナーは現地の気候や建物の状態を直接見ることができないため、「どこに、どのくらい、なぜ出ているのか」「放っておくとどうなるのか」「何をすればよいのか」が伝わらないと、判断ができません。説明が不十分なまま時間が過ぎると、繁忙期前の限られた時間を失ってしまいます。ここでは、オーナーや管理会社に状況を伝える際に押さえておきたい点を整理します。

まず大切なのは、記録の残し方です。カビが出ている場所は、部屋全体がわかる写真と、近くで撮った写真の両方を残し、建物の間取り図のどこにあたるかを示しておくと伝わりやすくなります。発見した日付、室内の温度と湿度、においの有無、前回の点検時との違いも書き添えておきましょう。季節ごとに担当者が替わる物件では、こうした記録がそのまま次の担当者への引き継ぎ資料にもなります。記録は日本語だけでなく、オーナーが読める言語で要点をまとめておくと、やり取りがスムーズになります。

次に、原因の見立てを伝えることです。海外オーナーの中には、北海道の豪雪地帯で冬の結露や屋根雪がどのような影響を持つのか、夏にこれほど湿度が高くなるのかを知らない方もいらっしゃいます。第2章で紹介した気象庁の平年値のように、客観的な数字を添えて地域の気候を説明すると、なぜ閑散期の管理や繁忙期前の点検が必要なのかを理解していただきやすくなります。「この物件の管理が悪かった」ではなく、「この地域の気候と使われ方の特徴として、こういう場所にカビが出やすい」と伝えることが、建設的な話し合いにつながります。

そして、対応の選択肢と、それぞれの考え方を示すことです。表面の清掃で様子を見るのか、専門の調査で原因と範囲を確かめるのか、除去施工と環境改善まで行うのか。費用は現地の状況により異なりますから、見積りの前提となる範囲や方法を明確にし、施工後にどのように状態を確かめるのかもあわせて伝えると、オーナーは判断しやすくなります。

説明の項目

伝える内容の例

用意しておきたい資料

現状

発見場所、範囲、におい、発見日

全体写真と近接写真、間取り図への記入

環境

室内の温湿度、閉め切っていた期間、換気設備の状態

温湿度の記録、見回りの記録

原因の見立て

冬の結露、夏の湿気、すがもりなど、考えられる原因

気象庁の平年値など客観的なデータ、調査結果

対応の選択肢

清掃で様子を見る、調査する、除去施工と環境改善を行う

見積りの範囲と方法、工期の目安

再発防止

閑散期の通風・除湿、繁忙期前の点検、ゲスト向け案内

年間の管理計画、点検表

原因と範囲を確かめるための調査には、いくつかの方法があります。含水率測定は、壁や床、天井の材料にどれだけ水分が含まれているかを測る方法で、すがもりや結露による湿気がどこまで広がっているかを確かめる手がかりになります。付着菌検査(有料オプション)は、表面に付いているカビを採取して培養し、どのような種類のカビがいるかを調べる方法です。落下菌検査は、室内の空気中から落ちてくるカビの量を調べるもので、施工の前後で比べることで状態の変化を確かめる目安になります。どの調査が必要かは、建物の状況によって異なります。

当社では、MIST工法®による除去と、カビが生えにくい環境づくりをご提案しています。MIST工法®は、素材を削ったりこすったりせずに処理することを目指した工法で、木材や内装材など素材を傷めにくい施工として、別荘の無垢材や意匠性の高い内装にも検討しやすい方法です。ただし、施工の効果は建物の状態や湿気の原因によって変わりますので、原因となる結露や水の浸入への対策とあわせて考えることが大切です。

民泊物件やコンドミニアムでは、ゲスト向けの案内も再発防止の一部になります。給気口を閉じないこと、浴室の換気扇を入浴後もしばらく回すこと、濡れたウェアは乾燥室で乾かし寝室に持ち込まないことなどを、写真やイラストを添えた多言語の案内にしておくと、言葉の壁を越えて伝わりやすくなります。こうした案内の内容も、オーナーへの報告に含めておくとよいでしょう。

関連記事:北海道の社宅・寮|空室期間の湿気管理

まとめ|ニセコ・倶知安のリゾート物件は「冬の負荷」と「夏〜秋の無人」の両方に備える

ニセコ町・倶知安町のコンドミニアム、別荘、民泊、スタッフ寮は、一般の住宅とは違う使われ方をする建物です。冬の繁忙期には多くの人が滞在し、入浴や調理、スキー用品の乾燥によって室内に大量の水分が生まれます。外は厳しく冷え込み、窓の外には雪が積もるため、換気は設備に頼るしかなく、窓や外壁の室内側で結露が繰り返されます。一方、夏から秋の閑散期には建物が閉め切られ、湿度の高い外気の中で、冬に残った湿気がカビを育てていきます。気象庁の平年値(1991〜2020年)では、倶知安の降雪の深さの年間合計は921cm、年平均の相対湿度は79%、8月の相対湿度は84%で、雪と湿気の両方と付き合う土地であることがわかります。

こうした地域でカビを防ぐためには、季節ごとの対策を一続きの流れとして考えることが大切です。冬は換気設備を正しく動かし、給気口をふさがないようゲストに案内する。春の閉館時には建物をしっかり乾かしてから閉める。夏から秋は定期的に見回り、においと湿度を記録する。そして雪が積もる前の10月から11月に点検を行い、必要な対処を繁忙期前に済ませる。屋根雪によるすがもりや、乾燥室・ブーツ置き場のように湿気が集中する場所は、特に念入りに確認したいところです。

また、所有者と管理者、使用者が別々の立場にあるリゾート物件では、情報の伝え方もカビ対策の一部になります。写真や温湿度の記録、地域の気候データを添えて、原因の見立てと対応の選択肢をわかりやすく伝えることで、海外に住むオーナーも判断しやすくなります。季節ごとに担当者が替わる物件ほど、記録を残し、引き継ぐ仕組みづくりが役立ちます。

Q. オーナーが海外にいて、しばらく現地に行けません。カビが見つかった場合、立ち会いなしで調査や施工をお願いできますか?

A. 管理会社や管理人の方に鍵の受け渡しや立ち会いをお願いできれば、オーナー様が現地にいらっしゃらなくても調査を進められる場合があります。調査の結果は写真や測定値を添えてご報告し、対応の選択肢と見積りをお示ししたうえで、ご判断いただく流れが一般的です。進め方は物件の状況や管理体制によって異なりますので、まずはご相談ください。

Q. 夏のあいだ窓を少し開けておけば、カビは防げますか?

A. 通風は大切ですが、外の湿度が高い日に長時間開けたままにすると、かえって湿った空気を取り込んでしまうことがあります。また、無人の建物で窓を開けておくことは防犯や雨の吹き込みの面でも注意が必要です。比較的乾いた日に短時間しっかり空気を入れ替える、収納の扉を開けておく、湿度を記録して変化を確かめるなど、建物の状況に合わせた方法を組み合わせることをおすすめします。

カビは、見た目の汚れやにおいの問題だけでなく、建物の内装材や下地を傷め、ゲストやスタッフの滞在の快適さにもかかわります。体調に不安がある場合は、医療機関にご相談ください。建物の状態については、表面の清掃だけで様子を見るのか、原因と範囲を調べてから対処するのかを、状況に応じて選ぶことが大切です。特に、同じ場所に毎年カビが出る、天井にしみがある、においが強いといった場合は、湿気の原因が見えない場所に隠れている可能性があります。

カビバスターズ北海道では、含水率測定や付着菌検査、落下菌検査などの各種調査から、MIST工法®による除去、カビが生えにくい環境づくりのご提案までをワンストップで行っています。ニセコ町・倶知安町をはじめとする後志のリゾートエリアはもちろん、札幌・旭川・函館・帯広・釧路・北見をはじめ北海道全域に対応しています。コンドミニアムや別荘、民泊物件、スタッフ寮のオーナー様、管理会社様からのご相談も承っており、繁忙期前の点検のご相談も歓迎しています。「シーズン前に一度状態を確かめておきたい」「海外のオーナーに説明できる報告書がほしい」といったご要望も含め、お気軽にご相談ください。※菌検査は施工前に行う有料オプションです。


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カビバスターズ北海道(MPソリューション株式会社)

所在地:〒064-0807 北海道札幌市中央区南7条西1丁目6-2

受付時間:平日9:00〜18:00(土日祝休み)

対応エリア:札幌市(中央区・北区・東区・白石区・豊平区・南区・西区・厚別区・手稲区・清田区)をはじめ、石狩・小樽・千歳・苫小牧・旭川・函館など北海道全域。地域ごとの対応は対応エリアをご覧ください。

料金の目安は料金ページ、札幌市内のご依頼は札幌市のカビ取りをご覧ください。

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